令和3年度ケアマ試験をケアマネ資格取得者が解説!レッスン24【保健医療サービス〜認知症〜】
どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます河野つなきです。ケアマネージャーの試験まで残すこと1日となりました。今回は1日1回ケアマネージャーの試験に出題されやすいポイントについてまとめてきましたが、今回の投稿が最後の投稿になります。試験範囲はまだまだ広くすべての項目について期間的にまとめられなかったこと申し訳なく感じています。それでは今回は「認知症」についてまとめていきますね。
それでは試験合格に向けて共に勉強していきましょう。
目次
・認知症とは
・認知症の症状について
・アルツハイマー型認知症について
・脳血管性認知症について
・レビー小体型認知症について
・前頭側頭型認知症について
・若年性認知症について
・認知症ではない区別しなければならない症状について
・認知症の判断基準について
・認知症高齢者への非薬物療法について
・まとめ、感想
認知症とは
認知症は脳に病変を生じたために認知機能が持続的に低下し生活に困難をきたした状態のことをいいます。また、介護が必要になった主な原因には、認知症が24.3%と最も多い原因になっております。その次には脳血管疾患が19.2%となっております。
認知症の原因疾患のうち「アルツハイマー型認知症」と「脳血管性認知症」が認知症の大部分を占めています。
それでは認知症の種別に分けて説明をして参ります。
認知症の症状について
認知症は中核症状とBPSD(周辺症状)について分けられます。またBPSDは、環境調整や適切な医療やケアで良くなる可能性が大きいため早期発見、早期治療が必要になります。
【中核症状】
注意、記憶、見当識、言語、遂行機能、空間認知、視覚認知、社会的認知などの認知障害を伴います。
【BPSD(周辺症状)】
徘徊、暴言、暴力、収拾、拒否、脱強制、執拗な質問などの行動障害。幻覚、妄想、うつ、アパシー、不安などの心理障害
アルツハイマー型認知症について
脳にβ蛋白とタウ蛋白の異常蓄積を引き起こした状態になります。発症初期は症状が見られず長い期間をかけて症状が現れる病気です。アルツハイマー型認知症では主に認知障害が見られます。アルツハイマー型認知症の治療薬としてはアセチルコリンを増やす薬剤3剤(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)がアルツハイマー型認知症で保険適用となっています。またアルツハイマー型認知症の治療薬は易怒性などの興奮性のBPSD(周辺症状)を悪化させる可能性もあります。
脳血管性認知症について
脳梗塞や脳出血など脳卒中が原因で影響される認知症のことを脳血管性認知症といいます。意欲の低下、うつ状態、パーキンソン症状などの運動障害のほか、記憶障害や嚥下障害も比較的早期から見られます。
また脳血管性認知症では適切な治療やリハビリテーションにより認知機能が改善した例もあります。
また脳卒中については違うところにまとめていますのでそちらを参考にしていただきたいと思います。
【脳卒中について】
レビー小体型認知症について
レビー小体型認知症ではαシヌクレインというタンパクが脳だけではなく末梢自律神経などを含めて広く異常沈着します。大脳だけではなく、脳幹部や末梢自律神経にまでαシヌクレインの沈着が及び、認知障害だけでなく、パーキンソン症状などの運動障害、症状の変動、便秘や立ちくらみなどの自律神経症状と多彩な症状が見られることが特徴です。
【レビー小体型の特徴】
①レム睡眠行動障害②うつ③嗅覚低下④リアルな幻視⑤パーキンソン症状⑥自律神経症状⑦転倒
とされています。
またパーキンソン症状については投稿にまとめていますのでそちらを参考にしていただければと思います。
【パーキンソン症状について】
前頭側頭型認知症について
前頭葉や側頭葉に萎縮が見られ起こる認知症です。
【前頭葉の萎縮の場合】
