令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン49「生活支援技術〜歩行介助〜」
どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も引き続き介護福祉士の試験範囲について解説していきます。今回解説していく内容は「生活支援技術」の分野から歩行介助のポイントにはどのようなものがあるのかを説明していきます
目次
・杖歩行介助の方法
・視覚障害者の歩行介助の方法
・車いす介助の方法
・まとめ、感想
杖歩行介助の方法
【片麻痺のある利用者の杖歩行の介助方法】
介護者は、利用者の患側または患側の後ろに立ちます。後ろに倒れかかった時はすぐに手の差し伸べる位置から介助する必要があります。杖歩行は「2動作歩行」と「3動作歩行」の2種類があります。
「2動作歩行」は、杖と患側の足を同時に出し、続いて健側の足を前に出す歩行方法です。2動作歩行は、歩く速度が速い。
「3動作歩行」は、杖→患側の足→健側の足の順で前に進む歩行方法です。3動作歩行は速度はゆっくりだが安定しているので転倒がしにくい。
視覚障害者の歩行介助の方法
介護者の立ち位置は視覚障害者の半歩前に立ちます。基本的には、視覚障害者は白杖を右手で持ち左手で介護者の肘の少し上を握ってもらいます。歩くペースに気をつけて安全に移動できるよう情報の提供も行います。止まる時は「止まります」と声掛けし、進む時は「進みます」と声かけを行う。それでは場面別に詳しく説明していきます。
【階段の上り下り】
階段の上り下りは、段に対して直角に位置どりを行い一時停止します。その後、階段の情報をお伝えし視覚障害者と同じ方向の足を前に出しリズムに合わせて降りていく。
【バスや車の乗車】
バスは介護者が先に乗降します。自動車の場合には視覚障害者が先に乗車し、降車は介護者が先におこないます。降車の際には自転車などの接触事故に気をつける。
【エスカレーター】
エスカレーターは利用者と介護者が同時に乗降します。幅が狭いエスカレーターの場合は、視覚障害者が先に乗降します。
【電車の乗降】
電車のホームでは必ず点字ブロックの内側に誘導し安全な位置取りを行う必要があります。電車に乗る時は介護者が先に片足だけ乗車し、その後、視覚障害者に乗車してもらい介護者が最後に乗車します。
【視覚障害者と離れる場合】
離れる場合には壁や柱など何かに触れてもらえるようにしてください。何もない空間で立って待っていただくのは精神的に負担となります。
車いす介助の方法
車椅子に乗ってもらう前にブレーキの効き具合とタイヤの空気圧を確認しておいてください。その後、初めて利用者に車いすに乗ってもらう介助を行います。それでは車いす介助について説明していきます。
【ベッドから車いすへの移乗】
手順①今から車いすに乗って何を行うのか?目的を説明し、利用者の同意を得る。
手順②車いすは利用者の健側に斜方接近法(ベッドの端に対して15〜20度程度の角度)で配置する。
手順③介護者は利用者の患側に立つ。
手順④ベッドの高さを車いすの座面より高く設定する。
手順⑤その後、ボディメカニクスの技法を使って移乗します。また、スライディングボードを使用すると体重の重たい利用者でも最小限の力で移乗することができます。
また、ボディメカニクスに関しては違うページで詳しくまとめていますので下記のページを参考にしてください。
≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン47「生活支援技術〜ボディメカニクス〜」≫
【車いすでの移動介助】
車いすでの移動介助についてのポイントは以下の通りです。
①移動する時は両足をフットサポート(フットレスト)に乗せる。
②声かけをしながら介助をする。
③歩行速度より遅いスピードで移動する。
④急に方向転換は行わない。
⑤段差を上がるときは、ティッピングレバーを踏んでキャスターを上げて進む。
⑥段差を降りる時は後ろ向きで駆動輪からゆっくりと静かに降りる。
⑦坂道を登る時は、介助者はしっかりと重心を低くし両足を前後に開いて進む。
⑧急な下り坂は、後ろ向きで下りる。
⑨踏切や砂砂利ではキャスターを上げながら進む。
⑩エレベーターへの出入りは基本正面を向いて入り、後ろ向きで降りる。またエレベーター内で方向転換ができる場合は前向きで降りる。
まとめ、感想
今回は移動に関しての介助方法について解説していきました。移動介助の方法はもちろんのこと、介助を行う前には移動する目的についてしっかりと利用者に説明し同意を得てから行うようにいたしましょう。それと同時にケアを行う前に体調確認、排泄確認も行う必要があります。
本日も勉強お疲れ様でした。
タグ:介護福祉士,杖歩行,生活支援技術,移動,視覚障がい者,試験範囲,車いす
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