和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン88「認知症の理解〜脳血管性認知症〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回の投稿も介護福祉士の試験範囲の中から認知症の理解」について解説していきます。今回、解説していく内容は認知症の原因疾患である脳血管認知症について詳しくまとめていきますのでぜひご参考にしていただければと思います。

目次

・脳血管認知症

・脳血管性認知症の特徴

・脳血管性認知症の「発作型」と「緩徐型」

・アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の違い

・まとめ、感想

脳血管認知症とは

脳血管認知症は、脳の血管の流れが阻害されて起こる脳血管障害により脳細胞が部分的に壊死、その結果、認知症が引き起こされます。原因となる脳血管障害には、脳出血、くも膜下出血、脳梗塞などがあります。

脳血管障害については、違うページで詳しく解説していますので下記のページを参考にしてください。

≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン73「発達と老化の理解〜脳と神経の疾患〜」≫

脳血管性認知症の特徴

【原因】

原因は脳血管障害です。病変の部位によって症状が異なるのが特徴です。また、脳血管障害の発作を何回か繰り返し認知症になることもあり、ルツハイマー型認知症では徐々に進行していきますが、脳血管性認知症は、血管障害の再発を繰り返しながら階段的に症状が進行します。

【症状】

記憶障害、見当識障害、感情失禁、妄想、せん妄などのほか、言語障害、知覚障害、片麻痺などの神経症状を伴う。

また障害の現れ方にはムラがあり「まだら認知症」とも言われます。

現在、原因治療薬はなく、障害の再発予防と対処療法が中心です。

※感情失禁とは、感情の調整がうまくいかず、わずかな刺激で泣いたり笑ったりすることです。

脳血管性認知症の「発作型」と「緩徐型」

【発作型】

急激な脳出血などがきっかけによって起こります。片麻痺、言語障害などの局所症状を伴います。さらに皮質を含む広範硬塞型」と「大脳深部小梗塞多発型」に分類することができる。

《広範梗塞型》

病変が大きいと発作直後から認知症状が発症します。多くは発作後数年後以内に発症します。

《大脳深部小梗塞多発型》

多発する脳梗塞が原因となり発症します。多発性脳梗塞認知症とも言われます

【緩徐型】

神経衰弱用症状(精神的疲労、全身の倦怠感など)が多く見られます。出現頻度が高い症状として、頭重(頭痛)、めまい、物忘れの3つの症状がみられます。

アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の違い

【アルツハイマー型認知症】

《発症年齢/男女比》

70歳以上に多い。女性に多い

《自覚症状》

なし

《経過》

徐々に進行する

《特徴》

病識がない

【脳血管性認知症】

《発症年齢/男女比》

60〜70歳以上に多い。男性に多い

《自覚症状》

頭痛、めまい、物忘れなど

《経過》

急激に進行することがある。

《特徴》

病識があり、うつ状態になること。

まとめ、感想

今回、解説した脳血管性認知症は、アルツハイマー型認知症との違いも整理して覚えておく必要があります。また脳血管障害は高血圧や脂質異常など生活習慣にも深く関わる病気です。その他にも急激な温度変化にも弱く、特にリスクがある人に関しては適切な環境を提供する必要があります。

アルツハイマー型認知症に関しては、違うページで詳しくまとめていますので下記のページを参考にしてください。

≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン87「認知症の理解〜アルツハイマー型認知症〜」≫

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