和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和3年度ケアマ試験をケアマネ資格取得者が解説!レッスン21【保健医療サービス〜高齢者の疾患〜前半〜】

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます河野つなきです。今回は加齢によって引き起こしやすい病気についてまとめていきます。介護する上で利用者さんの疾患について理解しておく事は適切なサービスにつながります。また利用者様自身のことも知ることは信頼関係の向上につながります。また、医学的知識はケアマネージャーの試験にもよく出題されやすい傾向にありますのでしっかりとポイント押さえておく必要があります。それでは本日も試験合格を目指して共に勉強がんばっていきましょう。

目次

・高齢者に多い疾患の特徴について

・脳卒中について

・パーキンソン病について

・大脳皮質基底核変性症について

・早老症について

・変形性膝関節症について

・関節リウマチについて

・骨粗しょう症について

・大腿骨頸部骨折について

高齢者に骨粗しょう症について多い疾患の特徴について

高齢者は、年齢を重ねることにAD Lの低下が生じます。老化とは大きく分けて2つあり、加齢に伴い必然的に現れる「生理的老化」病気によって生じる病的老化」がありますまたこれらの関係性は強くどちらかの老化が進むことにより様々な病気をさらに引き起こす可能性を強めます。

高齢者の疾患の特徴としては以下の通りになります。

①個人差が大きい

②慢性の疾患が多い

③症状が非定型的

④多くの疾患が合併している

⑤薬剤反応が成人とは異なる

⑥病気により社会的要因に大きく影響される

というのが高齢者の疾患の特徴になります。

脳卒中について

脳卒中とは脳に関わる全般的な病気の総称のことです。「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」などの病気のことをいいます。それではそれらについてまとめていきましょう。

【脳梗塞】

脳の血管が詰まったり狭くなったりして血流が悪くなることによって「脳梗塞」を起こします。脳梗塞には以下の3つの種類があります。

【脳血栓症】

脳の比較的大きい血管が動脈硬化により狭くなって血の塊が少しずつ詰まっていく。また、高血圧が原因で脳の細い血管が変性することにより血管が詰まる病気です。

【脳塞栓症】

心臓などでできた血の塊が流れて、脳の血管で詰まってしまう病気です。

【一過性脳虚血発作】

一時的に脳の血管が詰まるがすぐに血流の流れが再開します。脳梗塞の前触れとして現れることがあります。

【脳出血】

脳出血とは脳の中の細い血管が破れて出血することです。出血を起こすことにより脳の部分を圧迫します。圧迫された部分が脳の機能として失う病気です。

【くも膜下出血】

脳の表面の大きな結果にできた動脈瘤が破れてくも膜の下に出血することのことをいいます。

【脳卒中を起こす原因】

これらは生活習慣病と大きく関わり「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」などが原因とななります。メタボリック・シンドローム予防への対策も重要です。また日常生活では食事や運動、塩分摂取の制限、十分な睡眠など生活習慣病の管理が必要になります。

脳卒中は再発リスクが大きく発症から3年以内に10%から15%の人が再発すると言われます。

【脳卒中の症状】

脳の障害を受けた場所によって症状は様々です。左脳が傷つくと右半身に障害が起こります。また右脳が傷つくと左半身に障害が起こります。また言語障害なども右脳、左脳も関係しています。このように体の片側に障害が生じ麻痺になることを「片麻痺」といいます。

【脳卒中の治療】

脳出血に関しては患者の状態によって血腫除去手術などが行われます。くも膜下出血では動脈瘤手術などが行われます。また脳の血管が詰まる脳梗塞では保存的治療が主に行われますが、時に薬剤による血栓溶解療法も行われることがあります。急性期治療などはリハビリテーションが必要になります。

パーキンソン病について

パーキンソン病とは脳の黒質にある神経細胞が変性、消失することによって起こる病気です。起立性低血圧や排尿障害などの「自律神経症状」治療薬の副作用としての幻覚、妄想など、また認知症による精神症状」が見られるようになります。

