知ってて得!「さ」から始まる介護現場で役立つ用語集
どうもカイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も引き続き介護・医療現場で役立つ専門用語集のシリーズを投稿していきたいと思います。
このシリーズを始めて2ヶ月以上が経ちました。ただまだまだひらがな55音の最終地点にはたどり着いていない状態です。
今回、投稿する頭文字は「さ」から始まる専門用語について解説していきます。
【座位】
座った姿勢のことです。座位の種類には半座位、長座位、椅座位、端座位などの種類があります。
【再アセスメント】
ケアマネジメントの過程の1つです。提供したサービスのモニタリングを行い、新たに生じた課題に対して「何が問題だったのか?」を再度検討し、計画や目標設定を見直すことです。
【座位移動レベル】
床に座ったまま手と膝を使い、這って平面移動できる状態です。移動能力の分類の1つです。
【災害福祉広域支援ネットワーク】
災害が発生した際に広域的な人材派遣を行うなど要援護者に対する緊急対応を目的とした民間法人などによる広域的な福祉支援のための連携体制です。
【最高血圧(収縮期血圧)】
心臓が収縮して血液を全身に送り出す時に血管にかかる圧力のことです。
【財産管理】
成年後見制度では、認知症などで判断能力が衰えた人の財産を守るため後見人が適切に管理することです。税金や医療費等の支払い、保険金の請求、不動産管理等が行われます。
【財政安定化基金】
介護保険における財政安定化基金とは、市町村の介護保険財政を安定させるために都道府県に設置される基金です。役割としては保険料未納や給付費増大などによる保険財政赤字を回避するために資金の交付や貸付を行います。
【再生医療】
失われたからだの器官や組織を再生し、機能を回復させる医療技術です。皮膚細胞から作られたIPS細胞などの研究が世界的に進められています。
【在宅医療】
通院が困難な患者が自宅で受ける医療です。医師、訪問看護師、理学療法士などが定期的に訪問し、診療や看護、リハビリなどを行います。
【在宅介護】
高齢者や障害者を自宅で介護することです。要介護者は家族による介護や介護サービスの提供受けながら、住み慣れた環境で生活を送ることを目的に行われます。
【在宅介護支援センター】
自宅で生活する要介護高齢者や家族からの相談に応じて必要な助言や援助を行い、保健・福祉サービスが受けられるように調整を行う機関です。
【在宅介護者リフレッシュ事業】
在宅で認知症や寝たきりの高齢者の世話をする介護者を対象とした事業です。心身のリフレッシュ、相談援助などを受ける機会の提供、介護者同士の交流などを目的としています。
【在宅看護】
病気や障害のある人が住み慣れた自宅で療養できるように家族などの看護者が自宅で看護をすることです。
【在宅緩和ケア】
生命に関わる病気を抱える在宅療養患者に対して、肉体的な痛み、または不安や悩みなどを緩和する医療です。QOLの改善を目的としています。
【在宅サービス】
自宅で生活する要介護者を対象としたサービスです。訪問介護、訪問看護、通所介護、短期入所、福祉用具貸与、福祉用具購入などで保険給付が受けられます。
【在宅酸素療法(HOT)】
慢性的な呼吸器疾患があり、継続的な酸素吸入が必要な患者が在宅時や外出時に酸素吸入できる治療方法です。在宅では固定型の酸素濃縮器を使用したり、外出時には携帯型の酸素ボンベなどの機器を使用します。
【在宅自己注射】
患者自身や家族が自宅で患者に注射を打つことです。糖尿病患者が行うインスリン注射のほか、ヒト成長ホルモン製剤や血液凝固因子製剤の注射などがあります。
【在宅自己導尿】
神経因性膀胱や前立腺肥大症などにより排尿に障害のある人が自分でカテーテルを尿道から膀胱に挿入し尿を排泄する方法です。感染症などの危険性があるため清潔行為などの訓練が必要となります。
【在宅人工呼吸療法】
自力呼吸が難しい要介護者に対して、自宅で人工呼吸器を装着して呼吸を補助する治療方法です。気管を切開する「侵襲的な方法」、鼻口にマスクを使用する「非侵襲的な方法」があります。
【在宅成分栄養経管栄養療法】
