和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン142「こころとからだのしくみ〜睡眠障害〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も介護福祉士の試験範囲について解説していきます。今回、解説していく内容は「こころとからだのしくみ」から睡眠障害について解説していきます。

目次

・不眠とは

・不眠の原因

・睡眠不足の影響

・睡眠障害と疾患

・睡眠時無呼吸症候群

・睡眠時随伴症

・レム睡眠行動障害

・高齢者の睡眠

・まとめ、感想

不眠とは

眠れない、または眠りが続かない状態を不眠といいます。高齢者になると、中途覚醒や早期覚醒が多くなります。不眠には次の種類があります。

【入眠障害】

なかなか寝付けない。

【熟眠障害】

長時間睡眠をとっても、眠ったという満足感が得られない

【中途覚醒】

眠りが浅くなり、夜中に何度も目が覚めます。

【早期覚醒】

朝早く目が覚めて、その後眠れない。

不眠の原因

不眠の原因は様々だが、主に5つのタイプに分けられます。

【身体的要因】

加齢、腰痛、神経痛、咳、頻尿

【生理学的要因】

入院、時差ぼけ、交代勤務

【心理学的要因】

ストレス、緊張

【精神疾患】

うつ病、統合失調症

【薬理学的要因】

アルコール、カフェイン、ニコチン、降圧剤

睡眠不足の影響

不眠などによって睡眠不足になると、からだに次のような影響が現れます。

交感神経系の活動が活発になり、血圧が上がる。

インスリンの働きが弱まる

③食欲が増え、肥満になりやすくなる

睡眠障害と疾患

レストレスレッグス症候群周期性四肢運動障害は、どちらも睡眠障害の要因となる疾患です。これらは睡眠薬が効かずかえって悪化させる場合もあるので注意が必要です。どちらも高齢者がかかりやすい

【レストレスレッグス症候群】

むずむず脚症候群夕方以降に下肢を中心に不快な異常感覚または痛みが出現します。下肢を動かすと異常感覚や痛みが消えるので、布団の中でもじっとしていられず、不眠と日中の眠気がおきます。

【周期性四肢運動障害】

睡眠中に上肢や下肢が繰り返し勝手に動き続けるため、睡眠が浅くなり、不眠や日中の眠気が出ます。

【過眠症】

十分眠っても、日中に強い眠気に襲われます。抗ヒスタミン作用による風邪薬等の副作用でも生じます。

【概日リズム障害】

体内時計の調整以上より、睡眠と覚醒のリズムが壊れます。

【精神性理性不眠症】

眠れない経験を繰り返すと不安になり、不眠への恐怖によって眠れなくなります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に何度も呼吸が停止する疾患を睡眠時無呼吸症候群といいます。

眠り始めると呼吸が停止し、血液中の酸素濃度が低下して目が覚め、呼吸が再開するが、再び眠り始めると呼吸が停止すると言う状態を一晩中繰り返します

睡眠時無呼吸症候群の発症の目安としては、10秒以上の気流停止を無呼吸とし、1時間に5回以上または7時間の睡眠時間中に30回以上の無呼吸がある状態とされています。

【発症の原因】

肥満、扁桃腺腫肥大、小下顎症など。首周りに脂肪がついている人や気道が狭くなっている人に起こりやすい。また、歯並びで顎の形によっても発症することもある。

【症状】

いびき、日中の眠気、居眠り、集中困難、疲労感、夜間に何度も起きる、起床時の口の渇き、熟睡感がない。

【影響】

夜間に長時間続く低酸素血症のため、高血圧、動脈硬化が引き起こされ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高くなります。

睡眠時随伴症

睡眠時随伴性は、睡眠中に異常な言動が現れる状態です。小児に多いが、レム睡眠行動障害は成人に見られ、睡眠中に大声の寝言や叫び声をあげ、手足を振り回すなどの激しい行動を起こします。

レム睡眠行動障害

レム睡眠時の骨格筋の弛緩が抑制され、夢で見た通りの行動をする睡眠障害の一種。パーキンソン病やレビー小体型認知症の症状の1つとも考えています。

高齢者の睡眠

【高齢者の睡眠の特徴】

高齢者はエネルギー消費量が少ないので、必要な睡眠の量も減ってきます。高齢者の睡眠には、次のような特徴があります。

①睡眠時間が短くなる

②睡眠周期が不規則になる

③中途覚醒、早期覚醒が多くなる

④夜間頻尿が見られ、不眠になりやすい

⑤入眠までの時間が長くなる

⑥眠りが浅くなる

⑦薬の副作用が生じやすく、副作用で不眠になりやすい。

【高齢者のこころと睡眠】

老年期のこころの問題が、睡眠に影響を及ぼすことがあります。老いることや機敏に動けなくなることに否定的な感情を抱くと、進行する老化に戸惑いや不安を感じやすくなり、眠れなくなるケースも少なくないです。

また、仕事、地位、収入、社会とのつながり、生きがい、周囲の人々などの喪失体験が、大きなストレスの原因となり、睡眠に影響する場合も考えられます。

まとめ、感想

眠いのに眠れない、眠りを維持できない、日中に眠気が生じるなど、正常な睡眠が取れないことを睡眠障害といいます。また、加齢や身体機能の変化は、睡眠に影響及ぼします。

睡眠の長さではなく睡眠の質が重要と言うことです。また、睡眠は人間のこころとも関係していることも理解が必要です。

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