医療的ケアで学ぶバイタルサインや体の部位を実務者専任教員が解説
まずここではバイタルサインの基準値や測定方法等に関してまとめていきたいと思います。また人間の体は生命の維持をするために無意識にバイタル(血圧・脈拍・体温・呼吸など)を安定させようとする性質があります。
そして、実務者研修の講義の中で。医療でケアに関わる体の部位について今回は解説していきたいと思います。これは実務者研修の資格だけではなく、介護福祉士国家試験の試験範囲でも出題される知識となりますのでしっかりと覚えておきましょう。
喀痰吸引の前にバイタルチェック
バイタルサインとは、一般的に「体温」「脈拍」「呼吸」「血圧」を指します。これらの数値は、健康状態を把握するための目安でもあり、体調や環境の変化などによって変動をします。このバイタルサインをもとに喀痰型を行うかどうかも判断の基準として考えられます。まずはバイタルサインの基準値と測定方法について解説していきます。
バイタルサインの基準値と測定方法
【体温】
一般的な正義の体温は36〜37℃、主に腋窩(脇の下)で測り体温計は前下方から後上方に向かって差し込みます。
体温は、直腸が最も高く、その次に外耳、口腔内、腋窩と続きます。
【脈拍】
一般的な成人の脈拍数(心拍数)は1分間に60〜80回、手首の橈骨動脈で測り、測定部位に聞き手の人差し指・中指・薬指を揃えて軽く置くようにして測ります。
【呼吸】
一般的な成人の呼吸数は、1分間に15〜20回、胸部の動きの視診、聴診器の使用によって測る方法があります。
【血圧】
一般的な成人の正常血圧は、収縮期(最高血圧)が120mmHg未満、拡張期(最低血圧)が80mmHg未満、主に電子血圧計を使用して図ったり、マンシェット(腕帯)を巻く腕は心臓の高さに合わせて測ります。
ホメオスタシス(恒常性)
人間の身体には生命を維持するために、外部環境の変化に対して内部環境を安定した状態に維持しようとする性質があります。これを「ホメオスタシス(恒常性)」といいます。ホメオスタシスを司っているのは脳の視床下部になります。バイタルをチェックする事は見方を変えればホメオスタシスに何らかの異常が現れているかどうかを図るものといえます。体温や脈拍数は、食事・運動・入浴・ストレスなどを原因として上昇したり増加します。逆に睡眠時などには低下・減少します。呼吸数に関しては暑いと増加し、寒いと減少します。
ここで問題!
【問題】
心拍数が減少する要因として、精神的緊張が挙げられる。
【答え】
答えは「×」です。精神的緊張を感じると、交感神経が優位に働き心拍数は増加します。逆に睡眠時などには副交感神経が働き心拍数は減少します。
人体の部位の名称
からだのしくみの基礎を学ぶためにまずは、人体の各部の名称を覚えておく必要があります。
人体は大きく分けて「頭部」「頸部」「体幹」「体肢」に分けることができます。
このうち体幹は「胸部・腹部・背部・臀部」からなります。ここには大事な内臓が含まれており心臓や肺、消化管が含まれます。なお、胸部と腹部は横隔膜を境にして分けられます。一方、体肢は腕(上肢)と足(下肢)を指すもので、上肢と下肢をまとめて四肢と呼びます。
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