和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン108「障害の理解〜高次機能障害〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を勤めます。河野つなきです。今回は介護福祉の試験範囲から「障害の理解」について解説していきます。今回、解説していく内容は高次機能障害について取り上げていきたいます。

目次

・高次機能障害の症状

・高次機能障害の主な原因

・精神障害者保健福祉手帳の交付

・高次機能障害の自立

・高次機能障害のある利用者への支援の留意点

・まとめ、感想

高次機能障害の症状

高次機能障害は、脳の障害によって、言語、記憶、理解、判断、学習、行為、感情などの機能が障害された状態のことです。

高次機能障害の1つの「半側空間無視」は、大脳半球の損傷により生じるもので、右半球損傷で左半球の刺激に対する処理に障害があることが多い。

それでは高次機能障害の症状ついて解説していきます。

【記憶障害】

物の置き場所、新しい出来事を忘れてしまう。そのために何度も同じことを繰り返し質問したりする。

【注意障害】

ぼんやりしてしまいミスが多くなる。2つのことを同時にしようとすると混乱してしまう。

【遂行機能障害】

自分で計画を立てて実行することや状況に応じた判断ができなくなる。人に指示してもらわないと何もできない。行き当たりばったりの行動をする。

【社会的行動障害】

すぐ他人を頼る、子供っぽくなる(依存、退行)無限に食べたり、お金を使ったりする欲求や感情のコントロールができない(欲求コントロールの低下)。すぐ怒ったり笑ったりする、感情を爆発させる(感情コントロールの低下)人の立場や感情が理解できにくくなり、良い人間関係を築くことができない(対人技能拙劣)など。

高次機能障害の主な原因

高次機能障害の主な診断基準は、

①事故や疾病による脳損傷

②認知障害により日常生活に制約があること

③検査か診断書により脳の器質的な損傷が確認できること

先天性疾患・周産期の脳損傷・発達障害・進行性疾患による脳損傷は除外することです。

このことから主な原因は、脳血管障害頭部外傷などである。それでは具体的な原因疾患について以下にまとめます。

【頭部外傷】

慢性硬膜下血腫、脳挫傷

【脳血管障害】

脳梗塞、くも膜下出血、脳出血

【感染症】

脳炎、エイズ脳症

【自己免疫疾患】

全身性エリテマトーデス、ベーチェット病

【中毒】

アルコール中毒、薬物中毒、一酸化炭素中毒

【その他】

多発性硬化症、正常圧水頭症、脳腫瘍

精神障害者保健福祉手帳の交付

高次機能障害は、器質性精神障害として、精神保健福祉法に基づいて、精神障害者保健福祉手帳の交付の対象となります。

高次機能障害の自立

地域や就労の場に適応していくために「職場適用援助者(ジョブコーチ)」が本人への支援と周囲の人に対して、対応方法をアドバイスする。職場適用援助者(ジョブコーチ)は、職場等に出向き、障害者の就労を円滑にする役割を行います。

高次機能障害のある利用者への支援の留意点

①直接支援より、見守りや声かけなどの間接支援を中心にする。

②支援者が決めて指示するのではなく、本人が体で覚えられることを促し、行動が定着するように支援する。

③関わる支援者が変わっても同じ方法で支援する。支援方法を変えると、本人が混乱し行動の定着を阻害します。

説明は簡潔にします。メモにして渡すと良い

⑤問題が生じたときは、その都度、すぐに対応する。

⑥プライドを重んじ、相手を尊重する。

退行が見られる場合には、支援者が距離を取る

まとめ、感想

高次機能障害のある人は、まず、自分の障害に気づくことがリハビリテーションのカギとなることがあります。このように障害を受容することが第一歩といわれます。

また、感情のコントロールができないため家族などの介護者に対してきつくあたることもあり、介護負担が大きくなってしまう傾向です。家族も高次機能障害の症状等の理解を深めて接する必要があります

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