和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和3年度ケアマ試験をケアマネ資格取得者が解説!レッスン23【保健医療サービス〜高齢者の疾患〜後半〜】

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます河野つなきです。今回もケアマネージャーの試験に出題されやすい傾向にあるポイントについてまとめて参ります。今回の投稿では保健医療サービスの知識等に関する「高齢者に多い疾患」についてまとめていきます。

高齢者に多い疾患の分野は試験範囲が広いので「前半」「中盤」「後半」と分けて投稿しています。今回の投稿は後半になります。

試験勉強の参考になるよう「前半」「中盤」の投稿も下記に載せておきますのでご参考にしていただければと思います。

【高齢者の疾患(前半)】

【高齢者の疾患(中盤)】

試験の日程まで残り3日になります。明日は揺れて勉強に取り組んでいきましょう。

目次

・腎不全について

・前立腺肥大症について

・がん(悪性新生物)について

・糖尿病について

・低ナトリウム血症について

・慢性閉塞性肺疾患(COPD)について

・肺炎について

・白内障について

・緑内障について

・まとめ、感想

腎不全について

腎臓の機能が低下することにより体の中の水分量や体液の恒常性を調整できなくなってしまった状態のことを腎不全といいます。

腎不全には「急性腎不全」「慢性腎不全」に分けられる。

【急性腎不全、慢性腎不全】

乏尿、悪心、嘔吐、体重増加、動悸、全身倦怠感などは見られます。また痙攣を起こす場合もあります。

※乏尿とは、尿の排泄量が減少し1日の尿量が400ml以下になった状態のことをいいます。健常者の場合の1日の尿量は500から2000mlと言われています

【慢性腎不全】

全身倦怠感、浮腫、動悸、頭痛などが見られます。腎機能の障害の程度に応じて多尿、乏尿のどちらも起こる可能性があります。

上記の2つの腎不全に対しては主に食事療法を行う必要があります。食事療法では「高カロリー、低タンパク」が基本です。症状が重度の場合には透析療法も行われます。

また透析療法に関しても別のところで詳しく説明していますので参考のため確認させておきます。

【透析療法について】

前立腺肥大症について

前立腺は加齢によって肥大することが多く見られます。また前立腺は男性だけにある器官です。

【症状と対応】

頻尿、排尿時間の延長が起こります。特に夜間には頻尿が起こりやすく睡眠の障害にもなります。前立腺肥大が進行すると膀胱に尿が残るが残尿が見られるようになります。そのことも溢流性尿失禁をきたすこともあります。

がん(悪性新生物)について

症状は臓器によりその特徴が異なりますが、終末期は臓器を問わず全身倦怠感、食欲不振、痛みなどが多く見られるようになります。ただし若年者より高齢者の方が痛みを訴えは少ないと言われています。

治療に関しては手術療法、化学療法、放射線療法が行われますが、治療の成果が得られない場合は、終末期(ターミナル)に向けた緩和医療が選択されることもあります。

※終末期とは生命6カ月以内の状態です。

糖尿病について

糖尿病ではインスリンの働きが不足することにより高血糖状態になります。インスリンとは、膵臓で作られブドウ糖を細胞内に取り込みエネルギーとして変換してくれるホルモンのことです。

糖尿病には「1型糖尿病(自己免疫によって発症)」と「2型糖尿病(生活習慣によって発症)」の2パターンがあります、高齢者のほとんどは2型糖尿病とされます。

※糖尿病そのものは介護保険法に定める特定疾病ではありませんが「糖尿病性神経障害」「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」は特定疾病に定められています。

【糖尿病の3大合併症】

糖尿病の3大合併症とは「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」「糖尿病性神経障害」になります。

