知ってて得!「い」から始まる介護現場で役立つ用語集
どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます河野つなきです。介護現場で働いていると様々な専門用語が使われることも少なくありません。今回は「か」から始まる専門用語を説明していきます。
また、今回の投稿では専門用語だけではなく医学的な観点からも関係ある用語を説明していますので、介護現場だけでは無く医療の現場で活躍する医療従事者の方も活用していただけたらと思います。
【胃液】
胃粘膜から分泌される無色透明の液体です。99%が水分からなり、その他、タンパク質分解酵素のペプシンや弱酸性の塩酸、粘液を含みます。胃液は食物の消化を助ける効果があります。
【胃潰瘍】
胃酸で胃粘膜が傷つき、ひどいと胃の筋肉層までえぐられる病気です。胸やけ、吐き気、痛み、過酸症状、出血などの症状が起こります。
【医学的判定】
障害者に対する診療や身体機能検査からみちびき出される医学的な診断と評価です。全身状態や障害の程度を知るために行われます。特にリハビリテーション計画策定時に必要となります。
【医学的リハビリテーション】
医療専門職が「病気の治療」「障害の除去」「合併症予防」「機能回復訓練」「代謝機能訓練」などを目的として、医療・介護施設、訪問看護などで提供する医学的分野のリハビリテーションサービスを指します。
【医学モデル】
患者の病気や怪我など健康状態による観点から、診断・治療を行うことです。
【胃がん】
胃に悪性腫瘍ができる病気です。塩分過多や野菜不足などの食生活、ピロリ菌感染、喫煙などが発症の主な原因と考えられています。
【易感染性(いかんせんせい)】
免疫機能の低下により、細菌やウィルスに感染しやすい状態にあることです。糖尿病、がん、抗がん剤の使用、放射線治療などによって起こります。
【生きがい】
生きる価値に見合うと感じられるもの。高齢者の生きがいや対策として、多くの自治体が老人福祉センターでの憩いの場の提供や老人クラブの支援などを行っています。
【育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)】
労働者が育児や介護などの家庭生活と仕事を両立するために、育児休業、介護休業、看護休暇などを取得できるよう定めた法律です。
【育成医療】
身体に障害のある18歳未満の子供に対して、治療により障害の改善が期待できる場合に生活能力を獲得するために必要な医療費の一部を給付する制度です。
【異型狭心症(血管攣縮性狭心症)】
心臓表面にある冠動脈が過剰に収縮し、狭心症の症状を引き起こすものです。早朝など就寝中に発生することが多い病気です。
【椅座位】
座る姿勢の1つで、椅子に腰をかけ足底が床に付いている状態のことです。動作の範囲が広くなり、食事や休憩に適しています。
【意識障害】
意識が晴明でなくなり、知覚、認知、記憶、判断などの精神活動が正常にできない状態のことをいいます。症状によって傾眠、混迷、せん妄などに分類され、意識レベル評価には3-3-9度方式が使われます。
【維持期リハビリテーション】
日常生活や社会生活の維持・改善を目的とした医学的リハビリテーションの最終段階です。急性期、回復期リハビリテーションを終え、施設から在宅ケアに移行した患者に行われます。
【意思伝達装置】
音声言語による意思伝達が難しい人のためのコミュニケーション装置です。指先、足、まばたきなどでスイッチを操作し、文字や人工音声で意思を伝えることができます。
【移乗】
ベッドから車椅子、車いすから便座など、身体を別の場所へ移す動作のことをいいます。
【移乗用介護機器】
自力移乗の支援や介護負担軽減のための補助装置です。スライディングボードや移動用リフト、ロボットスーツ、介助用ベルトなどがあります。
【異常歩行】
障害によって歩き方に異常が見られることです。神経の障害、身体構造上の異常、関節の異常、疼痛などが原因として考えられます。
【異色】
行動障害の1つで、土や紙や木など本来食べ物ではないものを食べてしまうこと。認知症高齢者、精神障害者、妊婦などにみられことがあります。
【いす座洋式】
椅子やベッドの家具を使用する欧米式の生活スタイルです。近年日本では、伝統的な床座様式といす座様式が混在している場合が多くみられます。
