和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン63「生活支援技術〜終末期ケア〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も介護福祉士の試験範囲の中から生活支援技術」について解説していきます。今回解説していく内容は終末期ケア(ターミナルケア)について解説していきたいと思います。

目次

・終末期ケア(ターミナルケア)とは

・アドバンス・ケア・プランニング

・終末期における緩和ケア

・グリーフケアについて

・まとめ、感想

終末期ケア(ターミナルケア)とは

人は必ず人生のうちに死を迎えます。終末期ケアとは、死を迎えようとしている人へのケアのことです。終末期ケアでは、死を待つのではなく、死までの日々を自分らしく生きていくことを全人的に支える必要があります。利用者だけではなく、利用者の家族も支援することが終末期ケアでは求められます。

それでは、終末期ケアでは介護職としてはどのような役割があるのか説明していきたいと思います。

【終末期ケアでの介護職の役割】

終末期ケアは、チームケアが原則です。医療職や他の専門職との連携を図り、チームで利用者と家族を支援します。

介護職は、利用者や家族とコミュニケーションを図り、医療職と相談しながら、利用者の社会生活全般を支援します。なお自宅で終末期を送っている利用者の容体が急変した場合は、かかりつけ医に相談し、対応を行います。

ぐぐ

アドバンス・ケア・プランニングとは、「事前の意思確認」のことをいいます。終末期には、利用者と家族の意思を尊重することが極めて重要です。それでは意思確認を行う際には、どのようなことに注意しなければならないかまとめていきます。

【意思確認においての注意点】

年齢に関係なく、何歳であっても意思確認が必要です。

②現在の病気だけではなく、今後の生活についても家族や医療職、専門職達と一緒に話し合います。

家族の意向も確認します。

④意思の変更があれば、その時の意思を尊重します。

介護職医療処置の範囲についての説明は行わない

⑥利用者や家族から意思確認した内容は書面にしておく。

終末期における緩和ケア

終末期では、4つの苦痛があります。

病気による痛みや食欲減退などの「身体的苦痛」

病気や死に対して不安や苛立ち、孤独感などの「精神的苦痛」

家庭上の問題、仕事上の問題、相続の問題等の「社会的苦痛」

死に対しての恐怖感、罪の意識などの「霊的苦痛」

終末期ではこの4つの苦痛を抱えることになり、これらの苦痛を和らげる支援が重要です。

【身体的苦痛を緩和するための介護】

終末期の利用者は、病状が悪化し身体的苦痛が強くなります。身体的苦痛を緩和するためには下記の事について注意する必要があります。

①こまめに体位変換を行い、同じ場所への圧迫を最小限にし、褥瘡の予防を行う。

②呼吸を楽にするため、安楽な体位を取ります。また、枕の位置を変えたり、枕を外したりし、気道の確保を行います。

③心地よく感じてもらえるよう手足のマッサージをします。また拘縮予防にもなります。

下肢に冷汗があるときは保温する。

⑤適切な口腔ケアを行い口腔内の清潔を保つ。

⑥口唇や舌が乾燥している場合は、水を含ませたガーゼを用いて、口腔内を湿らせる。

⑦入浴できない場合は清拭を行い、清潔な衣類に着替えて清潔を保つ。

⑧意識が低下してきても、聴力は最後まで残るので声かけを行います。

【精神的苦痛、社会的苦痛、霊的苦痛を緩和する介護】

利用者が様々な苦痛を訴えてきた場合には、介護者は次のように対応し、利用者の心のケアを努める必要があります。

①利用者のそばに座り、話をよく聞き、共感的な姿勢でコミニケーションを図る。

②利用者が死への恐怖を訴えてきたときは、否定はせず気持ちを一生懸命に受け止めます。

③適切なボディータッチを図り、不安の軽減を行う。

声かけを行う

⑤好きなものを食べたい時に食べれるだけ食べてもらう

⑥好きな音楽を流す。

⑦家族との関係を大切にする。

⑧回想法などを行う。

上記のことを行います。また傾聴、共感、受容は、基本であり、利用者や家族に寄り添った支援が必要です。

グリーフケアについて

グリーフケアとは、遺族のケアのことです。遺族が死別の悲しみを乗り越えて、新しい出発ができるよう支援することが重要です。

【グリーフケアの考え方】

グリーフケアは悲観回復ともいわれます。死別した後の家族に対して、医療職だけに任せるのではなく、終末期ケアに関わったチームの一員として介護職も家族を支援します。

また、今後のケアの質を高めるために亡くなった利用者のケアを振り返り検討していくことを「デスカンファレンス」といいます。

【グリーフワーク】

死別の悲しみを乗り越えて、精神的に立ち直っていく作業のことをグリーフワークといいます。遺族へねぎらいの言葉をかけて、助言するのではなく、悲しみを共有する良い聞き手になることが重要です。生前の利用者との関係や看取りに関して、遺族が罪悪感を持たないように配慮します。

まとめ、感想

終末期ケアでは、利用者だけではなく家族への支援も重要です。人が死へと迎うに対して様々な苦痛があり、家族の思いもあります。私たちは介護職として、利用者や家族の心に寄り添い、死までの期間を少しでも充実できるよう支援する必要があります。

また、死を直面した利用者は感情が敏感になっていることも多く、言動には注意し、コミニケーションの方法もしっかりと検討します。

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