「糖尿病性網膜症」は、視力低下が見られ重度は失明に至ります。

「糖尿病性腎症」は、心不全、動脈硬化性疾患、感染症、腎不全になります。重度の腎不全の場合は透析が必要となります

「糖尿病性神経障害」は、初期は手足の先端のしびれが見られますが、進行すると痛みを感じにくくなり足の潰瘍、壊死に至ることがあります。

対応としては、血糖値を安定させるために食事療法、運動療法、薬物療法が行われます。

低ナトリウム血症について

血清ナトリウム濃度が135mEq/ L以下になることを低ナトリウム血症といいます。

【症状と治療】

嘔気、食欲低下、倦怠感、頭痛、無気力、興奮、見当識障害などから始まり、血清ナトリウム濃度が低くなるにつれ痙攣、昏睡、呼吸停止、死亡に至ります。

治療は原因がナトリウム欠乏の場合、「経口摂取」「点滴による塩化ナトリウムの補充」が行われます。

水分過剰の場合は、「水分制限」「利尿薬の投与」が行われます。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)について

慢性閉塞性肺疾患は、「肺気腫」「慢性気管支炎」「びまん性汎気管支炎」「気管支ぜん息」の総称のことをいいます。高齢者に起こりやすい疾患であり肺炎などを併発すると急激に呼吸不全をきたします。

有害物質の長期にわたる吸吸入や喫煙が原因とされています。風邪から肺炎に重症化しやすいので風邪の予防を行う必要があります。インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種も有効的です。また喫煙者は禁煙をします。治療は薬物療法や呼吸リハビリテーションが行われます。薬物療法には吸入の気管支拡張薬や吸入ステロイド薬が使用されます。また必要な場合は在宅酸素療法も行います。

在宅酸素療法については別の投稿に詳しく載せていますのでそちらを参考にしてください。

【在宅酸素療法について】

※これら4つの慢性閉塞性肺疾患は、介護保険法に定める特定疾患とされています。

【肺気腫】

肺胞壁が壊れ、酸素を取り入れる毛細血管が肺胞を取り囲む面積が少なくなってしまうことにより酸素と二酸化炭素のガス交換が十分にできなくなった状態です。喘鳴や労作時の呼吸困難が見られます。

【慢性気管支炎】

痰を伴った咳が2年以上、毎年冬場に3ヶ月以上続くもののことをいいます。軽度の労作時に息苦しさが発生します。

【びまん性汎気管支炎】

呼吸細気管支領域がびまん性炎症により呼吸障害を起こした状態のことです。労作時の息切れだけではなく持続した跡も見られます。

【気管支ぜん息】

発作性の呼吸困難の症状がない時期と息切れする時期を挟んで反復します。発作的に発症する喘息と咳を伴った呼吸困難であり、特に夜間と早朝に発症することが多い。

肺炎について

肺炎はウィルスや細菌などの病原微生物の感染よって起こります。高齢者に多く見られるのは「誤嚥性肺炎」です。また高齢者の場合軽い風邪から肺炎になることもありますので風邪の予防を行う必要があります。

白内障について

白内障は水晶体の混濁により視力低下をきたす疾患です。初期症状には眩しさを過剰に感じる状態である羞明になり、進行すると単眼複視、高度の視力低下を引き起こします。

軽度の場合は、点眼により進行を抑えます。また症状が進み日常生活に支障をきたすようになると手術を行います。

緑内障について

緑内障とは眼圧が上昇し視神経が障害される病気です。症状としては周りから見えにくくなる視野狭窄が起こります。また眼圧が正常にもかかわらず緑内障となる人のことを「正常眼圧緑内障」と呼びます。

【治療と予防】

眼圧効果薬の点眼を行い十分な効果が得られない場合にはレーザー治療を行います。また栄養バランスの良い食事を心がけ、運動不足や睡眠不足を解消し生活習慣を見直すことも重要になります。

緑内障は視覚障害者になる原因として最も多い疾患です。

まとめ、感想

高齢者の疾患についての分野は長くなりましたが、この投稿で3部作の最後の投稿になります。

今回の投稿では「腎不全」「がん」「代謝異常」「呼吸器」「目」の疾患についてまとめてみました。

今回の投稿ではまとめきれず試験対策としてはさらに他の疾患についても覚える必要があります。今回投稿では投稿しきれていないしっかんもあります。ほかにも高齢者に多い疾患では「肺結核」「薬疹」「加齢黄斑変性症」など深掘りすれば試験対策としてはさらに有効だと思います。それでは試験まで残りわずかになりましたので引き続き頑張って試験勉強をしていきましょう。

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