和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン112「障害の理解〜障害受容〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も介護福祉士の試験範囲から「障害の理解」について引き続き解説していきます。今回、解説していく内容は障害受容について取り上げていきたいと思います。

目次

・障害受容の過程

・障害受容に影響を及ぼす要因

・混乱期の支援

・障害の種類別にみた心理的影響

・適応機制

・まとめ、感想

障害受容の過程

一般的に下記の5つの段階をたどります。この過程は、1段階ずつ前進するものではなく、一進一退しつつ移行します。


【ショック期】

障害が残るかもしれないことを知り、冷静に受け止めることができない状態。

【否定期】

治療が一段落し、自分の障害に気づくが、障害を認めず、不安や苦痛を意識下に抑圧しようとする。

【混乱期】

障害が残ることも告知され、受容ができず、苦しみ、混乱します。抑うつ症状を示し、自殺企図もある。

【解決への努力期】

現実を理解し現状を良くするために前向きに努力を始める時期。

【受容期】

現状を受け止め、障害を受容する。残存機能の活用や価値観の転換を図る段階です。


障害受容に影響を及ぼす要因

①障害発生年齢

②障害を負う以前の性格

③障害の原因と程度

④社会的環境

⑤時間的経過

などがあります。また、これらの要因は相互に関連しており、障害後の性格にも大きな影響を及ぼします。

混乱期の支援

混乱期には、障害についての客観的情報を伝えるとともに、本人の感情を受け止めることや、障害が残っても様々なことができることなど、これからの多様な可能性を丁寧に伝えていく支援が重要です。これらを乗り越えていくには、ピア・カウンセリングなどが有効とされます。

≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン97「認知症の理解〜専門職や家族における認知症ケア〜」≫

障害の種類別にみた心理的影響

【中途視覚障害者の障害受容】

身体的な打撃である視覚障害という事実に対し、精神的にも大きなダメージを受けます。障害を負ってからの心理的プロセスはリハビリテーション・プロセスの観点から大きく5つの時期に分けられます。

《失明恐怖の時期》

失明に対する恐怖や生活への不安を抱く時期

《葛藤の時期》

失明直後の精神的打撃が最も大きい時期。感情麻痺やうつ状態になることもあります。

《生活適応の時期》

現実を直視し、生きる意欲を持とうとする時期です。訓練により生活技術を身に付ける段階。

《職業決定の時期》

視覚障害者の就労状況を知り、経済的安定を取り戻せるかという不安を抱く時期。

《職業獲得の時期》

職業を獲得し、困難を克服しながら、経済的基盤を確保する時期。

【聴覚・言語障害者の障害受容】

全般的にコミニケーションや対人関係に影響を受けます。スムーズな情報交換が阻害されるため、情緒的な孤立感がもたらされる。

【肢体不自由の障害受容】

活動制限や役割意識の喪失などによる心理的影響が大きい。入浴や排泄などの介護を受けることで、プライバシーをさらすことがストレスになることもある。

【内部障害の障害受容】

一見して障害がわからず、周囲の理解を得にくいことなどもあり、うつ状態になる人が多いといわれています。

適応機制

適応機制とは、要求不満や不快な緊張感から解放され、心理的満足を得ようとする際に、無意識にとる解決方法です。例えば重度障害者が社会復帰に向けた訓練を「やっても無駄だ」と思ってしまうのは「合理化」の心理が働いています。

まとめ、感想

中途障害者の心理的衝撃の度合いは、人によって異なります。事故や疾病等により、障害を負った人やその家族は、その事実を受け入れるのには本人の気持ちだけではなく、周りのサポートなどが重要になってきます。

また、重度障害には脊椎損傷が多く、今まで元気だった体が急に動かなくなり車椅子を必要とする生活を送ることもあります。そのような危機感を感じ、健康である体を喜びと感じ生活していく必要があります。

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