知ってて得!「ち」から始まる介護現場で役立つ用語集
どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回もお馴染みの特定の頭文字から始まる医療と福祉に関する専門用語について投稿していきたいと思います。この企画も遂に半分程度を超えたのではないかと終わりが見えて、少しほっとしている自分がいます。完全制覇まであともう少しなので気合を入れて頑張ってきたいと思います。
【チアノーゼ】
血中酸素濃度の低下によって、皮膚や粘膜が暗い紫色になることです。唇や爪、耳介などに変色が現れ、心臓や呼吸器障害や血管疾患が原因となります。
【地域援助活動】
社会福祉分野における固有の援助活動の1つです。専門的知識や技術を持つコミュニティーワーカーが地域社会の問題を住民が自ら解決できるように地域組織化活動などを通じて援助することです。
【地域援助技術】
間接援助技術の1つです。地域の福祉資源やニーズを把握し、住民活動を支援することです。福祉政策の立案や運営管理を通じて、地域福祉の基盤構築などを行います。
【地域介護予防活動支援事業】
地域支援事業の介護予防事業の1つです。地域において介護予防のために活動するボランティアや地域活動組織の育成や支援などを行います。
【地域活動支援センター】
障害者自立支援制度の地域生活支援事業の1つです。創作的活動や生産活動の機会を提供することで社会との交流を促し、自立した生活を支援する通所施設です。
【地域区分】
地域間の人件費の差などを考慮し、介護報酬や障害福祉サービス報酬などを調整するために設けられた区分です。地域区分によって報酬単価が異なります
【地域ケア会議】
地域包括支援センターや市区町村が主催し、保健・医療・福祉職員などから構成される会議です。他職種が共同して、高齢者の個別問題や地域ごとの課題を解決することを目的としています。
【地域支援事業】
介護保険制度に基づき地域の高齢者が要介護状態にならないように予防し、可能な限り自立した生活を送れるように市町村が実施主体となり支援する事業です。
【地域生活支援事業】
障害者自立支援法に基づき、障害のある人が自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう支援する事業です。実施主体は市区町村や都道府県です。
【地域福祉】
地域社会において住民や社会福祉関係者が協力しあい、福祉に関する問題の解決に取り組みその発生を予防することです。
【地域福祉活動計画】
地域福祉を推進するために社会福祉協議会が策定する具体的な活動計画です。地域住民、福祉、保健関係者、事業者が協力し主体的に計画に関わります。
【地域福祉計画】
地域福祉法に基づき地域住民が支え合いながら自立した生活を送れるように地域福祉を総合的に推進するための計画です。市町村地域福祉計画と都道府県地域福祉計画があります。
【地域包括医療】
地域の住民に対し医療だけではなく、保健・福祉を含む一体的なサービスを提供することです。住み慣れた場所で安全に安心して生活できることを目的としています。
【地域包括ケア】
地域住民が住み慣れた場所で安心して、日常生活を送るのに必要な包括的かつ持続的な支援のことです。
【地域包括ケアシステム】
高齢者が住み慣れた自宅や地域で人生の最後まで自分らしい暮らしを続けられるように医療、介護、介護予防、日常生活、住まいへの支援を一体的に提供するシステムです。自助・互助・共助・公助が構成要素となっています。
【地域包括支援センター】
地域住民の保健医療の向上や福祉の増進の包括的支援を目的とした市区町村が設置する機関です。高齢者の総合相談や権利擁護、介護予防マネジメントなどが行われます。
【地域密着型介護サービス費】
利用者が指定地域密着型サービス事業者から指定地域密着サービスを受けた際の費用について市区町村から支給される介護給付費のことです。対象となるものは要介護認定被保険者であることが条件です。
【地域密着型介護予防サービス】
要支援者を対象とした地域密着型サービスで介護予防小規模多機能型居宅介護、介護予防認知症対応型通所介護、介護予防認知症対応型共同生活介護があります。
【地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護】