消化管機能障害や意識障害、重度の嚥下障害などで経口摂取ができない在宅患者に対して、「経鼻」「経腸」「胃ろう」などにより栄養食を注入する療法です。
【在宅ターミナルケア】
在宅療養の末期のがん患者や高齢者が終末期に受ける医療です。ターミナルケアでは、延命を目的とした治療ではなく、肉体的な痛みの緩和や精神的苦痛のケアが行われます。
【在宅療養支援診療所】
在宅療養患者を対象に、24時間往診や訪問看護サービスを提供できる体制などを整えた医療機関です。
【在宅レクリエーション】
家の中でお茶や食事、会話などを楽しむレクレーション活動です。高齢者や障害者は楽しみが制限されていることからこうした屋内での活動も大切になります。
【最低血圧(拡張期血圧)】
心臓が拡張して血液が全身から心臓に戻るとき血液にかかる圧力のことです。
【採尿器】
術後や寝たきりで動くことができない人の排尿時に使用される尿器です。男性用は口が円筒方、女性用は朝顔形をしています。
【再燃】
病気を再び盛り返すことです。医療分野では治療中に進行が止まったり良くなっているように見えたりした症状が急変し悪化することです。
【再発】
同じ事態がまた発生することです。医療分野では一旦、完治した病気が再び発症することをいいます。
【座位バランス】
座った状態のバランスを保持する能力です。平衡機能や筋力が低下するとバランスを保つことが難しくなります。
【細胞診】
病変部の細胞を採取し、顕微鏡で観察して病気の診断を行う検査です。がん検査によく用いられます。
【座位保持】
寝た状態から起き上がり座ったままの状態を保つことです。寝たきりの生活を防ぐには、ベッドから離床し車いすや椅子に座ってもらうなどし座位保持を心がけることが廃用症候群を防ぎます。
【座位保持装置】
障害のため座位を取れない人が安定した正しい座位が保てるように体幹を支える装置です。肘掛けの高さや座面を調整できるものもあります。
【催眠療法】
心理療法の1つです。患者を催眠状態にし潜在意識に働きかけ、普段は気づかない悩みやストレスなどの原因を探り、精神的な不調を改善する療法です。
【サイン言語】
コミュニケーション方法の1つです。言葉を使わず手や指の動きで相手に情報を伝えます。
【サーカディアンリズム】
人間の生体リズムです。約24時間周期の体内時計により睡眠や覚醒時などに応じて対応や血圧などが変動します。
【作業用義手】
特定の作業を行うために特殊な形状に設計された義手です。先端の手先具を曲こう型や物押さえ型に交換できるものもあります。
【作業療法】
リハビリテーションの1つで精神的・肉体的な障害のある人に対して、日常生活動作、仕事、手芸、レクリエーションなどの作業を通しで、心身の機能の改善や社会適応能力の回復を図る療法です。現場では作業療法士(OT)が支援をおこないます。
【作業療法士】
作業を通じて障害者の身体的・精神的機能回復の訓練を行う国家資格を取得した専門職です。
【錯語】
失語症の症状の1つで言おうとした言葉とは別の言葉が出てしまうことです。音の1部が違ったり、全く意味の異なったりする単語などの表出が見られます。
【サクセスフルエイジング】
人生を終えることを受け入れ社会生活に適応していくことです。主観的に幸福を感じ、豊かな老年期を迎えることを指します。
【作話】
実際には経験していないのに本当に経験したかのように話すことです。認知症の高齢者などではよく見られる症状であり本人は非現実だという自覚はありません。
【鎖骨】
肩甲骨と胸骨をつなぐ左右一対の骨です。人間のからだを上から見るとS字状に曲がっている骨です。
【坐骨】
骨盤を形成する寛骨の一部で左右一対からなる骨です。座った時に最下部になり体幹を支える機能があります。
【坐骨神経痛】
坐骨神経への圧迫によって臀部から大腿にかけて鋭い痛みやしびれなどの症状が起こる状態をいいます。
【差し込み便器】
自力で移動するのが困難な患者がベッド上で使用する便器です。仰向けのまま臀部の下に差し込んで使用します。小型でプラスチック製の軽いものやステンレス製で大型のものなどがあります。
【嗄声(させい)】
声がかれる、かすれるなど声の音質に異常がある状態です。風邪、喉頭炎、咽頭炎、ストレス、手術などによる声帯や声帯筋肉の障害で起こります。