パーキンソン病には特徴的な四大運動症状があります。

【四大運動症状】

①振戦(体の震え):初期症状として出現し安静時に体の震えが見られることを安静時振戦」と言われます。

②筋固縮:筋肉を伸ばす方向に動かすとガクガクとした動きになる歯車現象見られる。

③無動:すべての動作が鈍くなり動きが少なくなります。また表情もなくなり仮面様顔貌となる。

④歩行障害:姿勢が前かがみになり小刻み歩行になってしまう。最初の1歩がなかなか踏み出せなく、小刻み歩行により転倒の危険性が高い。

【パーキンソン病の治療】

治療の基本は薬物療法になります。ドパミン神経伝達を改善させる薬物を使用いたします。ドパミン神経伝達を改善する最も有効なのはドパミン前駆物質の「 L-ドパ」です。

L-ドパは、数年間使用すると聞いている有効時間が短縮し不随意運動や幻覚、妄想などの副作用を生じやすくなります。また薬物療法以外にも「運動療法」「音楽療法」も行われる場合もあります。

大脳皮質基底核変性症について

大脳皮質基底核変性症は、基底核や大脳皮質に異常をきたす進行性の疾患です。「固縮」「無動」「不随意運動」が現れ、前頭葉症状を中心とした認知機能の低下が起こります。

大脳皮質基底核変性症は、難病法に基づく指定難病であり介護保険法の特定疾患でもあります

早老症について

早老症とは年齢に比べて老化現象が見られる病気のことをいいます。身体的、あるいは臓器において促進する病気です。

早老症の代表的な疾患には、「ウェルナー症候群」があります。また一般的に脳機能の低下は見られないのが特徴です。早老症は介護保険法における特定疾病に含まれます。

変形性膝関節症について

変形性膝関節症とは膝関節の軟骨がすり減ることにより、骨端が直に触れることで関節炎や変形を生じた結果、痛みが生じる病気のことです。高齢者や女性に多く発症しやすいといわれます。

【原因や症状】

肥満やO脚などにより膝に負担が加わると起こしやすくなると言われています。また関節の軟骨が変形することなどにより、長時間の歩行や深く膝を曲げた時に痛みが出やすくなります。筋力の増加や、体重の減量をし膝の負担を減らす必要があります。

関節リウマチについて

原因不明の自己免疫疾患です。本来はウィルスなどの異物に対する防衛機能として生体に備わっている免疫機能が何らかの原因によって自己の正常な細胞や臓器までも攻撃してしまうという病気です。

【関節リウマチの症状】

痛み、関節の熱感、朝のこわばり、関節の不安定性、関節の編成、頸椎破壊の症状が見られます。また朝のこわばりとは起床時に指の関節が屈曲しなくなることを言います。

【関節リウマチの治療】

薬物療法の外手術、リハビリテーションなどトータルマネージメントを行います。また薬物療法では、鎮痛剤、抗リウマチ薬、ステロイドが使用されます。またその他本による関節保護を基本とした生活指導や安静にすることも大事です。

骨粗しょう症について

骨粗しょう症は閉経後の女性に多く発症しやすく、女性ホルモンの分泌低下や運動不足、カルシウム不足、日光浴不足などが原因で骨の形成が阻害され骨密度が低下する病気のことです。骨粗鬆症は自覚症状がない場合も多く骨粗しょう症によって骨折しやすくなります。

【骨粗しょう症の予防】

骨訴訟症を発症する前に適切な運動、日光浴、食事摂取が必要になります。骨を強くするにはカルシウムやそのカルシウムの吸収を助けるビタミンDビタミンkを摂取する必要があります。

※また骨折を伴う骨粗しょう症は介護保険法における特定疾病に定められています。

大腿骨頸部骨折について

大腿骨頸部骨折も骨粗しょう症と深く関係しています。大腿骨の骨折は高齢者に多く見られる骨折であり転倒時によく骨折します。手術により治療が行われ早期のリハビリテーションが必要になります。寝たきりの大きな原因となる病気です。

まとめ、感想

本日も勉強お疲れ様でした。

今回は高齢者に起こりやすい病気の中でも脳や神経に関わる病気」と「骨や関節に関わる病気」についてまとめて参りました。どちらも病気を発症する前に事前に予防することができる病気であり、日常生活への気遣いが重要となります。引き続き高齢者に起こりやすい病気として様々な病気について説明をしていきます。

この投稿を書きながら私自身が生活習慣を改めようと思いましたが、お酒だけは止められない日常が続いています。反省。

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