和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン149「医療的ケア〜健康状態〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も引き続き介護福祉士の試験範囲から医療的ケア」について解説していきます。今回、解説していく内容は人間の健康状態について解説していきたいと思います。

目次

・健康状態を知る項目

・体温について

・脈拍について

・呼吸

・血圧

・急変状態

・まとめ、感想

健康状態を知る項目

【観察】

測定機器を使わなくても、利用者と話したり、外観や行動をよく見たりすることで、多くの情報を得ることができます。

観察項目としては、意欲、顔貌、顔色、皮膚、食欲、動作、行動、姿勢などがあります。行動の不自然さや、ちぐはぐな点がないかも確認します。

【バイタルサイン】

人が生きていく上で最低限生活な生体情報。一般には、体温、脈拍、呼吸、血圧を指します。意識の状態を含むこともあります

体温について

【正常体温】

(腋窩温、成人): 36〜37℃

【体温に影響与えるもの】

①基礎代謝:乳幼児では高く高齢者では低めになる。また、朝方は低く活動時に高くなっていく

②外気温: 14時〜16時が最も高くなる

運動食事精神的興奮によって上昇する傾向がある。

【体温測定箇所】

脇の下(腋窩)、外耳、口腔内、直腸。

体温の高い順に測定箇所を並べると以下の通りになります。

直腸>外耳>口腔内>腋窩

【体温計の種類】

腋窩体温計、耳式体温計、口腔体温計、直腸体温計

脈拍について

【脈拍】

成人: 1分間に60〜80回程度

頻脈: 1分間100回以上

不整脈:脈のリズムが一定でない状態

※運動や入浴、食事の後は脈拍が増えるので注意が必要です。

【脈拍の測れる主な部位】

総頸動脈、上腕動脈、橈骨動脈、大腿動脈、足背動脈

呼吸

正常な呼吸は、1分間12〜18回程度で規則的である。

観察されていることに利用者が気づかれると、呼吸が変化するので、気づかれないように観察します。

換気(空気を吸って吐く)が十分かどうかをチアノーゼを観察したり、パルスオキシメーターで測定したりします。

パルスオキシメーターとは、手指などセンサーをつけて、動脈の血液中の酸素の量(動脈血酸素飽和度)を測定する機器です基準値は100〜95%程度

血圧

個人差や1日の中での変動が大きい(日内変動)。その人の正常値を知ることが大切です。

【血圧に影響を及ぼすもの】

心臓の収縮力、血液の量、血液の粘り気、末梢血管抵抗など

【測定方法】

電子血圧計を用いて上腕で行うのが一般的です。拘縮があり、上腕で測定できない場合は、手首なので測ります。動脈を圧迫するマンシェットの巻き方が不適切であると、正しく測定できないため注意が必要です。

※ マンシェットとは、血圧計の部品の1つで、ゴム袋が中に入った細長い布。帯状態ともいう。ゴム袋にポンプで空気を送り込み、動脈を圧迫します。

急変状態

【急変状態とは】

急激に意識の状態が悪くなり、呼吸が浅くなったり、脈拍が弱くなったり、今までにない強い痛みを訴えたり、苦痛の表情が強くなったりした時など、通常の介護では対応しきれず、早急に救急車もしくは医師や看護職への連絡が必要な状態のことです。

【急変時の対応】

利用者の身体に変化があったときは、わずかな変化であっても、必ず担当の医師や看護職に連絡します。

連絡すべき内容として、①急変の状態(何が?) ②急変後の状態の変化(どうした) ③本人の精神状態家族の精神状態

急変の状態によって、処置や対応が異なるが、常に次のことを心得ておく必要があります。

「落ち着く」「自己判断で行動しない」「複数の職員で対応する」「利用者(家族)の同意を得る」「記録に残す」

まとめ、感想

利用者の健康状態を常に把握して、急変時には適切な対応や判断を行うことは、介護福祉士職の業務でもあります。普段からしっかりと観察し、何かおかしいことがあれば医療職に相談しましょう。

また、判断が難しい場合は事業所の上司などに相談しひとりで抱え込まないようにする必要があります。

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