令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン111「障害の理解〜難病〜」
どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も介護福祉士の試験範囲から様々な分野について解説していきます。
今回解説していく内容は、「障害の理解」から難病についてまとめていきたいと思います。
目次
・難病とは
・主な難病の種類
・まとめ、感想
難病とは
難病とは、原因不明で、確かな治療方法もなく、徐々に進行していき、重い体の障害や後遺症の残る疾患の総称です。
難病法(難病の患者に対する医療等に関する法律)において、「発症の機構が明らかでなく、かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって、当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるもの」と定義されています。難病のうち、医療助成の対象となるものが指定難病であり、333疾病が対象となっています。
主な難病の種類
【潰瘍性大腸炎】
大腸の鼓膜に潰瘍やびらんができる炎症性疾患。便に血が混じる、下痢、腹痛が特徴的な症状。発祥は20歳代が最も多いが、若年者から高齢者まで発症する。
【全身性エリテマトーデス(SLE)】
すべての年齢生で発症が見られ、9対1で女性の発症が多い疾患です。全身疾患であり、顔面の蝶形紅斑、発熱、関節炎、腎障害などの症状がある。
【ベーチェット病】
再発生口腔内アフタ(直径数ミリの円形または楕円形の浅い潰瘍)、皮膚症状、目の症状(ぶどう膜炎)、外陰部潰瘍、関節炎などの症状がある全身性炎症疾患です。。
【脊髄小脳変性症(SCD)】
運動失調症状があり、小脳・脊髄に関連した神経経路に病変が見られる変性疾患の総称です。進行性であり、自律神経障害として起立性低血圧症、排尿障害、発汗障害などがみられます。
【パーキンソン病】
パーキンソン病を以下の症状に基づきホーエン・ヤール重症度分類にてⅠ〜V度に分類することができます。
《Ⅰ度》
体の片側に震えが見られる。
《Ⅱ度》
体の両側に震え、固縮。日常生活にやや不便を感じる。
《Ⅲ度》
小刻み歩行、すくみ足。日常生活に支障はあるが、介助は不要。
《Ⅳ度》
立ち上がりや歩行が困難。生活の多くで介助が必要になる。
《Ⅴ度》
車椅子が必要。ベッドでの生活が多くなります。
また、パーキンソン病に関しては他のページで詳しくまとめていますので、下記のページを参考にしてください。
≪令和3年度ケアマ試験をケアマネ資格取得者が解説!レッスン21【保健医療サービス〜高齢者の疾患〜前半〜】≫
【筋萎縮性側索硬化症(ALS)】
筋肉の病気ではなく、筋肉を動かす神経(運動ニューロン)が障害を受け、筋肉を動かす命令が伝わらなくなる病気です。手・指など上肢の筋委縮から始まることが多い。延髄運動神経核の編成による球麻痺症状がある。顔面・咽喉頭・舌の筋委縮により発声や嚥下障害を生じる。呼吸筋の筋力低下により呼吸困難が生じると、人工呼吸器が必要になる場合もあります。
※ 球麻痺症状とは、延髄にある運動神経の障害による麻痺です。嚥下障害や構音障害など、喉や舌に関連した麻痺が多い。
【シャイ・ドレーガー症候群】
自律神経症状を主症状とする多系統萎縮症の中の1つである。起立性低血圧、発汗減少、排尿障害、インポテンツ(ED)、便秘などの症状がみられます。パーキンソン症候群、小脳症候が加わることもあります。遺伝性はなく、中年期以降に発症する。
【ハンチントン病】
常染色体優性遺伝による神経変性疾患です。舞踏運動などの不随意運動、精神症状、行動異常、認知障害などの症状がみられます。40歳前後に発症が多い。
【後縦靭帯骨化症】
脊髄の中を縦に通る後縦靭帯が骨化し、脊髄や神経が押されて感覚障害や運動障害などの神経症状を引き起こす病気です。手足のしびれや四肢全体の麻痺などの症状があります。骨化部位の摘出手術をする場合もある。
まとめ、感想
難病は原因不明で治療方法も確立していなく、指定難病でさえ治療を行うことにより症状の進行を抑える程度の方法しかありません。また、進行性であり症状は進む一方です。
タグ:333疾病,介護福祉士,指定難病,種類,筋萎縮性側索硬化症,脊髄小脳変性症,難病
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