和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン66「介護過程〜日常生活自立度〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も介護福祉士の試験範囲について解説していきたいと思います。今回解説していく内容は「介護過程」の中から日常生活自立度について説明していきたいと思います。

目次

・利用者の状態を把握するためのツール

・障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準

・認知症高齢者の日常生活自立度判定基準

・アルツハイマー型認知症のFAST病期分類

・まとめ、感想

利用者の状態を把握するためのツール

利用者の状態を把握するための重要な指標となる3つの基準があります。「障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準」「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」「アルツハイマー型認知症のFAST病期分類」のツールについて今回は説明していきたいと思います。

障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準

このツールでは障害高齢者の寝たきり度が大きく分けて4段階にすることができます。

【生活自立(ランクJ)】

何らかの障害を有するが、日常生活はほぼ自立しており1人で外出できる。

J-1:交通機関を利用して外出する。

J-2:隣近所になら外出する。

【準寝たきり(ランクA)】

屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしでは外出できない

A-1:介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活をしている。

A-2:外出頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている。

【寝たきり(ランクB)】

屋内での生活は何らかの介助が必要であり、日中もベッド上での生活がしたいであるが座位を保つことができる

B-1:車いすに移乗し食事、排泄はベッドから離れて行うことができる。

B-2:介助により車いすに移乗できる。

【寝たきり(ランクC)】

1日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替えにおいても介助が必要である。

C-1:自力で寝返りがうてる。

C-2:自力では寝返りがうてない。

認知症高齢者の日常生活自立度判定基準

このツールでは認知症の進行状態をⅠ〜Mの9つレベルによって分けることができます。

【Ⅰ】

何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的においてほぼ自立している。

【Ⅱ】

日常生活に支障をきたすような症状や行動、意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。

【Ⅱa】

家庭外上記Ⅱの状態が見られる。

【Ⅱb】

家庭内でも上記Ⅱの状態が見られる。

【Ⅲ】

日常生活に支障をきたすような症状、行動や意思疎通の困難さが時々見られ、介護を必要とする。

【Ⅲa】

日中を中心として上記Ⅲの状態が見られる。

【Ⅲb】

夜間を中心として上記Ⅲの状態が見られる。

【Ⅳ】

日常生活に支障をきたすような症状、行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする。

【M】

著しい精神症状や周辺症状あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。

アルツハイマー型認知症のFAST病期分類

アルツハイマー型認知症の進行状態を1〜6のレベルに分けることができます。数字が進むほど重症化しているという考え方です。

【1(正常)】

主観的及び客観的機能低下は認められない。

【2(年齢相応)】

物の置き忘れ、人物名、地名、物品名等を思い出せない。

【3(境界状態)】

職場では機能低下が認められる。新しい場所への旅行は困難

【4 (軽度)】

料理の手順を間違える。家計の管理・買い物等にも支障をきたす。

【5(中等度)】

適切な洋服を選んで着ることができない。自転車の運転は危険。入浴もかなり説得が必要とする。大声を上げる、感情障害、多動、不眠等のBPSDが著明である、

【6a〜e(やや高度)】

「6a:不適切な着衣で、着衣に介助が必要」「6b:入浴は介助を要する」「6c:トイレの水を流せず、拭くのをを忘れる」「6d:尿失禁がある」「6e:便失禁がある」

【7a〜f(高度)】

「7a:最大限約6語に限定された言語機能低下。個人差あり」「7b:理解している語はただ1つの単語になる」「7c:歩行能力の喪失」「7d:着座能力の喪失」「7e:笑う能力の喪失」「7f:昏迷及び昏睡」

まとめ、感想

上記の3種類のツールを使い利用者の情報を当てはめることによって、その病気の進行の身体・精神状況の把握を行うことができます。利用者を観察するときには客観的に把握することが大切です。また「身体的側面」「心理的側面」「行動面」の3面から観察し情報を収集することにより課題をクリアにするヒントが生まれてくるかもしれません。

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