令和3年度ケアマ試験をケアマネ資格取得者が解説!レッスン22【保健医療サービス〜高齢者の疾患〜中盤〜】
どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます河野つなきです。今回もケアマネジャー試験対策として前回と引き続き「高齢者が発症しやすい病気について」まとめていきたいと思います。「高齢者が発症しやすい病気について」は範囲が広いので3部制としてまとめていきます。今回は「中盤編」となっております。
「前半編」の投稿も下記に載せておきますのでご参考にしてください。
【高齢者の疾患〜前半〜】
また、保健医療サービスの知識等の中でも「高齢者の疾患」に関しては、ケアマネージャーの試験によく出やすいポイントになっていますのでしっかりと勉強し覚えておく必要があります。それでは本日もケアマネジャー試験合格を目指してボチボチやっていきましょう。
目次
・心筋梗塞について
・狭心症について
・高血圧症について
・心不全について
・胃、十二指腸潰瘍について
・肝炎について
・肝硬変について
・潰瘍性大腸炎について
・まとめ、感想
心筋梗塞について
心筋梗塞とは心臓から血液を送り出すポンプ機能が低下する疾患です。冠動脈が動脈硬化などによって詰まってしまい、その詰まった動脈とつながっている心筋の細胞が壊死した状態のことをいいます。重度の場合には死に至るケースもあります。
※心筋とは、心臓を構成する筋肉であり全身に血液を送るポンプ機能を持ちます。
※動脈硬化とは、動脈が硬くなったり遅くなったりするため血液がスムーズに送れなくなった状態のことです。
【心筋梗塞の症状】
冷や汗を伴う前胸部の強い痛みの継続、また胸の締め付け感。注意しなければならないのが高齢者では自覚症状が非特異的なため診断が遅れる事があります。
【治療や予防】
発症後直後であれば閉塞冠動脈の再疎通療法の適応となります。
また生活習慣病とも深く関わり「高血圧」「脂質異常症」「糖尿病」「喫煙」を行うことにより発症する可能性が高まると言われています。
狭心症について
狭心症とは心筋に酸素を送り込む冠動脈の狭窄によって、発作的に心筋が必要となる酸素量を一時的に供給できなくなる状態のことをいいます。
【狭心症の症状】
狭心症には2つの種類があります
①労作性狭心症:階段を登ったときや運動時に前胸部の圧迫感が生じます。
②異型狭心症:夜間、未明など特に運動していない時に前胸部に圧迫感が生じる。また冠動脈の攣縮によって起こることもある。
※狭心症の症状が治まった場合は心電図の異常は見られなくなります。
【治療や予防】
狭心症はカテーテルを使用して細くなった血管を拡張する手術を行います。
発作時にはニトロ製剤を舌下に服用し胸痛を抑えます。また狭心症から心筋梗塞にならないように予防的な治療も必要になってきます。生活習慣と大きく関わり「脂質異常症」「高血圧」「糖尿病」「肥満」などが危険因子とされています。
高血圧症について
血液が血管を通るときに生じる圧のことを血圧といいます。高血圧になると血管への圧が大きくなるため様々な臓器に負担がかかります。
高血圧には2種類あり、原因のはっきりしている「二次性高血圧症」、原因がわからない「本能性高血圧症」があります。高血圧症のほとんどの方が原因のわからない「本能性高血圧症」といわれます。自覚症状がないのが特徴的です。
【治療や予防】
基本的に薬物では降圧剤の服用がされます。その他、運動療法や食事療法も行われ、食事療法では塩分の制限、運動療法では肥満の改善が必要です。また高齢者の血圧は変動が大きく朝と晩では数値が変わったりします。また降圧剤は低血圧による転倒のリスクとなることもあります。
血圧の「バイタルサイン」については、さらに深く覚える必要がありますので、下記に詳細を載せたページを投稿いたしますので参考にしてください。
【バイタルサインについて】
心不全について
心不全とは心筋梗塞、不整脈などの心臓病や高血圧症などにより心臓の血液を押し出す力が低下し、臓器が必要とする血液を十分に供給できなくなった状態を心不全といいます。心不全が発症すると「呼吸困難」「食欲低下」「浮腫」などの軽度の状態から「肺水腫」の重篤なものまでさまざまです。高齢者に特有な症状としては、活動の低下や見当識障害、認知機能の低下も見られます。