介護保険制度の地域密着型サービスの1つであり、定員が29人以下の特別養護老人ホームで、要介護入所者に対して入浴や食事などの介護や日常生活の療養所の世話、機能訓練などが提供されます。
【地域密着型サービス】
要介護者が住み慣れた地域で安心して生活が継続できるように市区町村指定の事業者が提供する介護保険サービスです。
サービス種別は以下の通りになります。
《夜間対応型訪問介護》
定期巡回の訪問介護を夜間に受けたり、体調不良時等の際には連絡して訪問介護員が訪問します。
《認知症対応型通所介護》
認知症高齢者グループホームの共用スペースなどを利用し、認知症高齢者が通所介護を受けれます。
《小規模多機能型居宅介護》
主に通所を中心に行い、随時、訪問介護を受けたり、宿泊での介護を受けることができる多機能なサービスです。
《認知症対応型共同生活介護》
認知症のある要介護者がアットホームなグループホームに入所し、介護を受けながら共同生活をします。
《地域密着型特定施設入居者生活介護》
地域密着型特定施設(入居定員が29人以下の有料老人ホームやケアハウスなど)の入居者が、日常生活上の支援や機能訓練などを受けることができます。
《地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護》
地域密着型介護老人福祉施設(入所定員が29人以下の特別養護老人ホーム)に入所して日常生活上の支援や機能訓練などを受けることができます。
《定期巡回・随時対応型訪問介護看護》
訪問介護と訪問看護の連携により、定期巡回や通報に応じて訪問し、介護や療養所の世話などを提供します。
《複合型サービス》
小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせて提供するサービスです。
【地域リハビリテーション】
高齢者や障害者が住み慣れた地域で安全に生活が送れるように医療、保健、福祉、生活に関わるあらゆる組織や人々が協力し、包括的にリハビリテーションを提供する活動です。
【地域連携パス】
病気の急性期・回復期・維持期に関わる地域の医療、保健、福祉機関が役割分担や診療計画などの共有を行うことにより、一連のサービスを提供する仕組みです。
【チェーンストークス呼吸】
「浅い呼吸」「深い呼吸」「無呼吸」を繰り返す状態です。脳出血、心疾患、重度の腎疾患、麻酔薬中毒などの症状で見られ、重篤な状態の兆候と判断されます。
【逐語記憶】
カウンセリング時のやりとりを録音し、一語一句を正確に文字に起こすことです。言葉以外の沈黙などの非言語的な表現も記述します。
【治験(治療試験)】
開発中の新薬の安全性や有効性を確認するために医療機関で行われる臨床試験です。
【チック症】
自分の意思とは関係なく瞬き、首振り、顔の痙攣、奇声などが起こる不規則な症状です。
【窒息】
気動が閉塞して空気が肺に届かなくなり、血中酸素濃度低下と二酸化炭素濃度上昇によって身体機能が停止状態になることです。
【知的障害】
先天的、出産時、または出生初期に脳髄に障害を受けて知的能力の発達が遅れている状態です。社会生活や学習に困難をきたし、援助が必要になります。
【知的障害者】
概ね18歳までに知的機能に障害が現れ、何らかの特別な援助を必要とする人です。知能指数(IQ)が70以下の人を指します。
【知的障害者の権利宣言】
知的障害者が一般人と同等の権利、適切な医療や教育、リハビリテーションなどを受ける権利、経済的保障と就労の権利などを有することが宣言されました。1971年(昭和46年)の国連総会で採択されました。
【知的障害者福祉法】
知的障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため、援助や保護を行い知的障害者福祉を図ることを目的とした1960年(昭和35年)に施行された法律です。
【知能検査】
個人の知能の程度を科学的、客観的に測定する検査方法です。日本では「田中・ビネー式」「鈴木・ビネー式」などの個別的知能検査や「改訂田中B式」「学研式学年別」などの集団式知能検査などがあります。
【知能指数】
知能程度を示す技術の1つです。精神年齢を実年齢で割り、それに100をかけて算出されます。日本人は一般的に80から120度され95%の人口がそれにあたります。
