令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン47「生活支援技術〜ボディメカニクス〜」
どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回は介護福祉士試験範囲の中から「生活支援技術」についてまとめていきます。我々が働く介護現場でよく活用される技術として「ボディメカニクス」とはご存知でしょうか?今回の投稿では人間の骨格や筋肉などの構造上の問題からどのように体を動かせば利用者や介護者自身が負担を少なくできるのか?といった内容を解説していきたいと思います。
目次
・ボディメカニクスとは
・ボディメカニクスの原則
・まとめ、感想
ボディメカニクスとは
神経系、骨格系、関節型、筋型の力学的な相互関係によって生じる姿勢や動作のことです。ボディメカニクスを身に付けて介護を行う事は利用者にとっても安全で安楽な移動や移乗を可能にします。また介護者自身の腰痛予防や負担の軽減も期待ができます。
ボディメカニクスの原則
【支持基底面積は広く、重心は低くする】
支持基底面積とは床に接している体の部分とその間の面積のことをいいます。要は左右の足が床に接している面積のことです。移乗の際には介護者の足の位置は左右前後に広く確保し、重心を低くすることにより、体勢が安定します。
【重心を近づける】
荷物を持つときは出来る限り自分の体に重心を近づけて持つようにすると大きな筋肉を使って持つことができるので負担が少なくなります。利用者自身の体も自分自身の体に近づけて移動や移乗を行うことにより負担が軽減されます。
【大きな筋肉を意識する】
指先や腕だけの力ではなく、腹筋、背筋、大腿筋などの大きな筋肉を意識し使うことで利用者の体にかかる負担を軽減できます。
【利用者の体を小さくまとめる】
体位変換の際には、利用者の足や腕を組んでもらうことにより、利用者自身の体が丸くなります。また体がベッドに接する面積も小さくなり摩擦の軽減ができることによって介護者、利用者双方の負担が軽減します。
【押すのではなく引く】
例えばベッド上で利用者の体を動かしたい場合、利用者の体の下に介護者の手を入れで体を動かします。その時には押す力よりも引く力の方が分散しないので無理なく利用者の身体を動かすことができます。
【介護者と利用者の重心を意識する】
ベッドで寝ている利用者を端座位にする場合には、先に利用者の足をベッドから下ろしておくと、足の重力が下に向くので体が起こしやすくなります。また介護者の体も重心移動するように動かすと負担の軽減ができます。
【体の捻りを少なくする】
物や利用者を動かしたいときには、つま先を動かしたい方向に向けて移乗などを行います。そのことにより体を捻る動作が最小限に行え、腰への負担が軽減します。
【てこの原理を応用する】
支点、力点、作用点のある状態で小さな力で大きなものや重いものを動かすことをてこの原理といいます。物や利用者動かすときには支点をしっかりと意識してこの原理を利用します。
まとめ、感想
今回は介護者自身の体の使い方について説明しました。介護現場で働く介護職は自分自身の健康が前提で利用者の介助を行うことができます。健康とは身体的な側面、精神的な側面どちらもが成り立ち健康といえます。私が働く会社の企業理念の中に「健康をシェアする」と言う理念があります。この言葉はまさしく介護者の健康があって利用者の健康につながっている。要は「自分自身を大事にしてください」と言う意味で企業理念が作られました。介護現場でよく耳にするのが腰痛です。腰痛予防のためには体の使い方、また日ごろからの健康管理が必須です。日ごろから体を動かし、睡眠もしっかりとって健康を維持する事は介護職としての役目だと私は感じています。また生活習慣病にも関係のあることです。
生活習慣病に関しては違うページで詳しく解説していますので下記を参考にしてください。
≪令和3年度ケアマ試験をケアマネ資格取得者が解説!レッスン22【保健医療サービス〜高齢者の疾患〜中盤〜】≫
それでは本日も勉強お疲れ様でした。
タグ:ボディメカニクス,介護福祉士,腰痛,試験範囲
« 前のページに戻る