令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン54「生活支援技術〜部分浴・清拭〜」
どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回は、介護福祉士試験範囲の中から「生活支援技術」について解説していきます。その中でも身体の清潔を保持する「部分浴・清拭」についてまとめていきます。
また、それらと関係する「入浴・シャワー浴」の介助方法についても別のページにまとめていますので下記のページを参考にしてください。
≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン53「生活支援技術〜入浴介助〜」≫
目次
・部分浴・清拭とは
・部分浴の介助方法
・清拭の種類について
・清拭の介助ポイントについて
・まとめ、感想
部分浴・清拭とは
【部分浴】
手浴や足浴など体の1部分を清潔にすることをいいます。浴室以外でも行うことができますので体力の消耗が少ない。利用者の体調不良時などに入浴から部分欲切り替えることもあります。また、清拭と併用も行います。
【清拭】
寝たきりの方でも身体の清潔をすることができます。体を温かいお湯で絞ったタオルで拭き、その後、乾いたタオルで拭きます。適切な環境で行われていない場合には、体調不良の可能性も考えられますので室温などの注意が必要です。利用者の体調不良時などに入浴から部分欲切り替えることもあります。また、部分欲と併用を行います。
部分浴の介助方法
部分浴には、「手浴」と「足浴」の2種類があります。それらについて説明していきます。
【手浴】
手の清潔を保持し感染予防の効果がある。また、血液循環の改善がされるほかにも温めながら手指を動かすことにより拘縮の予防にもつながります。
爪もやわらかしくしますので爪切り前に行うとよい。
【足浴】
足の清潔を保持し感染予防の効果がある。足先だけではなく膝に近い下肢全体をお湯につけて洗うと全身の爽快感と安眠効果も得られます。血液循環の促進効果があり、温めながら足を動かすことにより拘縮の予防にもつながります。湯温は37〜39℃位のぬるめが良い。
座位が可能な場合は、椅子やベッド脇に座り端座位で行う。
座位が不可能な場合は、ベッド上で行うこともできます。ベッドを約15度程度ギャッチアップします。
足浴後は、指と指の間の水分をしっかり拭き取り感染症の予防を行う。
清拭の種類について
体調不良時や身体的な動作に問題があり入浴できない利用者は清拭にて身体の清潔を保ちます。また、清拭には全身を行うものや一部位だけを行う場合のものもあります。それらのポイントについてまとめていきます。
【全身清拭】
室温の環境(22〜26℃)を整えます。全身を濡らしたタオルで起きます。時間は要するが全身の清潔の保持がされ爽快感が生まれます。プライバシや羞恥心に配慮して行う必要があります。
【部分清拭】
体の一部分だけを濡らしたタオルで拭きます。寝たきりによる発汗が多い部分や汚れやすい部分を清潔にします。褥瘡になりやすい背部や仙骨部の血液循環の改善目的で行うこともあります。また、顔を清拭する場合は拭き方に手順があります。その手順に関しては違うページでまとめていますので下記のページを参考にしてください。
≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン45「生活支援技術〜整容〜」≫
【陰部洗浄】
陰部洗浄は、おむつ交換時に行うことが多い。陰部は汚れやすく、感染しやすい箇所なのでしっかりと清潔の保持を行う必要があります。また、褥瘡の予防にもつながります。
女性の場合は、感染症予防のため前から後に拭きます。肛門から恥骨に向けて拭かないように気をつける。
清拭の介助ポイントについて
【タオルの温度】
タオルはお湯に浸けて絞ります。つけるお湯の温度は55〜60℃が良いとされてます。
【全身清拭の手順】
基本的には、顔→上肢→体幹→下肢→臀部・陰部の順番で吐きます。皮膚についた水分で体を冷やさないように乾いたタオルですぐに拭き取ります。
【体の拭き方】
四肢は原則、末梢から中心部に向かっております。腹部に関しては腸の走行に沿うように「の」の字に拭きます。背中を拭くときは利用者の健側を下にして横を向いてもらい背中います。
広い範囲を拭くのでタオルが冷めないように肌から離さずに拭きます。皮膚の密着している腋窩、乳房の下側などは汚れが溜まりやすいのでしっかりと拭きます。
褥瘡ができているところは清拭しないように気をつけます。
耳は絞った温かいタオルで耳全体を行きます。耳垢が溜まる外耳の手入れをす。綿棒で鼓膜を傷つけないように目の見える範囲入り口から1cm程度掃除を行います。2cm以上は入れないようにする。綿棒を入れるのは外耳道までです。
まとめ、感想
今回は清拭についてまとめてきました。普段元気な方でも体調不良時には無理せず入浴から清拭に切り替えたサービスも検討しておくことも前提に現場では考えておかなければなりません。また、入浴できない場合には清拭と足浴なども組み合わせて行うこともあります。
タグ:介護福祉士,入浴,清拭,試験,部分浴
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