和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン59「生活支援技術〜5大栄養素〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回は介護福祉士試験範囲の「生活支援技術」について解説していきます。生活支援技術の分野では、栄養学についても覚えておく必要があります。

実際、訪問介護では生活援助というサービスが位置づけられており、その中に調理のサービスも含まれています。そのことから栄養素についても学んでおく必要があります

生活援助に関しては違うページでまとめていますので、下記のページを参考にしてください。

≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン58「生活支援技術〜調理〜」≫

それでは栄養素について説明していきます。

目次

・5大栄養素について

・炭水化物

・脂質

・タンパク質

・無機質

・ビタミン

5大栄養素について

生活援助の中でも調理に関係する知識である「栄養素」についてまとめていきます。

5大栄養素とは「炭水化物」「質」「タンパク質」「無機質」「ビタミン」のことをいいます。これらの栄養素をバランスよく摂取することで健康を維持することができます。それでは5大栄養素についてまとめていきます。

炭水化物

炭水化物は糖質食物繊維に大別することができます。

《糖質》

消化酵素により消化されます。過剰に摂取しすぎると肥満の原因にもなります。特に脂肪と一緒にとると体脂肪として蓄えられやすいので注意が必要です。

《食物繊維》

体内に消化されずエネルギー源にはなりません血中コレステロールや血糖の上昇を抑制する効果があり、大腸機能の改善などさまざまな生理作用があります。

脂質

脂質は水に溶けない油脂です。中性脂肪、リン脂質、コレステロールなどを含みます。ホルモンの原料となる働きも持ち、効率の良いエネルギー源である。過剰摂取しすぎると肥満や動脈硬化の原因になりますので注意が必要です。

タンパク質

タンパク質は筋肉や臓器などの体の組織や酵素や血液などを作ります。食物として摂取したタンパク質が分解されてアミノ酸になります。アミノ酸は約20種類のアミノ酸から構成されており、体内で十分に合成されない9種類のアミノ酸を必須アミノ酸といいます。必須アミノ酸は、食事でしか摂取することができません。魚や大豆製品等は良質なタンパク質が含まれています。

【9種類の必須アミノ酸】

「イソロイシン」「メチオニン」「トリプトファン」「ロイシン」「フェニルアラニン」「ヒスチジン」「リジン」「スレオニン(トレオニン)」「パリン」の9種類になります。

無機質

無機質はミネラルとも言われます。無機質はエネルギー源にはなりません。骨や歯を作り、タンパク質やその他の有機質とともに人体をつくります。欠乏すると「骨粗しょう症」「鉄欠乏性貧血」などになります。無機質は、不足しても、摂りすぎても体によくないのでバランスよくとる必要があります。無機質の種類は以下の通りです。

【カルシウム】

骨や歯などを作る。血液凝固にも関係しています。カルシウムが足りないと骨粗しょう症になります。牛乳や小魚、ひじき、豆類に多く含まれる。

【鉄】

血液の成分です。血液は体内の酸素を運搬する役目があります。鉄が足りないと鉄欠乏性貧血になります。ひじきやレバー、大豆に多く含まれます。

【カリウム】

浸透圧やpH(水素イオン指数)を調整します。カリウムが不足すると筋肉の脱力感が起こります。野菜、芋類、豆類に多く含まれる。

【ナトリウム】

浸透圧やpH(水素イオン指数)を調整します。ナトリウムが不足すると食欲減退や痙攣が起こります。塩、醤油、味噌に多く含まれます。

【マグネシウム】

神経の興奮性を抑える作用があります。穀類や魚介類に多く含まれます。

【亜鉛】

味覚、嗅覚、聴覚を正常に保つ作用があります。亜鉛が不足すると味覚障害や皮膚炎を起こします。牡蠣やごまに多く含まれます。

ビタミン

ビタミンはエネルギー源にはなりません。ビタミンには脂溶性水溶性の2種類があります。水溶性のビタミンはたくさん摂取しても蓄積されないので毎日摂取する必要があります。

【脂溶性のビタミン】

《ビタミンA》

主な働き:視力の調節

欠乏症:夜盲症

多く含む食品:レバー、うなぎ、緑黄色野菜

《ビタミンD》

主な働き、カルシウムの吸収を助ける

欠乏症:骨軟化症、骨粗しょう症

多く含む食品:魚、干し椎茸、卵、乳製品

《ビタミンE》

主な働き:酸化防止作用

欠乏症:溶血性貧血

多く含む食品:種実類、大豆、緑黄色野菜

《ビタミンK》

主な働き:血液凝固、骨粗しょう症の予防

欠乏症:血液凝固遅延

多く含む食品納豆:肉、卵、緑黄色野菜

【水溶性のビタミン】

《ビタミンB1》

主な働き:糖質代謝に関与

欠乏症:脚気、多発性神経炎

多く含む食品:米ぬか、豚肉、豆類、穀類の胚芽

《ビタミンB2》

主な働き:糖質・脂質の代謝に関与

欠乏症:口角炎、皮膚炎

多く含む食品:レバー、牛乳、卵、緑黄色野菜

《ビタミンB6》

主な働き:アミノ酸代謝に関与

欠乏症:皮膚炎、口内炎

多く含む食品:レバー、穀類の胚芽、豆類

《ビタミンB12》

主な働き:赤血球の増殖

欠乏症:巨赤芽球性貧血

多く含む食品:貝類、レバー、卵黄、牛乳、魚類

《ビタミンC》

主な働き:コラーゲンの合成

欠乏症:壊血病

多く含む食品:野菜、果物、緑茶、芋類

《ナイアシン》

主な働き:酸化還元反応に関与

欠乏症:ペラグラ、口舌炎

多く含む食品:レバー、肉、卵、海藻、大豆

《パントテン酸》

主な働き:脂質・糖質の代謝に関与

欠乏症:特になし

多く含む食品:穀類、卵、豆類、芋類、魚類

《ビオチン》

主な働き:脂肪酸の合成

欠乏症:皮膚炎、脱毛

多く含む食品:肉類、卵、米ぬか、大豆、落花生

《葉酸》

主な働き:成長・妊娠の維持に重要

欠乏症:巨赤芽球性貧血

多く含む食品:穀類の胚芽、牡蠣、緑黄色野菜

まとめ、感想

今回は5大栄養素について解説していきました。ビタミンに関してはたくさんの種類がありますので全てを正確に覚える必要はありませんが、脂溶性や水溶性といった大きな分類があることや主な働きに関しては問題として出題されることもありますので覚えておく必要があります。

訪問介護の生活援助では調理もありますので、今回解説した栄養素のことをしっかりと把握し、利用者に適切な食事の提供を行う必要があります。

調理方法については違うページに詳しくまとめていますので、下記のページを参考にしてください。

≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン58「生活支援技術〜調理〜」≫

また、慢性腎不全の利用者に対しても、提供する食事の栄養素についても気にする必要があります。このように食事で摂取することができる栄養は、人間の健康づくりをするためには大切な役割を担っています。

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