和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン20「社会の理解〜生活保護〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回は介護福祉士試験範囲の「社会の理解」から生活保護制度の概要についてまとめていきたいと思います。こちらに関してはよく出題される傾向にある範囲になりますので、長い文章がたくさんありますがしっかりと覚えておきましょう。

目次

・生活保護法に定められた原理と原則

・生活保護の種類と主な内容について

・生活保護の申請の流れ

・まとめ、感想

生活保護法に定められた原理と原則

【国家責任の原理(第1条)】

条文:国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その「最低限度の生活を保障」するとともに、その自立を助長することを目的とする。

【無差別平等の原理(第2条)】

条文:すべての国民は、この法律に定める要件を満たす限り、この法律による保護を「無差別平等」に受けることができる。

【最低生活保障の原理(第3条)】

条文:この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準」を維持することができるものでなければならない。

【保護の補足性の原理(第4条)】

条文:保護は生活に困窮するものが、その利用し得る資産能力その他あらゆるものを、その「最低限度の生活の維持」のために活用することを要件として行われる。

民法に定める「扶養義務者の扶養」及び「他の法律に定める扶助」は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。

※扶養義務については下記の投稿にまとめていますので参考にしてください。

≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン4「社会の理解〜家庭生活〜」≫

【申請保護の原則(7条)】

条文:保護は、養護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基づいて開始するものとする。ただし、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる。

【基準及び程度の原則(第8条)】

条文:保護は厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満たすことのできない「不足分」を補う程度において行うものとする。

前項の基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活」の需要を満たす十分なものであって、且つ、これをこえないものでなければならない。

【必要即応の原則(第9条)】

保護は、要保護者の年齢別、性別、健康状態とその個人または世帯の実際の必要の相違を考慮して、個人を単位として定めることができる。

生活保護の種類と主な内容について

ここでは「金銭給付」「現物給付」によって給付の方法が異なりますので、9方法もしっかりと覚えておきましょう。


【生活扶助】

《給付方法》

金銭給付

《内容》

飲食物費、被服費、光熱水道費など、日常生活の需要を満たすものや移送のために必要なための費用。


【教育扶助】

《給付方法》

金銭給付

《内容》

学校給食費、通学交通費、教材代、学習支援費など教育を受けるために必要な費用。


【住宅扶助】

《給付方法》

金銭給付

《内容》

借家の場合は家賃。自己所有の住居の場合は土地の地代。住宅維持費も支給されます。


【出産扶助】

《給付方法》

金銭給付

《内容》

出産・分娩に伴って必要となる一定額範囲内の費用。ガーゼ等衛生材料なども含まれます。


【生業扶助】

《給付方法》

金銭給付

《内容》

生業とは、生活手段として営んでいる仕事や設計を立てるために行っている労働の活動のことです。生業費、技能習得費、就職支度費等によって支給されます。


【葬祭扶助】

《給付方法》

金銭給付

《内容》

遺体の検案、運搬、火葬、埋葬などにかかる費用が支給されます。


【介護扶助】

《給付方法》

現物給付

《内容》

最低生活に必要な居宅介護、介護予防、福祉用具、住宅改修、施設介護等のサービスを受けることができます。


【医療扶助】

《給付方法》

現物給付

《内容》

最低生活に必要な診察、薬剤、治療材料、医学的処置、手術等の治療等の医療を受けることができます。

※生活保護受給者は、医療扶助で医療を受けることができるので、国民健康保険の被保険者にはなれません。

生活保護の申請の流れ

【①事前の相談】

現在の移住地を所轄する福祉事務所の生活保護課に相談します。

【②保護の申請】

要保護者は福祉事務所に保護の申請をします。

【③調査】

生活状況等を把握するために調査が行われます。預貯金、保険、不動産等の資産の調査が行われます。また扶養義務者による不要の可否の調査、社会保障給付費や就労所得の調査、就労の可否の調査を実施し、申請日から原則14日以内(最長30日以内)に保護の要否を決定しないよう通知します。

【④支給決定】

厚生労働大臣が定める基準に基づいた最低生活費から、年金や就労収入等がある場合はその収入を引いた額が毎月支給されます。受給者は常に収入などを報告しなければなりません。

まとめ、感想

今回の学習では特に生活保護法に定められた原理・原則と条文をセットで覚える必要があります。条文は長いので丸々覚えるのではなく各ポイントを覚えてテスト対策すれば良いかと思います。

2020年(令和2年)では約163万6千世帯、205万8千人が生活保護を受給しています。そして、コロナによる経済的な不景気により、生活保護者は増えていると最近の話題にもなっています。早くこのような状態がなく解消されることを祈っています。本日も勉強お疲れ様でした。

タグ:,,,,,,

« 前のページに戻る