【座席昇降機】
座席を上下させる装置です。座席を上げて立ち上がりをサポートしたり、床からいすに座った状態にしたりするために使われます。
【座席昇降式車いす】
座席が上下する車いすです。電動と手動があり車いすへの乗り降りがしやすいように座面が床まで下がります。利用者自身が座った状態のまま操作することが可能です。
【サテライト型施設】
地域密着型介護老人福祉施設や介護老人保健施設などで本体、施設とは別の場所に設置する29人以下の小規模施設のことをいいます。
【サテライト型小規模介護老人保健施設】
本体、事業所以外に設置した地域密着型小規模介護老人保健施設です。機能訓練室や浴室などの設備や医師、看護師、介護職員等の職員は本体、事業所と共有することが可能です。
【サテライト型特定施設】
介護事業所施設区分の1つです。本体、事業所以外に設置した地域密着型小規模施設、サテライト型小規模多機能型居宅介護事業所、サテライト型有料老人ホーム、サテライト型軽費老人ホーム、サテライト型介護福祉施設などがあります。
【サテライト型特養】
住み慣れた地域で生活することができる地域密着型介護老人福祉施設です。本体である大規模施設の一部を別の場所に移し、運営されています。
【サテライトケア】
市区町村と介護保険施設が連携し本体、施設とは別の地域に小規模な施設を設け多機能なサービスが提供されます。
【サテライト方式】
特別養護老人ホームなどの運営法人が本体、施設とは別のところで通所型の介護施設やリハビリテーション施設を設ける方式です。小規模で地域密着型のケアを提供することが可能です。
【サービス管理責任者】
指定の事業所や障害支援施設で障害福祉サービスの管理を担当するものです。利用者の個別支援計画の策定、サービス提供プロセスの管理、職員への指導などを行います。
【サービス付き高齢者向け住宅】
福祉サービスの提供、バリアフリー環境、安否確認などが整った高齢者向け賃貸住宅です。2011年(平成23年)の高齢者住まい法改正により創設されました。都道府県知事への登録が必要です。
【サービス提供事業者】
介護保険制度や障害者支援制度により要介護者にサービスを提供する事業者のことをいいます。指定番号取得するには都道府県知事あるいは市区町村長の指定が必要です
【サービス提供責任者】
訪問介護サービスの責任者のことです。訪問介護員や介護支援員の統括、利用者とサービスの契約や計画の話し合いなどを行います。
【サービス等利用計画】
障害者が適切な障害福祉サービスを十分に利用できるように相談支援事業者が作成する総合的な計画です。サービス事業者やサービス内容、利用者が目指すべき目的などが示されています。
【サービス利用支援】
障害者の心身の状況や環境などを考え合わせ、サービス利用申請時「サービス等利用計画案」を作成し、支給決定後に指定障害福祉サービス事業者との連絡調整と「サービス等利用計画」の作成を行うことです。
【サービス利用票】
要介護者が利用する1ヵ月分のサービス内容や時間、実績などを記入する記録表です。居宅介護支援事業者から利用者に交付されます。
【サプリメント】
ビタミンやミネラル、タンパク質、食物繊維などの成分を含む錠剤やカプセルからになっている栄養補給食品です。
【サポートバー】
調理やトイレ、入浴などの日常的な生活動作をする際に寄りかかったり、掴まったりすることのできる手すりのことです。
【サマリー(看護要約)】
患者の退院・転院時などに介護をスムーズに続けられるように自宅や病院先に提出される書類です。病歴、投薬内容、看護上の問題点などが記載されています。
【士商法(さむらいしょうほう)】
資格取得のためと勧誘し、高額な通信講座費用や教材費用を支払わせる悪徳商法です。「士」の漢字が付く資格を対象にしたものが多いことからこう呼ばれます
【坐薬】
肛門や膣などに挿入する固形の薬剤です。体温や分泌液で徐々に溶け、解熱鎮痛剤や鎮静剤、痔の治療で使われる消炎剤などがあります。
【サルモネラ菌】
食中毒の原因の1つで肉類や卵で多く確認されます。中核症状としては、高熱、下痢、腹痛、嘔吐などが見られます。
【散剤】
粉末状の薬剤のことをいいます。錠剤やカプセル剤に比べて吸収が良く投与量も調整できるのがメリットです。
