和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン73「発達と老化の理解〜脳と神経の疾患〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も介護福祉士の試験範囲から発達と老化の理解」について解説しています。今回解説する内容は脳と神経系に関係する疾患についてまとめていきたいと思います。

目次

・脳血管障害の概要

・頭蓋内出血について

・脳梗塞について

・パーキンソン病

・脊椎損傷変性症

・多系統萎縮症

・脊髄損傷

脳血管障害の概要

脳血管障害は三大生活習慣病の1つであり、日本人の四大死因1つでもあります。

脳血管障害の中でも脳の血管が破れることが原因で起こる頭蓋内出血」脳の血管が詰まり血流が阻害されることが原因で起こる脳梗塞」に分類されます。いずれも高血圧、動脈硬化、糖尿病、脂質異常症などが危険因子となります。

頭蓋内出血について

頭蓋内出血は脳の血管が破れて出血することにより脳に障害が起こります。それぞれの箇所によって種類がありますので説明していきます。

【脳出血】

脳の血管が破れて脳に出血します。活動時に発症することが多く、頭痛や吐き気、嘔吐などが症状として現れる。

【くも膜下出血】

脳動脈瘤が破裂し、頭蓋内の軟膜とくも膜の間に出血します。激しい頭痛、吐き気、嘔吐などが現れる。発症時の死亡率が高い

脳梗塞について

脳梗塞は脳の血管が詰まるか狭くなり脳の神経細胞の血流が阻害されることによって起こります。

【脳血栓】

動脈硬化により狭くなった脳の血管に、血栓が詰まり発症します。安静時に発生することが多く進行は穏やかである。

【脳塞栓】

心臓など体内の他の場所でできた血栓が、脳に運ばれて血管が詰まることで発症します。活動時に発症することが多く、急激に症状が進行します。対麻痺、言語障害、失語症などが現れる。体内にできた血栓を溶かすため、予防的にワルファリンなどを投与し血流を良くすることもある。

【一過性脳虚血症】

血栓が脳の血管に詰まることにより生じます。ただし、脳梗塞の症状が見られるも、いちど現れた症状が消失します。脳梗塞の前兆である可能性が高い。

パーキンソン病

【特徴】

神経伝達物質であるドーパミンの不足により、体に特徴的な症状が現れます。日常生活に困難をきたす進行性の神経変性疾患であり、50歳以降の中年期に発症することが多い。

【原因】

不明

【症状】

筋固縮(筋肉のこわばり)」「無動・寡動(動作緩慢)」「震戦(震え)」「神経反射障害(規律時バランス維持が不安定)」の四大微候といわれます。その他にも、嚥下障害、時障害、幻覚、便秘、歩行時の小刻み歩行や突進現象などの症状がみられる。

【治療方法】

基本は薬物療法です。しかし、次第に薬物の効果が薄れ、発症後15〜20年程度で寝たきりになることが多い。

脊椎小脳変性症

【特徴】

脊髄や小脳、脳幹の萎縮により運動失調症状が現れます。徐々に進行していきます。

【原因】

遺伝性により発症。それ以外の原因もあるが不明である。

【症状】

手足の運動失調、構音障害、パーキンソン病の症状であるパーキンソニズムなどの症状がみられる。

【治療方法】

対症療法、リハビリテーション

多系統萎縮症

【特徴】

シャイ・ドレーガー症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、線条体黒質変性症の総称

【原因】

不明

【症状】

「シャイ・ドレーガー症候群」は、起立性低血圧などの自律神経症状。

「オリーブ橋小脳萎縮症」は、小脳性運動失調。

「線条体黒質変性症」は、パーキンソン病の症状がみられる。

脊髄損傷

【特徴】

脊柱(背骨)強い衝撃が生じることにより、脊髄が損傷を受けることにより発送します。頸椎、胸椎、腰椎があり、部位によって症状に違いがあり、頸椎(上部)に近づくほど障害が重度になる。

【原因】

転落、転倒、交通事故、スポーツ事故など

【症状】

感覚・運動麻痺、排尿・排便障害、発汗障害など

【治療方法】

リハビリテーションによる残存機能の維持と向上。合併症の予防を図る。

まとめ、感想

今回は高齢者に多い疾患についてまとめていきました。高齢になると病気のリスクが年々と高くなってきます。それにより今まで出来ていたことが出来なくなる喪失体験により、身体面だけではなく、精神面での落ち込みもみられます。これらによりうつ病や意欲の低下も予測されます。身体面だけではなく精神面でも支援するのが私たち介護従事者の役目です。

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