【対応と予防】
呼吸困難がある場合には体勢を変える必要があります。体勢は「起座位」や「半座位」になります。またこの病気も生活習慣病が大きく関わりますので日常生活の見直しが必要になります。
胃、十二指腸潰瘍について
胃酸によって消化管の壁が自己消化されることにより潰瘍が起こります。胃と十二指腸潰瘍が症状としては多く、高齢者では特に胃潰瘍になる人が多いです。
【原因と症状】
原因として「ヘリコバクター、ピロリ菌」のよる慢性胃炎や「薬の副作用、ストレス」なども原因として考えられます。
症状は上腹部の痛みがあります。胃潰瘍では食後に痛みが悪化し、十二指腸潰瘍では空腹時に痛みが悪化します。重症化すると吐血、あるいは下血、タール便も見られることもあります。
※タール便とは上部消化管から出血したときに見られる黒色便である。
【治療と対応】
治療は主に内服治療になります。重度の吐血や下血の場合は、内視鏡治療により止血を行うこともあります。
アルコールや辛いものなど刺激の強いものは避けるようにします。薬剤が原因により起こる場合もあります。
肝炎について
肝炎の原因には「A型」「B型」「C型」などの肝炎ウィルス、自己免疫疾患、アルコール性肝炎などがあります。特に「C型」については、肝炎が蔓延がすると慢性肝炎となり肝硬変や肝ガンの原因となることが多い病気です。高齢者に多いのは「B型」「C型」になります。
【急性肝炎の症状】
全身倦怠感や食欲不振、腹痛などが起こります。急激に進行するものを劇症肝炎と呼ばれており、「肝不全」「肝性脳症」「黄疸」なども出現します。
【慢性肝炎の症状】
肝臓の機能が保たれているうちは無症状ではありますが肝炎が持続すると、肝細胞が壊れていき肝臓全体で繊維化が起こります。この状態を肝硬変といいます。
肝硬変について
肝臓組織が長期の炎症のために壊死し、繊維化して硬く変化したものでありウイルス性の慢性肝炎から移行したものが多い。肝機能が保たれている間は目立った症状はありませんが、肝硬変が進行すると「肝不全」となり食欲不振、全身倦怠感、黄疸などの症状が出現します。さらに重症化すると代謝能力が低下し、血中アンモニア濃度が上昇し、肝性脳症となってしまい意識障害が起こることもあります。
【治療と対応】
治療方法は肝移植しかありません。悪化しないよう薬物治療を行い、服薬状況、食事摂取状況をよく把握し定期的な通院を行い肝臓がんに移行していないか検査をします。また肝機能が低下すると薬剤の代謝速度が遅くなるために血中に薬剤が留まり薬剤の効果や副作用が強く、そして、長く出現することもあります。
潰瘍性大腸炎について
大腸の粘膜が炎症を起こし潰瘍を起こす疾患です。粘血便、下痢、腹痛などが見られ、重症化すると体重減少や貧血、発熱が見られます治療によって改善はするが再び悪化することの多い病気です。
【治療と対応】
ステロイド剤等の内服治療を行います。場合によっては大腸の切除を行うことがあります。高脂質高脂肪食や繊維質の多い食事は避け刺激物やアルコールも控えるようにします。またストレスも悪化する原因になりますので自己管理も重要です。
まとめ、感想
今回は「循環器」「消化器」の疾患についてまとめました。ケアマネージャーの試験によく出題されやすい傾向にありますので病名、症状、治療、対応、注意点についてしっかりと覚えておきましょう。私自身お酒が大好きなので最後のほうにまとめました消化器の内容には不安になりながら資料をまとめました。実際、私もお医者さんからアルコールを控えるようにと注意を受けていますが、アルコール摂取は我慢できない毎日です。ストレスも良くないと言う逃げ道を作りながらアルコールを飲んでいます。
それではケアマネージャーの試験も間近です。引き続きたまに勉強していきましょう。
タグ:中盤編,高齢者,疾患,ケアマネ,試験対策,カイゴミライズアカデミー
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