【遅発性統合失調症】
40代以降に発症することが多い統合失調症です。主な症状は被害妄想で女性に多く見られる疾患です。
【チームアプローチ】
医療、保健、福祉など各分野の専門職がより質の高いサービスを目指してチームを組み、利用者への援助活動を行うことです。
【チーム医療】
医療、看護師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、栄養士など複数の医療専門職が専門性を活かしながら連携し、総合的な医療を提供することです。
【チームケア】
医療、保健、福祉の専門職がチームを編成して専門知識や経験を活用して、あらゆる角度からケアを提供することです。
【着衣失行】
四肢の麻痺、失調、不随意運動、機能障害がないにもかかわらず、衣服の表裏や前後がわからなくなり適切な衣服の着脱ができなくなる高次機能障害の症状の1つです。
【着患脱健】
片麻痺がある人の衣服を安全に着脱できるよう介助する際の原則です。患側(麻痺がある側)から着てもらい、健側(麻痺がない側)から脱いでもらう方法です。ちなみに介護現場で使われる造語です。
【注意欠陥多動性障害(ADHD)】
発達障害の1つで「集中できない」「落ち着きがない」「我慢できない」といった症状を特徴とします。
【注意分割】
複数のことを同時に行うときにそれぞれに注意を向けながら作業する機能です。認知症になる前の段階で低下が見られることが多い。
【中核症状】
認知症の中心的な症状のことです。「記憶障害」「見当識障害」「理解と判断力の低下」「実行機能の低下」などがみられます。
【中間施設】
病院を退院後、直接在宅ケアへの移行が不安な方が対象に過度的に受け入れられる家庭や社会に適応するための医療と福祉を合わせたサービスを提供する施設です。
【中耳】
耳の一部で鼓膜の内側のことで音を伝える役割を持ちます。中耳が障害されるとでも伝音性難聴になります。
【中途覚醒】
夜間睡眠中に何度も目が覚めてしまう症状です。不眠症の症状の一種で高齢者やうつ病、睡眠時無呼吸症候群患者などよくみられる症状です。
【中心暗転】
視野の中心部が見づらくなる視野障害です。視神経や網膜など疾患が疑われます。
【中心静脈栄養法】
経口摂取や経管栄養療法などができない場合に行われますカテーテルを大静脈(主に胸部の上大静脈)に挿入して高カロリー輸液を行う栄養方法です。高カロリー輸液法やIVHともいわれます。
【中枢神経】
脳と脊髄を合わせた神経組織です。末梢神経(感覚神経)からの情報を読み取り判断した情報を末梢神経(運動神経)に指令を送る役割を担います。
【中性脂肪】
脂質の1つで増えすぎると動脈硬化や脳梗塞、脂肪肝などの原因となります。トリグリセリドともいわれ生命活動のエネルギー源ともなります。
【中途障害者】
事故や難病の発症などにより人生の途中で障害を負った人です。生まれつきの障害が持つ場合は先天性障害者といいます。
【昼盲】
暗い所よりむしろ明るいところでものが見えづらくなる状態のことです。白内障や角膜混濁、全色盲などみられサングラスや遮光眼鏡をかけたり対策をする必要があります。
【昼夜逆転】
昼間は寝ていて夜に活動する生活習慣のことで、認知症の症状として現れる場合があります。
【腸炎ビブリオ】
食中毒を起こす細菌の一種で主に海水中に棲息しており、汚染された生の魚介類を食べることで感染します。症状としては下痢、腹痛、吐き気、嘔吐、発熱などを起こし潜伏期間は10〜18時間とされています。
【聴覚・言語機能障害】
聴覚と言語機能の障害を総称しています。コミュニケーションや情報入手が困難になるといった特徴があり、症状に合わせたコミニケーション方法が重要となります。
【聴覚失認】
聴覚に機能的な異常はなく音は聞こえているが、それが何の音なのか理解できない状態です。高次機能の障害の1つで側頭葉の損傷により生じる場合が多くなります。
【聴覚障害】
聴覚器あるいは聴神経の障害により、聞き取りが困難な状態です。一般的に難聴といわれ「伝音性難聴」「感音性難聴」「混合性難聴」があります。
【聴覚障害者用電話】
聴覚障害者が聞こえやすいように工夫した電話です。電話に取り付けるタイプもあります。受話音量増幅機能付きや補聴器対応電話などがあり、携帯電話対応型も販売されています。
