令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン9「社会の理解〜社会保障の仕組み〜」
どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます河野つなきです。今回も介護福祉士の試験範囲の中から「社会の理解」の中から社会保障制度の仕組みについて詳しく説明していきたいと思います。出題される可能性が高い分野になりますのでしっかりと覚えて試験に挑んでいきましょう。
目次
・社会保障の仕組みについて
・年金制度について
・労働者災害補償保険について
・雇用保険について
・社会保障制度の背景
・合計特殊出生率について
・人口ピラミッドについて
・社会保障給付費の割合について
・地域包括ケアシステムについて
・まとめ、感想
社会保険の仕組みについて
社会保険の仕組みについて大きく2つに分けることができます。
1つ目は「社会保険」です。社会保険は公的機関が保険者となり、保険料を財源として給付を行うものです。
2つ目は「社会扶助」です。社会扶助は租税を財源とし、国や地方公共団体の施策として国民や住民に現金やサービスを提供するものです。
「社会保険」と「社会扶助」には以下のものがあります。
【社会保険】
年金保険(老齢年金、遺族年金、障害年金等)
医療保険(療養給付、検診・保健指導、各種手当等)
介護保険(介護サービス、福祉用具貸与等)
雇用保険(失業手当、能力開発事業等)
労働者災害補償保険(療養給付、障害補償給付、休業補償給付等)
【社会扶助】
公的扶助(生活扶助、住宅扶助、医療扶助等)
社会手当(児童手当、児童扶養手当等)
社会サービス(保育所サービス、障害者施設サービス、老人福祉サービス等)
年金制度について
【国民年金】
「第1号被保険者」は、20歳以上60歳未満の自営業など。
「第2号被保険者」は、厚生年金保険の被保険者。
「第3号被保険者」は、厚生年金被保険者の被扶養配偶者で20歳以上60歳未満の者をいいます。
※国民年金の給付の種類は「老齢基礎年金」「障害基礎年金」「遺族基礎年金」「寡婦年金」「死亡一時金」「付加年金」があります。
【厚生年金】
厚生年金は、基礎年金(国民年金)の支給条件を満たしていると、それに上乗せして報酬比例分の給付が支給されるものです。厚生年金は2階建て年金のイメージです。
【老齢基礎年金】
原則として資格期間が25年以上(2017年8月からは10年以上の予定)あるものが、65歳以上に足したときに支給されます。満額支給には加入可能年数の全期間をしていることが必要です。本人の希望があれば60歳から64歳での繰り上げし減額支給。また、66歳から70歳までの繰り下げし増額支給も選べます。
労働者災害補償保険について
いわゆる労災保険のことです。業務上の災害又は通勤災害により、労働者が負傷や疾病にかかってた場合や障害が残ったり死亡するなどした際に被災害労働者又はその遺族に対し保険給付を行う制度です。事業主のみが保険料負担の対象となります。公務員以外の労働者を使用する事業主に対して強制適用されます。
雇用保険について
労働者が失業した場合などに必要な給付を行うことにより生活及び雇用の安定を図るとともに、再就職に向けての支援を行う制度です。事業主と労働者の双方が保険料負担の対象となります。
雇用保険には失業手当等の「求職者給付」
再就職等を支援する「就職促進給付」
再就職のための資格取得を助ける「教育訓練給付」
高齢者や育児、介護による休業者を対象にした「雇用継続給付」があります。
また、雇用継続給付の種類にも3種類あり「高年齢雇用継続給付」「育児休業給付」「介護休業給付」の3つがあります。
社会保障制度の背景
日本では高齢化率が急速に高くなってきています。2020年9月時点では高齢化率28.7%になっており超高齢社会と言われるようになりました。また2035年には高齢化率33.4%になると予測されています。高齢化率の原因は医療の進歩と少子化が背景にあります。
高齢化率は%により各呼び方がありますので下記の投稿をご参考にしてください。
≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン8「社会の理解〜社会保障の歴史〜」≫
合計特殊出生率について
合計特殊出生率とは1人の女性が生涯に産むと推計される平均的な子供の数を示します。2005年に合計特殊出生率は1.26まで低下しますが、2020年には1.36と増加しています。
人口ピラミッドについて
日本の人口ピラミッドは下側が狭くなっていく「逆ひょうたん型」であります。男女ともに「45歳から49歳」「70歳から74歳」の世代が圧倒的に多いのが下の表を見ればわかります。
0歳から14歳を「年少人口」
15歳から64歳を「生産年齢人口」
65歳以上を「老年人口」といいます。
日本の人口比率の特徴は年少人口が低く、老年人口が極めて高いことです。
社会保障給付費の割合について
【日本の社会保障給付費の割合】
高齢者関係給付費が圧倒的に多いのが特徴です。高齢者関係給付費は年金保険給付日や高齢者医療給付日等のことをいい社会保障給付費全体の66.5%を占めている。
【社会保障給付費の内訳】
2018年度の財源の内訳は、
社会保険料が54.7%
公費負担が38%
資産収入その他の収入が7.2%
となっております。
地域包括ケアシステムについて
可能な限り住み慣れた地域で生活ができるように包括的に支援を行うシステムのことです。地域包括ケアシステムでは「自助」「互助」「共助」「公助」によって住み慣れた生活で過ごすことができます。
まとめ、感想
現在の日本では少子高齢化社会が問題となっております。また超高齢化社会により高齢者を対象とした社会保障給付費が国家財政を圧迫しています。
このまま少子化が続くと社会保障費を多く納める生産年齢人口の減少が見られ日本の社会保障費はひっ迫することが予測されています。私が65歳以上になったときには年金はしっかりともらえるのでしょうか?また、年金を受給できる年齢は何歳まで上がっているのでしょうか?人口ピラミッドを見れば不安になります。
本日も勉強お疲れ様でした。不安な事は考えても仕方がありません。とりあえず不安払しょくのため介護福祉士試験勉強をがむしゃらにしの試験合格を目指して勉強していきましょう。
タグ:カイゴミライズアカデミー,人口ピラミッド,介護福祉士,少子高齢化,年金制度,社会保障,試験範囲