【移送サービス】
自力での移動が困難な利用者に、移動手段を提供するサービスです。車椅子や寝台等を乗せるためのリフトを完備した福祉車両を使用します。介護保険の対象外です。
しかし、病気や怪我で移動が困難な患者が医師の指示で一時的あるいは緊急的な必要性から他の医療機関に移送された場合には、移送費用が現金給付として支給されます。
【遺族共済年金】
共済組合の組合員などが死亡した場合、その人によって生計を維持されていた遺族に支給される年金です。2015年(平成27年) 10月より、共済年金は厚生年金に一元化されたため、制度的な差異は厚生年金に合わせて解消されました。
【遺族厚生年金】
厚生年金保険加入者や老齢厚生年金受給者が死亡した場合、その人によって生計を維持されていた遺族が受給できる年金です。
【依存症】
アルコールや薬物、タバコ、ギャンブルなどの刺激物にのめりこみ、止められず日常生活に支障をきたす状態です。また、その依存対象がないと心身を正常に保てなくなる状態の事もいます。
【1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)】
膵臓のβ細胞(インスリンを分泌する細胞)が破壊されることで発症する糖尿病のタイプです。インスリン治療が必要になり、若年者に多く見られます。
※ほとんどの糖尿病のタイプが2型糖尿病です。
【1ケア1手洗い】
感染を防止するために1回の介護ケアごとに手を丁寧に洗う予防対策です。習慣化することが大切です。
【一次医療(プライマリ・ケア)】
医療は一次、二次、三次に分られます。一次医療は風邪や胃腸炎などの日常的な疾病を対象とした地域の診療所や病院が行う医療です。
【一次障害】
病気や怪我、先天的な理由によって最初に生じた機能障害の事です。
【一次判定】
介護保険制度の要介護認定・要支援認定の際に行われるコンピューターによる最初の判定です。あるいは、障害者総合支援法における障害程度区分の最初の判定です。
【一次予防】
病気にならないように予防措置をとることです。食生活の改善や運動による生活習慣病の予防、予防接種による感染症の予防などがあります。
【一部介助】
要介護者が日常の生活動作(ADL)を行うときに、必要な部分だけサポートする介助方法です。利用者の残存能力の活用が健康保つ上で重要です。
【一部負担金】
病気や怪我で医療機関にかかった時や福祉サービスを受けたときに、利用者が支払う自己負担金のことです。
【一過性脳虚血発作(TIA)】
脳動脈の血流が一時的に悪くなり、運動麻痺や感覚障害などが現れることです。多くの場合24時間以内に症状は消えるが、脳梗塞のリスク因子でもあり、早期の受診が推進されます。
【一酸化炭素中毒】
吸い込んだ一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結びつき、運搬される酸素量が減った状態のことです。軽症では頭痛や吐き気、嘔吐などが見られ、重症になると死亡する場合もあります。
【一般病床】
主に急性疾患患者の治療回復を目的とした病床のことです。2001年(平成13年)の医療法改正により、病床は「精神」「感染症」「結核」「療養」「一般」の5区分となりました。
【溢流性尿失禁】
尿意があっても出にくい状態で、膀胱に溜まった尿が少しずつ漏れてしまう状態のことです。前立腺肥大症や神経の異常などが原因で起こります。
【遺伝子】
遺伝形質を決定し、遺伝情報を親から子、細胞から細胞へ伝える因子。本体はDNAである。
【遺伝病】
遺伝子の異常によって起こる病気です。狭義にはメンデル遺伝病、広義には多因子遺伝病、染色体異常症などが含まれます。
【移動(動作)】
日常生活に必要な動作で、歩く、起き上がる、立ち上がる、座るなどの同一平面状における動きを指します。
【移動介助】
自力での移動が困難な人に対して、日常生活で必要な行為に伴う移動を介助することです。歩行、車椅子での移動、ベッドからの移乗なども含みます。
【移動支援事業】
屋外での移動が困難な障害者が、円滑に外出することができるよう支援する福祉サービスです。障害者自立支援制度における地域支援事業の1つです。
【移動支援従事者(ガイドヘルパー)】
視覚障害者、全身性障害者または知的障害者の外出に伴う介助や介護を行う介護従事者です。都道府県指定の機関で研修を受けることが必要です。