【三叉神経痛】
顔面の感覚を脳に伝える三叉神経に痛みが生じ、顔に急激に激痛が走ることです。食事、洗面、風に当たる、顔に触れるなどの軽い接触でも痛みが生じます。
【3-3-9方式】
日本で用いられている意識レベルの振り方法です。覚醒の程度により意識レベルを大きく3段階に分け、さらにその3段階を分類して合計9段階で示したものです。
以下の9段階に分けることができます。
《Gread Ⅰ(刺激をしなくても覚醒している)》
①意識晴明に見えるがぼんやりしているようで意識晴明とも言い切れない
②見当識障害がある
③自分の名前や血液型などが言えない
《Gread Ⅱ(刺激により覚醒する)》
①呼びかけに応じて簡単に開眼する
②大声で呼びかけたりからだを揺すったりすると開眼する
③痛み・刺激を加えながら呼びかけ続けたりすることでかろうじて開眼する
《Gread Ⅲ(刺激をしても覚醒しない)》
①痛みのある刺激に対して払いのけようとする
②痛みのある刺激で顔をしかめたり、手足を少し動かしたりする
③痛みのある刺激に全く反応しない
【三次医療】
脳卒中、心筋梗塞、交通事故など緊急入院治療が必要なケースに対応する特殊な専門医療や高度先進医療のことをいいます。がん診療連携拠点病院や救命救急センター、特定機能病院などがその役割を担います。
【傘寿(さんじゅ)】
数え年で80歳(満79歳)のことです。またはそのお祝いのことを指す場合もあります。
【三次予防】
既に現れている病気の予防策です。悪化や再発、合併症を防止しリハビリテーションで機能回復・維持を図り、社会復帰を促す予防医学の分類の1つです。
【酸素供給機】
在宅酸素療法時の酸素供給に使用される機器です。酸素濃縮器、液化酸素装置、酸素用高圧ガスボンベがあります。
【酸素濃縮器】
酸素供給機の1種で空気中の酸素高濃度に圧縮する機器です。在宅酸素療法で使用されます。酸素の量は医師の指示のもとに設定する必要があります。
【酸素用高圧ガスボンベ】
酸素供給機の1種で酸素を詰めた携帯用ボンベです。在宅酸素療法を受けている患者が外出時に使用します。
【酸素療法】
体内に酸素を十分に取り込めない呼吸器・循環器疾患などの患者に対して継続して酸素吸入を行う療法です。
【残存機能】
病気や加齢などにより障害を負った人に残されている機能のことです。この能力を出来る限り生かして介護を行うことが日常生活の自立支援に結びつくと考えられています。
【残存能力】
障害のある人が残された機能を使って発揮できる能力のことです。自助具を活用したりできることを増やしていきます。援助をする際には残存能力を損ないないように配慮する必要があります。
【3大栄養素】
人間が生きる上で欠かせない栄養素のうち最も重要とされている「炭水化物(糖質)」「たんぱく質」「脂質」のことをいいます。
【3大介護】
身体介護サービスの家食事、入浴、排泄に対する介助のことをいいます。
【3大生活習慣病】
悪性新生物、脳血管疾患、心疾患の3つが生活習慣病による3大疾病です。これらの病気は日本人の死因の約6割を占めています。
【算定基準】
厚生労働省が設定した介護保険の保険給付を算定するための基準です。サービスの内容や種類、利用時間、要介護度などを単位という基準で表し、その単位数と単価(地域による等級)をかけて金額に換算します。
【3動作歩行】
杖を使い3動作で歩行する方法です。手順としては、①杖を健側で持ち杖を前に出す。②患側の足を前に出す。③健側の足を前に出します。
【残尿】
尿意を感じ排尿した後も膀胱に尿が残っている状態です。膀胱炎、脊髄損傷、前立腺肥大などで見られる症状であり、感染症や結石の原因にもなることがあります。
【3輪歩行車】
歩行補助が必要な場合に用いる歩行者の1種です。前1輪、後2輪のものでハンドル部分のブレーキで速度を調整することができます。前輪がキャスターになっているため方向を変えるのに便利だが安定性に欠けるといったデメリットもあります。
タグ:リハビリ,介護,介護職,制度,医療,地方自治体,市区町村,法律,病気,福祉,福祉用具,資格,障害
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