和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン139「こころとからだのしくみ〜排尿の仕組み〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。今回も介護福祉士の試験範囲から「こころとからだのしくみ」について解説していきます。今回の内容は、排尿の仕組みについてまとめていきます。

目次

・尿の状態

・尿の量と回数

・排尿の仕組み

・排尿の異常

・尿失禁の種類

・泌尿器の疾患

・まとめ、感想

尿の状態

尿の成分と正常状態は次の通りです。

①尿成分の95%は水分。残り5%に、尿素、尿酸、ナトリウム、カリウム、アンモニアなどが含まれています。

②排泄されたばかりの尿は弱酸性

③黄色や薄い茶色がかかった透明の液体

無菌

⑤排泄された直後は食べ物の匂いなどはするが、空気に触れると細菌によって分解され、アンモニア特有のにおいが生じます

【尿の異常】

尿は食べたものや薬なので色や匂いが変わります。濁っている(混濁尿)、血が混ざって赤い色をしている(血尿)生ごみが腐ったような臭い(腐敗臭)などは体の異常を示します。

尿が白く濁っているときは膀胱炎

赤い場合は尿路結石、腫瘍、腎臓病

腐敗臭が強い時は膀胱炎などの感染症にかかっている可能性も考えられます。

【尿に関係する疾患】

《ネフローゼ症候群》

尿にタンパク質が大量に排泄されるため、血液中のタンパク質が減り、(低タンパク血症)、その結果、むくみなどが起こる疾患です。

《尿崩症》

尿を減少させる抗利尿ホルモンの不足により、腎臓の水分再吸収機能が低下し、多量の尿が排出される状態です。

尿の量と回数

尿は、1日に1000〜2000mL排泄されます。1回の尿量は、200〜500mL1日の回数は4〜8回前後である。尿量が次の数値の時は、異常な状態です。

【尿量が無尿】

尿量50〜100mL以下/日

原因は、ネフローゼ症候群、急性腎不全、尿路結石などがある。

【尿量が乏尿】

尿量400mL以下/日

原因は、ネフローゼ症候群、急性腎不全、尿路結石などがある。

【尿量が多尿】

尿量が3000mL以下/日、体重1kg× 40mL以上

原因は、糖尿病、尿崩症、心不全など

排尿の仕組み

全身をめぐる血液は、腎臓でろ過され、老廃物と余分な水分が尿として排泄されます。腎臓で作られた尿は尿管という細い管を通って、膀胱に運ばれます。

膀胱は柔らかい筋肉でできた袋で、尿はいったん膀胱にためられます。膀胱の容量は人によって異なるが、200〜500mLである。

膀胱の下は尿道と呼ばれる菅につながり、尿はここから体外に排出されます。

男性の尿道は通常16〜18cm泌尿器と生殖器の2つの働き持っています。

女性の尿道は3〜4cmです。短いため男性よりも感染症にかかりやすい

男性のみにある前立腺は、加齢とともに肥大しやすく、圧迫されることにより尿の勢いが落ち、尿道に尿が残るなど症状がみられることがあります。

排尿の異常

排尿の異常には、尿失禁頻尿排尿困難があります。

【尿失禁】

本人の意思にかかわらず尿が漏れてしまい、社会的・衛生的に支障が生じる状態です

【頻尿】

膀胱容量の減少、過活動膀胱、膀胱や尿道の機能には問題がないが、気持ちの問題で起こる心因性などにより、排尿回数が頻回になる状態のこと。一般的には、排尿回数が日中8回以上の場合をいいます。

【排尿困難】

尿道狭窄、前立腺肥大症などの下部尿路の通過障害または膀胱の収縮力の低下により排尿しづらくなる状態。尿が全く出ない状態を閉尿といいます。尿が出にくい場合は、水分を取り、下半身の保温をおこないます。

尿失禁の種類

尿失禁には、腹圧性尿失禁機能性尿失禁切迫性尿失禁溢流性尿失禁反射性尿失禁があります。

【腹圧性尿失禁】

くしゃみや咳など、腹部に力が入ったときに起こります。女性によく見られ加齢や出産などによって骨盤底筋が弱くなることが原因である。骨盤底筋訓練で改善されることが多い。

【機能性尿失禁】

排泄動作が間に合わずに漏れてしまうこと。身体運動機能低下や認知症などが原因で起こります。運動機能低下の状態や原因を把握し、機能回復訓練、トイレ環境の改修、用具の選択、衣服の工夫などで対応します。早めにトイレに誘導する必要があります。

【切迫性尿失禁】

急に強い尿意が起こり、トイレに間に合わずに漏れてしまいます。膀胱に尿をためる機能の障害で、脳血管障害や前立腺肥大症が原因で起こります。薬物療法を行うことが多い。

【溢流性尿失禁】

尿を出す機能の障害です。排尿困難のため、膀胱内に残尿が溜まり、あふれるように漏れます。前立腺肥大症の男性によく見られます原因疾患の治療や導尿を行います。

【反射性尿失禁】

脊椎の損傷等により、尿意が大脳に伝わらなくなって反射的に漏れてしまいます。薬物療法を行うことが多い

泌尿器の疾患

【尿路感染症】

高齢者及び女性に多い感染症で、排尿痛、頻尿、残尿感、排尿困難などの症状があります。高齢者では、尿失禁が急性尿路感染症の初症状であることもある。

原因としては、男性は前立腺肥大症女性は閉経後の尿道粘膜萎縮です。男女ともに留置カテーテルの使用など原因としてあります。

【急性膀胱炎】

膀胱内に細菌が侵入して発症する感染症です。女性に多い。頻尿、排尿痛、尿混濁、細菌尿、残尿感などの症状があります。

まとめ、感想

体から排泄されるのは廃物には尿、便、汗などがあります。この尿は老廃物の約20%を占めています。

また、泌尿器の疾患に関しては違うページで詳しくまとめていますので、下記のページを参考にしてください。

≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン77「発達と老化の理解〜泌尿器系と腎臓の疾患〜」≫

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