和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン35「介護の基本〜虐待〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も引き続き介護福祉士の試験範囲の中から介護の基本」についてまとめていきたいと思います。その中でも虐待」について解説していきます。虐待の種別、また高齢者虐待の背景についても解説していきます。

目次

・虐待の種別について

・身体拘束について

・身体拘束がもたらす弊害について

・高齢者虐待の「養護者」による虐待傾向

・高齢者虐待の「介護施設従事者等」による虐待傾向

・障害者虐待について

・まとめ、感想

虐待の種別について

【身体的虐待】

つねる、殴る、蹴る、無理に食事を口に入れるなど物理的に相手に障害を与えること。

【心理的虐待】

怒鳴り付ける、悪口を言う、無視などにより精神的、情緒的に苦痛を与えること。

【性的虐待】

合意のない性的な行為を強要する。裸にして放置するなど。

【経済的虐待】

必要な金銭を使わせない、また渡さない。本人に無断で預金の使用や財産を処分すること。

【ネグレクト(介護・育児放棄)】

介護や世話を放棄したり、食事、教育、医療等の機会を与えないこと。

身体拘束について

身体拘束は、3つの要件を満たさない場合には禁止されています。薬での行動抑制も身体拘束になります。また、よく施設で見られるベッド下に引かれているセンサーマットも含まれますので現場では気をつけておく必要があります。

それでは、身体拘束が必要になった場合の3つの要件について説明していきます。

【切迫性】

急を要し、行動制限を行わないと利用者自身の生命、また他者に危害が及んでしまう場合。

【非代替性】

拘束するしか解決しない場合に限ります。他のもので解決する場合にはそちらの方法を優先しなければなりません。

【一時性】

身体拘束は拘束は一時的なものでならない。

身体拘束がもたらす弊害について

2001年(平成13年)の厚生労働省「身体拘束0への手引き」では身体拘束の弊害をあげています。

【身体的弊害】

①身体機能の低下や褥瘡の発生

②食欲低下や感染症等への抵抗力の低下

③転倒・転落事故、補装具による窒息など

【精神的弊害】

①人間としての尊厳が侵される

②認知症の症状が進行し、せん妄を頻発する恐れがある

③家族に罪悪感を与えてしまう

④介護スタッフの士気の低下につながる

【社会的弊害】

①介護スタッフの士気の低下につながる

②サービス提供施設に対する不信感

③QOLの低下が医療的処置を増加させ、経済的な影響をもたらす

高齢者虐待の「養護者」による虐待傾向

養護者とは高齢者を介護するものであり、介護従事者以外の人物を指します。家族や親族や同居人が該当します。それでは養護者による虐待傾向についてまとめて行きます。

【発生要因】

原因として最も多いのが「相手の性格や人格に基づく言動」が54.2%であり、その次に「介護疲れ、介護ストレス」であり48.3%となっています。

【虐待種別】

身体的虐待が67.1%と最も多く、その次に心理的虐待が39.4%となっています。ネグレクト19.6%経済的虐待17.2%となっている。

【虐待の対象者】

虐待を受ける高齢者は、「女性」が75.2%と多い。高齢者虐待の年齢別で最も多いのは、80歳から84歳が23.5%であり、その次に75歳から79歳が21.4%になっている。続いて85歳から89歳が20.3%となっており、高齢者(65歳以上)の割合を見ると80歳以上が50%以上の半数を占めている。

また、虐待者の続柄で最も多いのは息子が40.2%となっており、その次に夫が21.3%、その次に娘が17.8%となっている

高齢者虐待の「介護施設従事者等」による虐待傾向

【発生要因】

「教育・知識・介護技術等に関する問題」が56.8%と最も多く、その次に「職員のストレスや感情コントロールの問題」が26.4%となっている。続いて虐待を助長する組織風土や職員間の関係の悪さや管理体制等」が20.5%となっています。

【虐待種別】

身体的虐待が60.1%と最も多く、その次に心理的虐待が29%となっています。続いて介護放棄が20%になっています。またこれらのうち26.1%が身体拘束となっていますり

【虐待の対象者】

虐待を受ける高齢者は女性が多く69.9%を占めています。虐待を受けている年齢別で見ると、85歳から89歳が23.5%と最も多く、続いて90歳から94歳が19.4%80歳から84歳が15%75歳から79歳が11.2%となっています。

虐待を起こす職種では介護職が79%と最も多くなっています。

障害者虐待について

【養護者が起こす虐待事例が多い種別】

障害者の虐待についても高齢者虐待と傾向が似ているところがあります。虐待の種別では身体的虐待が最も多く、続いて心理的虐待」「経済的虐待」「ネグレクト」「性的虐待」の順番になっています。

また虐待を受ける障害種別で「知的障害者」が最も多く、続いて精神障害」「身体障害」となっています。

【養護者の虐待の対象者】

虐待を受ける障害者では女性が6割以上を占め、年齢別では20歳から40歳代が22.1%と最も多くなっています。虐待する続柄としては「父」が最も多く続いて「母」「兄弟姉妹」となっています。

【介護施設従事者等が起こす虐待事例について】

虐待の種別では「身体的虐待」が最も多く、続いて「心理的虐待」「性的虐待」となっています。虐待を受ける性別は「男性」が6割を占めており、年齢別では20歳代が最も多くなっています。

まとめ、感想

今回は虐待についてまとめていきました。我々、介護従事者が虐待を起こさないためにも組織としての教育や管理を徹底する必要があります。また知識不足により虐待事例が起こるケースもありますので虐待についての研修なども定期的に行う必要もあります。

また、虐待発見した場合には市町村に通報する義務もあります。

それでは本日は勉強お疲れ様でした。引き続き介護福祉士の試験合格を目指して頑張っていきましょう。

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