和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン24「介護の基本〜自立支援〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーの講師を務めます。河野つなきです。今回は介護福祉士の試験範囲をまとめていきたいと思います。今回の分野は「介護の基本」から自立支援についてまとめていきます。本人がどのように生活すれば自立した生活が送れるのか?またそのための考え方について説明していきます。

目次

・自立支援について

・インフォームド・コンセントについて

・エンパワメントについて

・「ICF」と「ICIDH」について

・まとめ、感想

自立支援について

自立支援とは身体的行為だけではなく、自らの意思決定(自己決定)も示します。その際、利用者が判断するための情報提供が必要になります。自分で出来る事は自分でするといったセルフケアの意思を尊重しながら身体的、精神的に支援をしていくことが求められます。

また本人の残存能力を把握することも大切です。「利用者がどこまで自分でできるのか?」「手を出さずに忍耐強く見守り利用者が持っている力を活用する」また必要があれば「福祉用具、自助具の活用」も検討する必要があります。

インフォームド・コンセントについて

インフォームド・コンセントとは、「説明に基づく同意」「説明に基づく選択」といわれます。例えば、病院での診察時での医師の説明の際に、今後の治療の説明をしっかりと受けて、それを承認し、選択する上で必要な医学的根拠の説明を受け、決定するということです。

エンパワメントについて

エンパワメントは、利用者が持っている力に着目しその力を引き出して問題解決に導くアプローチの方法です。1976年にアメリカの社会福祉学者バーバラ・ソロモンにより初めて用いられました。

「ICF」と「ICIDH」について

ICF (国際生活機能分類」は、WHO (世界保健機関)の総会で採択されました。ICIDH(国際障害分類)が見直されICFに変わりました。それではそれら2つについての考え方を説明していきます。

【ICFの考え方】

ICFでいう、人間の健康状態は、「生活機能(「身体機能・身体構造」「活動」「参加」)」により構成されていると考えます。また、その背景因子として、環境因子」「個人因子」が相互作用があるとされています。

これら全てが相互関係であり、1つの生活機能が向上すると他の生活機能も向上し、また、背景因子を工夫すると生活機能の向上にもつながるというようにICFでは考えます。障害をマイナスではなく、工夫をすればプラスに代わるといった理論である。

【ICFの生活機能】

生活機能には3つの項目があります。

「心身機能・身体構造」とは、心身の生理的機能や心理的機能のことをいいます。

「活動」とは、歩く、食事をする、入浴をするなど個人による課題や行為の遂行のことをいいます。

「参加」とは、仕事への参加、家事への参加、地域活動への参加、ボランティアへの参加など生活や人生場面の関わりのことをいいます。

【ICFの背景因子】

背景因子には2つの項目があります。

「環境因子」とは、本人の環境を取り巻く福祉用具、社会制度、介護者、家族、建物というようなあらゆる社会資源のことを指します。

「個人因子」とは、年齢、性別、人生観、ライフスタイルなど個人の人生や生活背景、また基本情報のことをいう。

また詳しい内容には、下記のページを参考にしていただければと思います。このページの2枚目にある図をみて、覚えることをお勧めします。

《ICF(国際生活機能分類) -「生きることの全体像」についての「共通言語」-国立長寿医療センター 研究所 生活機能賦活研究部 大川弥生》

【ICIDHの考え方】

1980年にWHO(世界保健機関)で定められた障害の分類法である。病気などにより回復不能な生物学的状態である「機能障害」となり、それによる能力の低下を「社会的不利」と障害があるからできないといった考え方であり、障害をマイナスの位置づけとして捉えた考え方です。

まとめ、感想

ICFの考え方は、介護福祉士の試験範囲でも出題傾向の高いものとなっております。生活機能や背景因子の中でもしっかりと種別と内容に間違いがないよう把握しておきましょう。また我々介護従事者が利用者の情報を集め計画を立てる際にも、ICFの考え方を活用することができます。ICFの項目に情報をあてはめて「何が問題になっているのか?」「何を工夫すれば向上できるのか?」などと検討するうえで非常に役に考え方であります。また皆様も現場で活用していただければと思います。

本日もお疲れさまでした。

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