令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン95「認知症の理解〜認知症患者の環境について〜」
どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も介護福祉士の試験範囲から「認知症の理解」について解説していきたいと思います。
今回、解説している内容は認知症患者の日常生活への影響を及ぼす環境について解説していきたいと思います。
目次
・認知症の人に影響を与える環境とは
・環境の変化により認知症の人に与える影響
・トランスファーショック
・グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
・まとめ、感想
認知症の人に影響与える環境とは
認知症の人は環境の変化に弱く、それらにより認知症の進行を誘発する場合も考えられます。どのような環境が刺激するものか考えていきましょう。
①感覚的な刺激や物品
②介護福祉職の関わりや組織体制
③他の利用者との交流
以上のようなことが認知症の人に影響与える環境として考えられます。また、環境を与えるものとして幅広く考えられますので、利用者が保っている残存能力と低下している能力、家族との関係など把握し、支援の方法を検討する必要があります。
環境の変化により認知症の人に与える影響
【人的環境】
介護福祉職や他の認知症の人、家族など幅広い人的環境が影響します
【対人関係のストレス】
無視された存在として扱われる事、一貫性を各職員の対応などが生むストレスが影響与えます。認知症の人の言動には、受容的態度で対応することが大切です。
【住環境】
認知症の進行に合わせて、物理的な環境特性(刺激の質の調整)や、危機回避のために工夫をすることも必要です。部屋やトイレに表示や目印をつけるなどの配慮を行います。
また入所施設等では居室の変更により「自分の部屋ではない」と思い込み、そのことが帰宅願望につながることもあります。
トランスファーショック
環境が変化することにより受ける精神ダメージのことをトランスファーショックといいます。※リロケーションダメージともいわれます。
トランスファーショックを小さくするためには、居室を個室にし、慣れ親しんだ家具などを持ち込むなどの配慮が効果的です。認知症の人が入所や入院をするときにはトランスファーショックを防ぐために、自宅からの思い出の品や家具を持ってきて、落ち着ける空間作りをします。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
職員と利用者及び利用者同士が「なじみの関係」になることを重視する施設です。
家庭的な環境や地域との交流において、利用者の力が発揮できるよう働きかけ、BPSDの軽減を図ります。
まとめ、感想
認知症の人に見られる傾向で、夕方から夜にかけて帰宅願望がみられたり、怒りっぽくなったり、大声を出したりし興奮気味になることを「夕暮れ症候群」と言われます。このような時でも相手の気持ちをしっかりと受け止め、否定しないことが大切です。
タグ:BPSD,トランスファーショック,介護福祉士,夕暮れ症候群,影響,環境,認知症
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