令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン64「生活支援技術〜緊急時の対応〜」
どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回の投稿でも介護福祉士の試験範囲から様々な分野について解説していきます。今回解説する内容は「生活支援技術」の中から緊急時の対応についてまとめていきたいと思います。
目次
・外傷時の対応
・骨折時の対応
・熱傷時の対応
・その他緊急時の対応
・まとめ、感想
外傷時の対応
外傷には、切り傷、刺傷、擦り傷などの「開放性」と凍傷、打撲、捻挫などの「非開放性」の2種類があります。
【手当の方法】
手当てするときは傷口を清潔に保ち感染を予防する必要があります。小さい傷口以外はむやみに消毒液をつけず、傷口に直接、清潔なガーゼなどを当てて止血します。速やかに医師の手当てを受けましょう。
止血する方法は、直接、傷口に清潔なガーゼなどを当てて圧迫し止血する「直接圧迫止血法」と傷口の近くの動脈を圧迫することにより止血する「間接圧迫止血法」があります。
鼻血の出血の場合は、血を飲み込むと嘔吐、息苦しさを感じるので呼吸を確保し頭を前かがみにして、出血を抑えて座らせます。衣服を緩め、口呼吸を促して鼻を軽くつまみます。
【止血時の注意】
①負傷者の感染予防のため、汚れた手や消毒していないもので傷口に触れない。
②止血するものは血液からの感染予防のため、ゴム手袋やビニール袋などを利用して素手で血液に触らないようにする。
③ティッシュは細かい繊維が残るため、直接傷口に当てない。
骨折時の対応
骨折は、転倒や転落など強い衝撃を受けることにより骨が折れたり、ヒビが入ったりします。高齢者は骨がもろくなり骨折しやすくなっています。典型的な症状が現れなくても骨折している場合があります。
【骨折の手当】
まず、全身を観察します。腫れ、変形、皮膚の変色、痛み、動かないなどの症状があれば骨折の疑いがあります。基本的には、患部に腫れがある場合は冷やします。そして、患部を動かさないように固定します。応急処置後は、医師の診察を受けます。骨折部位はできる限り心臓より高くします。
また、閉鎖骨折の場合は、全身と骨折安静にし患部を固定します。
開放骨折の場合は、止血を行い、傷の手当てをしながら固定します。
熱傷時の対応
熱傷は、熱いものに触れることによって起こります。またカイロや湯たんぽなどにより、低温火傷を起こすこともあります。
【熱傷時の手当】
深度がⅠ〜Ⅱで範囲が狭い時は、冷水で痛みが取れるまで冷やします。また、範囲が広いときには冷やしながら医療機関に搬送します。
着衣の上から熱湯を浴びた場合は、服を無理に脱がそうとすると、皮膚がはがれる恐れがありますので着衣の上から冷水をかけて冷やします。
水ぶくれは感染予防のために潰さない。
【熱傷の深度について】
熱傷の程度は、深さと広さから深度Ⅰ〜深度Ⅲの判断をすることができます。
①深度Ⅰ度は、「障害部位が表皮」「外見は肌の色が赤くなる程度」「症状としては、ヒリヒリと痛む」
②深度Ⅱ度は、「障害部位は真皮」「外見は腫れぼったい赤くなったり、水ぶくれができる」「症状としては、強い痛みと灼熱感がある」
③深度Ⅲ度は、「障害部位は皮下組織」「外見は乾いて、黒く、弾力性がなく、黒く壊死または蒼白になります。」「症状としては、感覚がなくなり、痛みを感じなくなります」
その他緊急時の対応
【ショック】
骨折による激痛や出血でショックを起こすことがあります。末梢の循環不全が起こり、血圧が極端に低下する。顔面蒼白、虚脱、冷や汗、脈拍微弱、呼吸不全などの症状が見られます。頭の位置を低くするなどの対応をとり、医療職へ速やかに繋げます。
【捻挫】
捻挫とは、関節可動域を超えて曲がったり伸びたりしたために、関節周囲の組織や血管が傷ついている状態のことです。弾性包帯などで固定し、炎症による症状を抑えるために冷やします。応急処置後、直ちに医療食へ繋げます。
まとめ、感想
今回は緊急時の対応について解説していきました。また、緊急時の手当てとともに休ませる体位についても覚えておく必要があります。基本は、仰臥位が最も落ち着いた体位であり、意識がない時や嘔吐の可能性がある場合には、側臥位で休んでもらいます。
また、体位については違うページで詳しく解説していますので下記のページを参考にしてください。
≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン48「生活支援技術〜体位〜」≫
タグ:介護福祉士,外傷,止血,熱傷,緊急時の対応,試験範囲,骨折
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