【移動用介護機器】
自力移動が困難な人のための福祉用具です。介護保険では車椅子、車いす付属品、体位変換、手すり、スロープなどが貸与対象となっています。
【移動用リフト】
移動用介護機器の1つで、体を釣り上げる懸吊式と座位のまま移動させる台座式があります。介護保険での福祉用具貸与対象であるが、吊り具部分は特定福祉用具として買取になる。
【意図振戦(企図振戦)】
ボタンを押したりものを持ったりなど意図的に動作を行うときに、静止時にはなかった手の震えが見られる状態です。小脳疾患でよく見られます。
【意図的感情表現】
利用者が自分の感情を自由に表現できるように、援助者が配慮し働きかけることです。個別援助の原則の1つです。
【遺尿症】
体の異常がないにもかかわらず、下着や布団、床の上など本来排尿すべきでない場所で尿を漏らしてしまう状態のことです。排尿障害の1つです。
【イネーブラー】
依存症者を援助するつもりでとった行動が適切ではないため、依存状態や問題行動を助長させてしまう人のことをいいます。
【易疲労性】
すぐに疲れてしまうことをいいます。または通常よりも疲れやすい体質を持っている人のことです。
【衣服の着脱】
衣服を来たり脱いだりすることです。自立度の高い要介護者の場合は、介護者は時間がかかってもできるだけ自分で行えるように残存能力を活かした、介助をする必要があります。片麻痺がある場合は「着患脱健」原則です。
【異物収集】
木や石ころなどを集めて、引き出しや冷蔵庫などに収集すること。周囲の人には不可解な場所と感じるところにしまいます。認知症高齢者に見られる行動の1つです。
【イブニングケア】
要介護者が心地よく眠れるように夕方から夜間にかけて行う介護行為のことです。支援内容には、ベッドの準備や洗面、入浴、歯磨き、排泄などがあります。
【意味記憶】
物事の意味などの一般的な知識や常識に関する記憶です。特定の日時や場所とは関係なく、経験を繰り返すことで形成されます。
【医薬部外品】
効能や効果が期待できる成分を含み、からだへの作用が穏やかなもの。育毛剤、制汗剤、薬用歯磨き、薬用化粧品などが該当します。
【医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン】
医療・介護事業者による個人情報の適正な取扱いが厳格に実施されるように、遵守すべき事項と遵守が望ましい事項を具体的に示したガイドラインです。
【医療計画】
医療法に基づき地域の社会環境に対応した医療圏の設定です。病床数、病院や救急体制の整備等について、都道府県が策定する計画です。
【医療行為(医行為)】
医師及び医師の指示を受けた看護師、助産師などの医療従事者以外は、行うことができない治療や処置などのことをいいます。医療行為は特定の資格を持ったものが行える業務独占です。
【医療除外行為】
厚生労働省によって、医師や看護師以外でも行うことができると認められた行為です。体温・血圧・脈拍の測定、湿布の貼付、軟膏の塗布などがあります。
【医療ソーシャルワーカー(MSW)】
主に病院内において、経済的・心理的・社会的問題を抱える患者やその家族に対し、社会福祉の立場から相談に乗る専門職です。
【医療的ケア】
一定の環境と教育のもとに、介護士や介護職員が行うことができる医療行為です。喀痰吸引と経管栄養のことを指します。
【医療費控除】
本人または本人と生計を同じくする家族が支払った年間医療費が一定額を超えた場合に、確定申告をすると受けられる所得控除のことです。
【医療福祉】
保健・医療機関において、最大限の医療効果を得るために、保健・医療制度が採用する社会福祉援助方法や技術を活用することです。
【医療扶助】
生活保護法における扶助の1つです。困窮のため最低限度の生活を維持することないできない生活保護受給者に対して、診察、投薬、入院、看護、移送などの医療給付を行います。
【医療法】
病院・診療所・助産所などの開設、管理の基準、人員、医療法人や医業に関する広告の規制など1948年(昭和23年)に定められた法律です。
【医療法人】
医療法に基づき「病院、医師や歯科医師が常勤する診療所」「介護老人保健施設を開設、所有する法人」のことをいいます。成立には都道府県知事の認可が必要です。
【医療保険】
