社会保障について大阪の介護の学校で活躍する講師が解説!介福対策
社会保障とは公的な支援を通じて、市民の生活や社会の安定を維持する目的で作られた制度です。社会保障の対象になるのは貧困・疾病・失業・育児・介護などにより生活上の問題を抱えた人たちです。社会保障は自分自身の力で問題を解決することが難しくなった人たちを、社会全体で支えていくセーフティーネットとしての役割を果たします。また、介護福祉士国家試験の対策としてはナショナル・ミニマムの概念や社会保障の範囲について覚えておく必要があります。
社会保障の機能
社会保障の第一目的は、所得の格差や拡大を防ぐための所得保障です。その基盤となる考え方となるのが「ナショナル・ミニマム」です。それではナショナルミニマムについて解説していきます。
ナショナル・ミニマム
ナショナルミニマムとは20世紀の初め頃にイギリスのウェッブ夫妻よって提唱されました。社会保障制度はイギリスで初めて誕生しまた制度になります。
夫のシドニー・ウッェブが20世紀初頭に「ナショナル・ミニアム」を提唱しました。そして、このナショナル・ミニマムを妻のビアトリス・ウェッブがその保障の受けれるその対象の範囲を拡大し、社会保障を主張しました。ナショナル・ミニマムの考え方は国家が国民に「最低限度の生活水準」を保障するといったものです。
このナショナル・ミニマムに通じる憲法の規定が日本にも存在します。それは「日本国憲法第25条生存権」です。この生存権ではすべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を持つこととされており、国の責務が規定されています。
社会保障は国民のリスクを軽減する
日本は国民の最低限度の生活を保障するために、所得の再配分を行っています。これは、国民から税金を徴収し、高所得者から低所得者への所得の移動を行うことにより、貧困の拡大を防ぎ、所得格差の出来る限り少なくするといった制度です。
社会保障の機能としては「セーフティネット」「所得再配分」、その他にも疾病や失業等の影響を軽減するための「リスク分散」、年金の給付などの「社会の安定」が目的とされています。
社会保障の範囲
社会保障の制度は被保険者の保険料を主要な財源として、受給権を保障し、一定基準の給付を行う制度です。次の4つの制度があります。
社会保険
被保険者の保険料を主要な財源として、受給権を保障し、一定基準の給付を行う制度です。「年金保険」「医療保険」「雇用保険」「労働者災害補償保険」「介護保険」の制度があります。
公的扶助
生活に困窮する国民に対して、最低限度の生活の保障と、自立の助長を目的とする制度です。「生活保護制度」の制度があります。
社会福祉
障害や疾病によって生活上支援が必要な人が利用する制度です。「児童福祉」「障害福祉」「老人福祉」「社会手当」の制度があります。
公衆衛生
国民が健康的な生活を送ることができるよう健康の維持増進を図ることを目的とした制度です。「予防接種」「健康診断」などがあります
ここで問題!
【問題】
日本の社会保障には介護、子育てなどの家庭機能を支援する役割がある。
【答え】
答えは「○」です。社会保険や社会福祉が介護や子育ての支援の対象となります。
« 前のページに戻る