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大阪介護の資格学校の講師が解説「介護保険の財源と利用者負担」

介護福祉士の試験範囲でもある介護保険の保険者と被保険者、そして、介護保険を運営するための財源と利用者負担について解説していきたいと思います。ここでは保険者の概要と被保険者の種類と要件、また資格の取得と喪失について押さえておく必要があります。また財源に関しては公費と保険料の比率なども併せて覚えておくが重要です。

介護保険の保険者と被保険者

介護保険の保険者

介護保険の保険者は、その地域に住んでいる最も身近な自治体である「市町村(特別区東京23区を含む)」になります。その市町村に住んでいる被保険者の数が少ない地域では、市町村の枠を超えて広域連合や一部事務組合が保険者となることも認められています。

介護保険の被保険者

介護保険の被保険者は「第1号被保険者」「第2期被保険者」2種類に分かれます。定められた要件を満たす人は必ず被保険者にならなければいけません。また、日本国籍を持たないが長期にわたり日本に居住する在日外国人(特別永住者)や3ヶ月を超えて日本に在住する外国人も被保険者となります。逆に日本国籍を持っていても、外国に長期滞在していて日本に住民票がない場合には、被保険者となりません。

また、被保険者になっても介護保険サービスを利用することはできません。介護保険サービスを利用するには、市役所での窓口申請が必要です。その手順に関して、違うページで詳しく解説していますので下記のページを参考にしてください。

【介護保険のサービス利用の申請とは?】

介護保険の保険者の要件

【第1号被保険者】

対象者:市町村の区域内に住所を有する65歳以上のもの

受給権者:要介護状態や要支援状態にあるもの

変更の届出:被保険者もしくは世帯主が行います

【第2号被保険者】

対象者:市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者

受給権者:要介護状態や要支援状態にありその原因である障害が定疾病によるもの

変更の届出:原則として届出は不要

ここで問題!

【問題】

介護保険制度の第2号被保険者は、20歳以上65歳未満の医療保険加入者である。

【答え】

介護保険の第2期被保険者の資格要件は、40歳と65歳未満の医療保険加入者です

介護保険における特定疾病とは?

①末期がん②関節リウマチ③筋萎縮性側索硬化症④後縦靭帯骨化性⑤骨折を伴う骨粗しょう症⑥初老期における認知症⑦進行性核上性麻痺⑧脊髄小脳変性症⑨脊柱間狭窄症⑩早老症⑪多系統萎縮症⑫糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症⑬脳血管疾患⑭閉塞性動脈硬化症⑮慢性閉塞性肺疾患⑯両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

住所地特例

介護保険制度では、施設入所などにより特定の市町村に被保険者が集中することにより、保険者(市町村)の介護保険に関わる費用の負担が重くならないように入所前の市町村が引き続き保険者となる「住所地特例」という制度があります。

被保険者の資格取得と資格喪失

介護保険の被保険者資格に申請や手続きは不要で、自動的に資格を取得することができる「発生主義」があります。介護保険サービスを利用する場合には新たに申請は必要です。その介護保険利用申請については、違うページで詳しく解説していますので下記のページを参考にしてください。

【介護保険利用申請の解説】

介護保険の被保険者資格を取得、喪失する時期は次のようになります。

被保険者資格の取得と喪失

【資格の取得】

・第1号被保険者は65歳の誕生日の前日

・第2号被保険者は40歳の誕生日の前日

・40歳以上65歳未満の医療保険に未加入者が、医療保険に加入した時やその対象の年齢のものが市町村に移転してきたとき

・住民である40歳以上65歳未満の医療保険加入者、65歳以上のものが適用除外施設を退所した時

【資格の喪失】

・死亡した場合は、死亡日の翌日に喪失

・市町村から引っ越した場合は、翌日に喪失

・適用除外施設に入所した場合は、翌日に喪失

・第2号被保険者が医療保険加入者でなくなった場合、当日に喪失

介護保険の財源と利用者負担

介護保険の財源は星と保険料から構成されており、それぞれ50%ずつ負担します。

【医療保険加入者が支払う保険料の内訳】

・第1号被保険者: 23%

・第2号被保険者:27%

また、第1号被保険者と第2号被保険者の負担割合は、3年ごとに見直しされます。

【公費の内訳】

・国: 25% (調整交付金5%含む)

・都道府県: 12.5%

・市町村: 12.5%

ただし、施設等給付(介護保険施設、特定施設に関する給付費)については、国20%、都道府県17.5%、市町村12.5%の内訳になります。

介護給付費で使われる公費とは

国の負担は、定率の国庫負担金調整交付金で構成されています。定率部分はすべての市町村(保険者)に一律に交付されますが、調整交付金は各市町村の「後期高齢者の割合」「第1号被保険者所得格差」「災害時の保険料減免」などの特殊事情を考慮して市町村ごとに調整されて交付がされます

それとは違い都道府県と市町村の負担は定率です。また、保険者である市町村は、介護保険料に関する事務に要する費用を全額負担します。

介護給付で使われる保険料とは

保険料は、第1号被保険者と第2号被保険者の保険料から構成されています。この保険料の負担割合は、一人当たりの平均保険料が同じ水準となるように被保険者の人口比率で決められ、3年ごとに見直しがされます。

保険料の撤収方法

保険料の撤収方法は、第1号被保険者と第2号被保険者で異なります。

【第1号被保険者】

保険料の撤収者:市町村

撤収方法:年金が年額18万円以上の場合は特別撤収(年金から天引き)。それ以外の場合は普通撤収

【第2号被保険者】

保険料の撤収者:医療保険の保険者健康保険組合や全国健康保険協会など

撤収方法:医療保険と同時に撤収

介護保険利用時の利用者負担

介護保険によって給付される費用は、原則として全額の9割です。という事は基本、1割負担になります。ただし2014年(平成26年)の介護保険法改正により、2015年(平成27年)8月らは一定以上の所得がある第1号被保険者は「2割負担」、2017年(平成29年)の介護保険法改正により、2018年(平成30年) 8月からはさらに所得の高い利用者に関しては3割負担も設定されました。

【収入による利用者負担の割合】

年金収入等340万円以上: 3割負担

年金収入等280万円以上: 2割負担

年金収入等280万円以上: 1割負担

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