和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン131「こころとからだのしくみ〜機能低下や障害が及ぼす移動への影響〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も介護福祉士の試験範囲について解説していきます。

今回、解説していく内容は「こころとからだのしくみ」の中から機能の低下や障害が及ぼす移動への影響についてまとめていきたいと思います。

目次

・移動に影響を及ぼす原因①「意欲の低下」

・移動に影響を及ぼす原因②「疲労」

・移動に影響を及ぼす原因③「身体的変化」

・移動に影響を及ぼす原因④「感覚機能の低下」

・移動に影響を及ぼす原因⑤「運動機能の低下」

・移動に影響を及ぼす原因⑥「転倒による骨折」

・移動に影響を及ぼす原因⑦「腎機能障害」

・移動に影響を及ぼす原因⑧「疾患」

・まとめ、感想

移動に影響を及ぼす原因①「意欲の低下」

①認知症

②脳血管疾患などによる障害

③環境の変化

④近親者の死などにより意欲の低下

移動に影響を及ぼす原因②「疲労」

脳や神経関係の疾患により、以前よりも少ない運動量で疲労を感じるようになる。

移動に影響を及ぼす原因③「身体的変化」

【円背】

通常よりも前方に重心位置が移動する。その結果、膝を屈曲して安定した立位、歩行姿勢を取ろうとするが足先の上がりが悪くなり、つまずきやすくなる。

【片麻痺】

麻痺側の下肢を振り回すようにして前に出します。股関節の痛みや股関節周囲の筋力低下で、体幹を傾斜させるような歩き方になる。

移動に影響を及ぼす原因④「感覚機能の低下」

【視力低下・視野障害】

段差が把握しにくくいことによる転倒、衝突などの危険性が高くなる。

【感音性難聴】

加齢に伴い、50歳以降では高音域での聴力低下が多く見られます老人性難聴の多くが感音性難聴である。道路を歩行中に近づいてくる車や自転車の音、クラクションなどが聞き取りにくくなり、事故に遭う危険性が高まります。

移動に影響を及ぼす原因⑤「運動機能の低下」

筋力低下、神経伝達速度の低下、平衡感覚に関わる器官の機能低下、様々な刺激に対する反応速度の低下などでバランスを崩しやすくなり、転倒のリスクが高まる。

移動に影響を及ぼす原因⑥「転倒による骨折」

加齢によって骨密度が低下していると、転倒により「橈骨遠位端(手首)」「上腕骨近位端(肩)」「大腿骨頸部(股関節)」「椎骨(背骨)」が骨折しやすくなります。

【転倒の原因】

①筋力の低下②認知症③平衡機能の低下④障害物(環境)⑤敏捷性の低下⑥薬物(睡眠薬など)⑦白内障(視力低下)⑧関節炎

など。認知症を有する人の転倒発生率は約6割といわれています。

移動に影響を及ぼす原因⑦「腎機能障害」

「倦怠感」「疲労感」「尿失禁や尿漏れ」により移動を控えるようになる。また、夜間残尿になり、覚醒レベルの低い状態で移動することにより、転倒のリスクが高まります。

移動に影響を及ぼす原因⑧「疾患」

神経や筋肉の機能が低下する疾患や麻痺を伴う疾患では移動や歩行に関して大きな影響が出ます。

【筋萎縮性側索硬化症(ALS)】

筋肉を動かすための神経(運動ニューロン)に異常が発生し、自力での運動が困難になる。

【筋ジストロフィー】

筋肉が萎縮し、徐々に動かせなくなる。

【脊髄小脳変性症】

歩行時にふらつきや、ぎこちない動きをする(失調性歩行)

【パーキンソン病】

歩行が小さな小刻み歩行や手足の震え(振戦)、筋肉のこわばり(筋固縮)がみられる。

【脳血管障害】

麻痺側の下肢が動かしにくくなるため、バランスを崩しやすくなります。

【脊柱管狭窄症】

歩き続けると足に痺れや痛みを感じ、休み休みでしか動けなくなる間欠性跛行を伴います。

【廃用症候群】

長期臥床や活動低下で、二次的に機能低下が生じます。褥瘡、筋委縮、間接拘縮、起立性低血圧、誤嚥性肺炎、深部静脈血栓症、うつ状態などがあります。

まとめ、感想

移動の際は、利用者の身体能力に合った移動方法や介助方法が必要です。そのためには、利用者の能力や身体機能の変化を把握する必要があり、医療職やリハビリテーション専門職などとの連携が重要です。

また、利用者の身体機能の変化に伴い、生活上の課題や目標も変化しますので介護支援専門員(ケアマネージャー)と連携を図って、本人や家族の意向を重視しながら、ケアプランの見直しなども検討してもらう必要があります。

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