和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

介護保険における施設サービスを大阪の介護の資格学校講師が解説

介護保険制度における施設サービスは、自宅で生活を続けることが難しくなった要介護者が対象になります。施設に入所し、介護やリハビリテーション、必要があれば医療の管理の下で支援が行われます。このような施設をまとめて介護保険施設と呼ばれます。この介護保険施設は介護保険の介護給付費から費用が支払われ運営されています。

介護給付費に関しては違うページで詳しくまとめていますので下記のページを参考にしてください。

【介護保険の介護給付について】

それでは施設サービスの内容について紹介していきます。

介護保険施設の内容

介護老人福祉施設

老人福祉法に規定される入所定員30人以上の特別養護老人ホームです。介護保険施設として都道府県知事の指定を受けたもので入浴、排泄、食事などの介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理、療養所の世話が行われます。また2014年(平成26年)の介護保険法改正により、新規で入所する利用者の要件が原則として要介護3以上と規定されました。

入所定員29人以下の特別養護老人ホームは地域密着型サービス「地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護」になります。

介護老人保健施設

要介護者が入所できる施設で看護、医学的管理の下で介護や機能訓練その他必要な医療や日常生活上の世話が行われます。通所リハビリテーションや短期入所療養介護を実施する施設でもあり、居宅生活への復帰を目指す場としての機能を携えています。

介護医療院

要介護者が入所できる施設で、長期にわたり療養が必要である利用者を対象に、療養所の管理、看護、医学的管理のもとでの介護や機能訓練その他必要な医療や日常生活上の世話が行われます。介護医療院は2017年(平成29年)の介護保険改正により2018年(平成30年) 4月から創設されました。それにより前身である介護療養型医療施設は、2024年(令和6年) 3月末までに廃止予定とされています。

ここで問題!

【問題】

介護医療院に入所できるのは要介護3以上である。

【答え】

答えは「×」です。介護医療院の入所要件は要介護1以上です。要介護3以上の要件は特別養護老人ホームになります。

その他介護保険施設に含まれないもの

介護保険施設には含まれませんが、在宅での生活が困難な60歳以上の低所得者高齢者を対象とした施設として都市型軽費老人ホーム」というものがあります。首都圏の市街地などに設置され、入所定員20人以下とされています。

ユニットケアについて

施設サービスでは、近年、利用者同士のコミュニケーションを深めることを目的としてユニットケアが進められています。ユニットケアでは、従来の多床型とは異なり、利用者10人程度で1つのグループを作り、一人一人個室を用意するが、リビングなどは共有する形にし、このグループを1ユニット(生活単位)とします。1ユニットの人数は10以下を原則として15人以上にならないようにしなければなりません。また、担当職員も一定の期間を固定して、継続性のあるサービス提供を重視することにより、利用者間、または職員間になじみのある人同士で関係性が築かれ、家庭的な雰囲気の中で生活を送れるようになることがユニットケアのメリットとして挙げられます。また、ユニットケアは個室であり、家族や友人が来訪や宿泊をして入居者と交流するのに適した環境と言うメリットもあります。しかし、デメリットとしては一人ひとりに個室を用意しますので施設側が事業の維持をするための負担が大きくなるということです。

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