和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン140「こころとからだのしくみ〜排便の仕組み〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回は介護福祉士の試験範囲からこころとからだのしくみ」について解説していきます。今回取り上げていく内容は排便の仕組みについて投稿していきますので参考にしてください。

目次

・排便の仕組み

・便の状態

・便秘について

・下痢と便失禁

・まとめ、感想

排便の仕下痢と便失禁組み

《排便の仕組み:手順1》

摂取された食物は、口腔で唾液と混ぜて噛み砕かれ胃に送られます。胃液によって粥状になった食物は、小腸で消化され、水分と栄養分が吸収された後、大腸へ送られる。

《排便の仕組み:手順2》

大腸では残りの水分の大部分が吸収されて、形のある便となり、肛門から排出されます。便は、食後約24〜72時間で生成されます。

排便には、脊髄を経由して大脳に至る自律神経が関与し、腸や肛門の働きを調整しています。直腸に便が送られても漏らさずにいられるのは、交感神経が内肛門括約筋と外肛門括約筋を収縮させているためです。肛門括約筋とは、肛門を広げたり閉めたりして、蛇口のような役割をしている筋肉です。

《排便の仕組み:手順3》

直腸にある程度、便が溜まると、その刺激が直腸から脊髄を経て大脳に伝わり、便意を感じる便意は15分程度で感じなくなるので、我慢しないことが大切です。また交感神経は排便を抑制し、副交感神経は排便を活性化する。

便の状態

硬さ(便性)には個人差があります。便の基準を示すものとして、ブリストル便形状スケールがあります。便の色は、胆汁色素が変化したもので、通常は黄茶褐色である。健康状態によって変化することがあり、便の色が黒っぽい場合は上部消化管(食道・胃・十二指腸)の出血便の色が赤っぽい場合は、直腸がん・大腸がん便の色が緑っぽい場合は、肝臓機能低下白は胆石の疑いがある。

【便の量と回数】

個人差があるが、健康な人では、1回150〜200g1日1〜3回ないし3日に1回程度が正常といわれています。

便秘について

便秘のタイプは原因により、大きく分けて「機能性便秘」器質性性便秘」に分けられます。

【機能性便秘】

大腸の運動機能や反射の異常によって起こります。次のような種類があります。

《弛緩性便秘》

大腸の蠕動運動の低下、食物繊維の不足が原因です。症状は、便が硬くなります。便が硬くなります

《けいれん性便秘》

ストレスが原因です。症状は腹痛がある。便秘と下痢を繰り返す。

《直腸性便秘》

便意の我慢、便意を感じる神経の障害が原因です。症状としては直腸に便があるにもかかわらず、便意を感じない。

【器質性便秘】

大腸の病気により、大腸そのものが部分的に狭くなり、便が通過しにくい状態です。大腸がんやクローン病などの多い。便秘が長時間続く場合や、血液が混じる場合に疑われます。

【薬剤が原因による便秘】

モルヒネなどの麻薬性鎮痛剤は、腸の蠕動運動を抑制するため、便秘の原因となることがあります。このほか、抗コリン薬、抗うつ薬、降圧薬の副作用で便秘が起こることもあります。

下痢と便失禁

排便の異常には、便秘の他にも、下痢と便失禁があります。下痢と便失禁の基礎知識を解説していきます。

【下痢】

泥状便や水様便などのように便が水分を多く含む状態を下痢といいます。通常の便の水分は70%程度だが、80%以上になると泥状便90%以上になると水様便と表現されます。

経管栄養では、腸管で吸収されなかった物質は、高濃度で腸管に滞留すると、高浸透圧性の下痢症を発症することがあります。

下痢は、経管栄養を行う上で、最も多い合併症の1つです。

【下痢の対処法】

水分・電解質の補給(脱水への対応)と腸管の安静が基本です。下痢が長く続く場合は受診し、医師からの原因菌などに応じた抗菌薬を投与の受けます。

【便失禁】

便が漏れることをいいます。肛門括約筋が閉まらなかったために起こることが多い。不随意筋の内肛門括約筋随意筋の外肛門括約筋のどちらが障害されているかで症状が異なります。

内肛門括約筋が障害されている場合は、便意がなく漏れる漏出性便失禁」

外肛門括約筋が障害されている場合は、便意はあるがトイレまで我慢できずに漏れる「切迫性便失禁」

他にも、下痢や直腸性便秘が原因で便失禁が起こることもあります。

まとめ、感想

老廃物の多くは、便となって排泄されます利用者の健康状態を把握する上で便の状態の確認を行うことも大切なことです。

また、便秘は、排便が順調に行われず、排便回数が少なくなり、排便に苦痛を伴います。そのようなことが見られた場合には食事の工夫や環境の工夫を行う必要があります。

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