令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン28「介護の基本〜介護者の状況〜」
どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も介護福祉士試験範囲から「介護の基本」について説明していきたいと思います。今回の投稿では介護を必要とする高齢者や障害者と同居する家族について説明していきます。家族の中でも誰が主に介護を行っているのか?またその背景にはどのようなものがあるのか?などを説明していきます。実際の現場でも利用者の家族を支え、相談支援を行うことも十分に考えられますので今回の学びを現場で関わる利用者の家族の理解としてとらえていただきたいと思います。
目次
・主な介護者の続柄について
・老々介護について
・同居する介護者の介護時間について
・エコマップとジェノグラムについて
・介護者を支援する制度
・まとめ、感想
主な介護者の続柄について
2019年(令和元年)の「国民生活基礎調査」によると、介護者は要介護者と同居する家族が全体の6割近くを占めています。その内訳は「配偶者」が最も多く、その次に「子」が多い。その次には「子の配偶者」となっています。その中でも女性が高齢者を介護している比率が高くなっています。
老々介護について
同居している主な介護者は男女とも7割以上が60歳以上となっています。日本の平均寿命は、2019年(令和元年)では女性87.45才、男性81.41歳となっており、それを介護する配偶者も高齢者となり、高齢者が高齢者を介護する「老々介護」という社会問題が生じています。
同居する介護者の介護時間について
2019年(令和元年)の「国民生活基礎調査」によると介護時間は要介護3以上では「ほとんど終日」が最も多くなり、要介護5では6割近くが「ほとんど終日」となっています。また要支援1から要介護2までは「必要な時に手を貸す程度」の割合が多くなっています。この調査では同居している主な介護者の7割近くが介護による悩みやストレスを抱ていることも示されて。
また詳しい内容は下記に厚生労働省が調査したページがありますのでそちらを参考にしてください。
《2019年「国民生活基礎調査の概況〜厚生労働省〜」》
エコマップとジェノグラムについて
【エコマップ(生態地図)】
利用者本人を中心とし、その周りに支援をしてくれる家族、支援をする社会資源や制度。利用者を取り巻く様々な環境を頭に表したものです。フォーマルなサービス、インフォーマルなサービスも図で表します。
フォーマルサービス、インフォーマルサービスについては別のページで詳しく解説していますので下記を参考にしてください。
≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン29「介護の基本〜ケアマネジメント〜」≫
【ジェノグラム(親族関係図)】
利用者本人を中心とし性別、年齢、婚姻等の家族関係を図で表したもの。図で表すことにより一目で利用者本人の関係性とその家族の役割を理解することができます。
介護者を支援する制度
労働者は仕事と育児・介護を両立できるよう支援することを目的とした法律として「育児・介護休業法」が定められました。「令和元年度雇用均等基本調査」によれば2019年の育児休業の取得率は女性83%、男性は7.48%になっている。
介護休業の取得率は女性が0.16%、男性が0.07%になっている。それではそれについて説明していきます。
【介護休業】
家族が要介護状態になった場合に、対象が、1人につき通算93日までの給料が保証されます。3回を限度に分割することができます。
【介護休暇】
要介護状態の対象家族1人につき年5日、要介護状態の者が2人以上の場合は年10日を限度とし、半日単位で介護休暇を取得することができる。
※休業中は雇用保険から賃金日額の67%が給付されます。
【育児休業】
原則として1歳に満たない子1人につき1回取得でき、条件を満たせば最長2年まで延長できます。
【子の看護休暇】
小学校就学前の子が病気をしたときには、子1人につき年5日、2人以上の場合は年10日限度に半日単位で看護休暇を取得できます。
【介護保険制度】
要介護者に対して様々なサービスが提供されます。これにより家族の介護負担を軽減することも期待され、ホームヘルプサービスを使って在宅での介護負担を軽減したり、介護負担が大きく在宅で見ることができない場合は施設入所も利用できます。
また、介護保険サービスについては違うページでまとめていますので下記を参考にしていただければと思います。
≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン10「社会の理解〜介護保険の概要〜」≫
まとめ、感想
少子高齢化が問題となり日本の高齢社会はどんどんと進んでいます。またそのような背景により介護に対する問題や介護負担が大きくなってきており、介護負担を1人の介護者がすべて抱えることにより要介護者とともに自殺したケースもニュースで報道されています。介護保険制度や障害者総合支援法は、日本の抱える問題を解決するために生まれた制度です。このような背景も私たち介護従事者は意識し、利用者の家族と関わる必要があります。それが「こころから寄り添う介護」だと私自身が感じています。
今回の学びは我々が身近に感じる内容だったのではないでしょうか?今回も試験勉強お疲れ様でした。。
タグ:カイゴミライズアカデミー,介護休業,介護保険制度育児休暇,介護福祉士,介護者,同居,家族,老老介護
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