令和3年度ケアマ試験をケアマネ資格取得者が解説!レッスン18【保健医療サービス〜バイタル〜】
どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます河野つなきです。今回もケアマネージャーの試験勉強を一緒にしていきましょう。今回の分野は「保健医療サービスの知識等」から「バイタルサイン」についてまとめていきます。利用者自身の健康状態に気づくためには必要な知識なのでケアマネージャーの受験対策以上に実際の利用者さんと関わる上で今回の投稿を覚えて現場で活用していきましょう。また、介護の仕事は「自分自身の健康状態」も重要でサービスの質が左右される業務がたくさんあります。健康とは心も身体も健康にある必要があります。
それでは一緒にケアマネ試験合格を目指して勉強していきましょう。
目次
・バイタルサインとは
・体温について
・脈拍について
・血圧について
・意識レベルについて
・呼吸について
・まとめ、感想
バイタルサインとは
バイタルサインとは生命の維持に関わる最も基本的な情報のことをいいます。バイタルサインには「体温」「脈拍」「血圧」「意識レベル」「呼吸」の5つがあります。バイタルサインは健康状態をつかさどるうえで重要な数値となります。今回の投稿ではこれら5つについてまとめていきます。
体温について
体温は人それぞれによって平熱の基準が違います。基本的に「体温が37度以上ある場合は発熱あるいは高体温」と言われます。逆に「34度以下を低体温」と言われます。
発熱、高体温のサイン
発熱しているという事は感染症が関係している可能性が高いサインです。感染症以外には脱水、熱中症、膠原病、悪性腫瘍などの時にも見られます。また、抗精神病薬を増量した際や抗パーキンソン病薬の急激な中止や減量などで発熱が起きる場合もあります。それを「悪性症候群」といいます。その場合には発熱と合わせて意識障害、筋硬直、震えなども見られます。
低体温のサイン
低体温症は、気温の低い環境にさらされることにより発症します。人の体は通常、体温が上がるように対応しますが、その能力を上回る以上に体温が低下することで低体温症の発症に至ります。環境や低栄養、甲状腺機能低下症、薬剤などによる体温調節機能不全が原因で起きる場合もあります。
脈拍について
脈拍とは橈骨動脈の拍動数を1分あたりに打った数を測定した数値です。
【頻脈】
脈拍100以上である。感染症、脱水、うっ血性心不全、甲状腺機能亢進症などにみられる。
【徐脈】
脈拍60未満。脳出血による頭蓋内圧亢進時、薬剤の副作用、心臓の刺激伝達系の異常などにみられる。
【不整脈】
拍動の欠けやリズムの乱れ。心房細動にみられる。
血圧について
血圧とは動脈壁にかかる圧力のことをいいます。「最高血圧」とは心臓の収縮期の血圧、「最低血圧」とは心臓の拡張期の血圧になります。血圧は基本的に血圧計で測定されます。大動脈疾患、片麻痺が進行した動脈硬化では血圧に左右差が見られることもあります。その場合は左右での血圧測定も必要です。上肢の拘縮などにより上腕での血圧が測定困難な場合には下肢での血圧測定も行われます。その場合には「膝下動脈」や「後脛骨動脈」での測定が行われます。
高齢になるとともに血管の弾力が失われるため収縮期血圧(最高血圧)は高くなり、拡張期血圧(最低血圧)は低くなる傾向が見られます。血圧が高い状態が持続すると血管がもろくなったり硬くなり様々な疾患を引き起こすリスクになります。また寝たきりの方が急に頭の位置を上げることにより「起立性低血圧」が起こることもあります。
高血圧には以下の3種類があります。
【本態性高血圧症】
遺伝的な要因、塩分摂取、加齢等により原因のはっきりとしないもの
【二次性高血圧症】
腎血管性高血圧症や内分泌異常など原因がはっきりしている。
【白衣性高血圧】
医師や看護師が血圧を測定することにより緊張などによって血圧が上がる。
意識レベルについて
意識レベルの評価方法として日本では「ジャパン・コーマ・スケール(JCS)」が使われています。「ジャパン、コーマ、スケール(JCS)」では、3-3-9度方式とも呼ばれます。
「ジャパン、コーマ、スケール(JCS)」の評価方法は下記に載せておきますので参考にしてくださいね。
「ジャパン、コーマ、スケール(JCS)」評価方法
呼吸について
呼吸が低下すると血中の酸素が欠乏するためチアノーゼを起こします。チアノーゼの場合には、皮膚や粘膜が紫藍色になるのがサインです。高齢者の場合は「1分間で15から20回が正常」といわれます。
頻呼吸では「1分間に25回以上」であり「発熱」「心不全」「呼吸器疾患」などにみられる。
徐呼吸では「1分間に9回以下」であり「糖尿病性ケトアシドーシス」「脳卒中」などに見られる。
また呼吸困難と判断するには、特徴的な呼吸の様子が見られます。
起座呼吸
呼吸困難が臥位で強くなり、起座位または半座位では軽減する。
【予測される疾患】
心不全、気管支喘息、肺炎、気管支炎
口すぼめ呼吸
口をすぼめて息を吐くと呼吸が楽になる状態。
【予測される疾患】
慢性閉塞性肺疾患
下顎呼吸
顎を動かし辛そうに呼吸している状態。努力呼吸とも言う。
【予測される疾患】
ターミナル期※下顎呼吸が始まると1から2時間で死亡すると言われます。
また呼吸に関しては血中酸素濃度を測るパルスオキシメーターがあり疾患によっては在宅に用意しておく必要があります。パルスオキシメーターについて詳しく載せた投稿も下記に載せておきますので参考にしていただければと思います。
【パルスオキシメーターについて】
まとめ、感想
バイタルサインとは、まず私たち介護従事者がサービスを行う上でバイタルサインに異常があればに緊急の処置や場合によっては救急搬送を前提に考えておかなければならないものです。疾患がある方に関しては特に気をつけて観察する必要があります。バイタルの異常はどこかに障害をきたしている状態で病気だけではなく、環境なども配慮し利用者様の周りを整えていく必要もあります。
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