行動障害が見られます。我慢ができない、すぐに怒る、思い立ったらじっとしていられない、同じ行動を繰り返すなどの症状が見られるようになります。しかし、記憶は比較的保たれています。
【側頭葉の萎縮の場合】
側頭葉の萎縮の場合は行動障害は見られませんが、記憶障害が見られるようになります。物の名前が出てこないため「意味性認知症」といわれます。
若年性認知症について
65歳未満に発症する認知症を若年性認知症といいます。若年性認知症は比較的進行が早い病気であり早期発見、早期治療を行う必要があります。若年性認知症の支援について、若年性認知症支援コーディネーターはすべての都道府県ごとに配置されるとされています。
※また若年性認知症は介護保険法における特定疾病の1つです。
認知症ではない区別しなければならない症状について
【MCI(軽度認知障害)】
認知症予備軍と言われており軽度の障害が見られます。名前に認知症とはついていますが認知症とは別の病気と考える必要があります。
【せん妄】
せん妄とは、意識障害のことであり。原因は脱水、食事摂取不良、便秘、身体拘束、薬剤によって引き起こされる可能性があります。薬剤が原因で生じることが最も多い。
【うつ】
普通では見当識が保たれている点が認知症と違います。しかし、レビー小体型認知症や脳血管性認知症は初期にうつ症状を起こすことがあるので区別が難しいとされています。
認知症の判断基準について
【認知症の検査】
認知症の検査でよく行われるのがMRI (磁気共鳴断層撮影)やCT(コンピューター断層撮影)などの形態画像。脳血流SPECT(単一フォトン放射断層撮影)やMIBG心筋シンチグラフィのような機能画像の結果から診断を裏付けます。
【認知症の評価】
認知症の評価には有名なものとして「長谷川式認知症スケール」が使われます。また、「MMSE」使用されることがあります。どちらも簡易的な検査なので10分程度で検査ができ30点が満点になっています。「長谷川式認知症スケール」の場合は20点以下、「MMSE」の場合は23点以下で認知症と疑われます。
認知症高齢者への非薬物療法について
認知症の非薬物療法には「リアリティ・オリエンテーション」「回想法」「音楽療法」などが主流になります。その他にも運動療法や絵画療法、園芸療法などもあります。それではそれらについて説明していきます。
【リアリティ・オリエンテーション(現実見当識練習)】
日時や季節、場所や名前等の見当識に関わる能力を高めることを目的にしています。見当識の情報をさりげなく何度も伝えることで覚えてもらい見当識を高めます。
【回想法】
認知症の人が良かったと思えるときの思い出を話してもらい、それにまつわる物や写真、匂いや料理などを用意し、会話することで自分の過去の回想して自信を取り戻す方法です。
【音楽療法】
音楽を聴くことも良いですが、みんなで楽しく歌ったり、演奏する方が有効と言われています。音楽療法は興奮性のものに対して特に有効とされています。
まとめ、感想
今回は認知症についてまとめていきました。認知症の種別や症状また検査方法や診断についてまとめてきましたが、ケアマネージャー試験対策としては「認知症高齢者の支援」の分野である「バリデーション」「パーソン・センタード・ケア」等。認知症施策である「オレンジプラン」や「認知症施策推進大綱」等についてもさらに学習しておくと万全の対策だと思います。いよいよ明日がケアマネージャーの試験日となります。
皆様の合格、そして、今後の活躍を祈り今回は「ケアマネージャー試験に出題されやすい傾向にあるポイント」について1日1回の投稿とし取り組みを行わせていただきました。
今年度のケアマネージャー試験対策としての投稿はこれで最後になりますが来年度もまた今回まとめきれなかった分野についてもまとめて行けたらと思っております。
それではよく食べて、よく眠って、体調管理を怠らず試験に臨んでください。
試験勉強本当にお疲れ様でした。
タグ:ケアマネジャー,試験対策,高齢者,疾患,合格,保健医療サービス,カイゴミライズアカデミー,資格,取得
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