病気や怪我の治療や治療にかかった医療費の一部、または全額を給付する保険です。政府が運営する公的医療保険や民間の保険会社による医療保険があります。
【医療保険者】
医療保険事業を運営する事業団体です。国民健康保険は市町村又は国保組合。健康保険は健康保険組合など加入している医療保険によって異なります。
【医療保護入院】
本人の同意が得られなくても保護者の同意により、精神障害者を入院させることができます。精神保健福祉法に基づく精神科病院への入院形態の1つです。入院期間には制限はありません。
【イルリガートル】
経管栄養注入時の栄養剤、あるいは点滴、浣腸、膣洗浄、輸血時など用途ごとの液体や血液を体内に入れる医療器具のことです。
【胃ろう】
口から食べることが困難な場合に、胃壁に穴を開けてカテーテルを通すことにより栄養剤や水分を直接、注入する方法です。
【インクルージョン(包括的教育)】
障害児や健常児の区別なく、日常生活を送り、個々の教育ニーズに対応して必要な支援を提供することです。
【インクレチン】
食後に腸管から分泌されるホルモンの総称です。血糖値が高い時にインスリンの分泌を促進するため、糖尿病の治療薬として注目されています。
【インスリン】
膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞から分泌されるホルモンです。血糖値を下げる働きがあり、分泌量が低下すると糖尿病を引き起こします。
【陰性症状】
統合失調症における意欲欠如、感情鈍麻、自発性低下、社会的引きこもりなどの症状です。脳の神経伝達機構がうまく機能しない結果起こります。
【インターグループワーク】
地域社会にある多数のグループ同士がある社会問題に対して協力して取り組み、目標達成のために組織化していくことです。
【インターフェロン】
ウィルスや細菌に感染したときに細胞から分泌されるタンパク質の1種です。病原体の増殖を抑えたり、がん細胞を攻撃したりします。
【インテーク(受理面接・初回面接)】
相談者の状況に応じて、援助者が提供できるサービスを確認し、援助計画を話し合って契約することです。
【インテグレーション】
障害のある人が地域の中で生活できるよう、住民、関連機関、専門職が協力して支援することです。教育分野ではインクルージョン(統合教育)ともいいます。
【咽頭(いんとう)】
鼻腔、口腔の奥にあり、食道、喉頭の上に位置する喉の一部分です。鼻腔と連絡する咽頭部が空気の通り道となります。
【院内感染】
患者や医療従事者が病院内・施設内で細菌やウィルスに感染することです。病原菌にはMRSA、インフルエンザウィルス、結核菌、セラチア菌、レジオネラ菌などがあり、抗生物質の耐性がある菌には特に注意が必要とされます。
【インフォーマルサービス】
制度を前提にしない社会資源のことをいいます。家族、友人、隣人、ボランティアなどの支援が含まれます。インフォーマルサポート、非公的資源ともいわれます。
【インフォーマルセクター】
非公的な組織、団体。家族・親戚や隣人、友人、地域ボランティアなどが該当します。
【インフォームド・コンセント(説明と同意)】
医療の内容について患者が説明を受け、理解した上で同意することです。副作用や症状も含め、わかりやすく伝えられる必要があります。
【インフォームド・チョイス】
医療の内容について患者が説明を受け、理解した上で同意し、自ら治療方法や介護サービスなどを選択することです。
【陰部清拭】
陰部を清潔に保つ事です。可能な部分は本人が清拭するなど残存能力の活用とプライバシーへの配慮も必要です。
【インプラント】
歯が欠損した箇所の顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人口の歯をかぶせる治療方法です。
【インフルエンザ】
インフルエンザウィルスの感染で起こる気道感染症です。風邪と似た症状のほか、高熱や頭痛、関節痛、筋肉痛など全身症状が現れます。
【インフルエンザワクチン】
インフルエンザウィルスの感染予防のためにインフルエンザワクチンを接種し、からだに免疫を作らせます。感染リスクや重症化の抑制が期待できます。
タグ:い,介護,医療,専門用語,専門知識,役立つ,現場,資格取得
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