【長期記憶】
長期的に保たれる記憶で短期記憶が繰り返し定着した記憶のことで年単位で保たれる記憶のことです。長期記憶の内訳として「エピソード記憶」「手続き記憶を」「意味記憶」があります。
【長期目標】
ケアプランにおいて利用者が将来的に達成したいと思う目標です。
【超高齢社会】
総人口に占める65歳以上の人口が21%を超えた社会をいいます。
【腸骨】
骨盤を構成する骨の1つです。骨盤は「腸骨」「座骨」「恥骨」を合わせた寛骨と尾骨から構成され、腸骨が最も大きく、腸や泌尿器、子宮などを支える役割があります。
【長座位】
上半身を起こして、両足を前に伸ばして、床やベッドに座った姿勢のことです。
【調整交付金】
介護保険の財源の1つで、市町村間の財政力の格差を調整するために国が全国ベースで給付費の5%を交付するのです。
【聴導犬】
盲導犬、介助犬と同様に身体障害者補助犬法で規定する補助鍵の1つです。聴覚障害者に電話の呼び出し音や玄関のブザー等を知らせる特別な訓練を受けた補助犬です。
【聴能訓練】
聴覚障害者に残っている聴力を最大限に生かせるように医師の指示下で聴能訓練士が機能訓練や補聴器を使った指導などのリハテーションを行うことです。
【聴能訓練士】
医師の指示のもと聴覚障害者に対して「聴力検査」「補聴器の選択と指導」「リハビリテーション」を行う専門職のことです。言語聴覚士という国家資格の養成課程で実施されています。
【重複障害】
障害が1つだけではなく複数を併せ持つ状態です。1つの障害だけではなく、複数の障害の関連も考えて援助する必要があります。例えば視覚障害と知的障害がある場合、どちらの障害によって情報のやり取りが円滑にできないのかなどを考えていく必要があります。
【腸閉塞(イレウス)】
腸管がねじれるなどして腸の内容物が通過障害を起こした状態です。激しい腹痛、腹部膨満、嘔吐などの症状が現れ、腸管壊死を起こして死に至る場合もあります。
【聴力】
外界の音を聞き取る能力のことです。加齢とともに低下し高音域から聞こえにくくなります。
【腸ろう】
経管栄養法の1つで嚥下障害などが原因で食事を口から摂取することが難しい場合に、栄養剤を注入するため腸に開けた穴のことをいいます。
【チョークサイン】
時速を起こし呼吸ができなくなったことを周囲の人に知らせる世界共通のサインです。サインの方法は喉のあたりや胸に手を当てて周りの人に知らせます。異物による気道閉塞が疑われる場合には、咳をさせるか、咳ができないときは背部叩打法やハイムリックを行う必要があります。
【直接援助技術】
サービスや援助を必要としている人に援助者が直接に関わっていく技術のことです。個別援助技術(ケースワーク)、集団援助技術(グループワーク)の2つがあり、社会福祉援助技術の区分の1つとされています。
【直腸機能障害】
直腸の便を排出する機能が働かなくなる障害です。直腸がんや脊髄損傷、パーキンソン病、肛門の形成異常などが原因となります。
【直腸検温法】
肛門から専用の体温計を差し込み体温を測る方法です。深部体温に最も近く正確な体腔温度を測ることができます。腋窩検温をより通常1℃高いとされています。
【直角接近法】
ベッドから車椅子に移乗する方法の1つです。車椅子をベッドに直角につけて、車椅子に背を向けて座った利用者が腰を後方にずらして移乗します。上肢の筋力が弱い場合に有効です。
【治療食】
病気の予防治療を目的とする食事で主に入院中に医師の食事箋に基づいて提供されるものです。「一般治療食」と「特別治療食」があります。
【チルティング型車椅子】
座面と背もたれの角度が変えられる車椅子です。利用者が座った状態で後方へからだを倒す事ができます。座位保持が難しい人でも安定して座ることができる車椅子です。
【沈下性肺炎】
寝たきりの人に見られる肺炎で仰向けの状態で長期感臥床していると血液がうっ血し、痰がでにくくなり、細菌が繁殖しやすくなることにより発症するリスクが高くなります。
【陳述記憶】
脳内で覚え、覚えた内容を言葉や図形や絵などに表すなど意識的に表現できる記憶です。
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