知ってて得!「と」から始まる介護現場で役立つ用語集
どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます河野つなきです。福祉や医療の現場では様々な専門用語が使われます。そんな専門用語を解説するシリーズ。特定の頭文字から始まる専門用語集を今回も投稿していきたいと思います。今回、投稿していく特定の頭文字は「と」の文字でルールの設定を行っていきたいと思います。それではみんなで一緒に勉強していきましょう。
【同一化】
適用機制の1つで自分の願望を実現している他者を自分と同一だと思い込むことで、心を安定させたり満足感を得ることです。
【投影】
適応機制の1つで自分の中の認めたくない感情や要求を他人に向けたり、自分の中の不安や不満を受け入れられず他人のものであるとすることです。
【頭蓋内出血】
頭蓋内で起こった出血の総称です。出血部位によって「くも膜下出血」「硬膜外出血」「硬膜下出血」「脳室出血」に分類されます。
【動悸】
心拍数が急に増加する症状です。精神の高揚や緊張感から時々起こる場合。心悸症、心悸亢進症から起こる病的なものが存在します。
【動機付け】
人を行動させる原動力となるものです。自分から何かを成し遂げようとする「内発的動機付け」と賞罰などにより行動に向かわせる「外発的動機付け」の2種類があります。
【同居介護】
要介護者と同居して介護を行うことです。
【瞳孔】
黒目の中心で眼球内部に光が通る部分です。虹彩の筋肉の働きにより光りの量が多い時は小さく、少ないときには大きく開いて目の内側へ入る光の量を調節しています。
【同行援護】
移動に著しく困難を有する視覚障害者の外出に同行し、移動の援助や排泄や食事などの介護、移動に必要な情報を提供する障害者総合支援法が根拠法となる障害福祉サービスです。
【同行支援】
医療機関や行政機関などに1人で行くことに不安がある相談者に対して同行し、関係機関と連携して問題の解決を図ることです。
【統合失調症】
考えや気持ち、行動をまとめていく能力である統合する能力が低下し、妄想や幻聴が現れる内因性精神病の1つです。多くは青年期に発症するとされています。脳内伝達物質の異常が関与しているといわれているが、現場では正確な原因は解明されていません。治療は薬物療法を中心に、作業療法やレクリエーション療法などが行われます。
【橈骨】
手首から肘までの前腕にある2本の骨のうち親指側にある骨のことです。
【橈骨遠位端骨折】
手首の近くで橈骨骨折した症状のことです。高齢者の場合、転んで手をついたときに骨折しやすい箇所になります。
【橈骨動脈】
肘から手首にかけて前腕の親指側を橈骨に沿って走る動脈です。一般的に脈拍は、手首の橈骨動脈で測定します。
【糖質】
栄養素の1つでからだのエネルギー源となります。食物繊維とともに炭水化物を構成し、「単糖類(ブドウ糖、果糖)」「ニ糖類(乳糖、ショ糖)」「多糖類(でんぷん)」に分けられます。
【等尺性運動(アイソメトリック運動)】
運動訓練の1つで関節を動かさず、筋肉の収縮を一定の状態に保っておこないます。例えば壁など動かないものに対しで、力を入れて押すような運動のことをいいます。
【同情】
他者の苦悩や悲しみを自分のことのように感じて相手を思いやりいたわることです。
【糖代謝異常】
摂取した糖が体内で代謝されずエネルギーに変えられないことです。糖尿病、あるいは糖尿病に至っていない血糖が高い状態(耐糖能障害)のことをいいます。
【動体視力】
動いているものを正確に素早く捉えて判断する能力です。動体視力は加齢とともに低下するので高齢者の交通事故の原因の1つとなっています。
【等張性運動(アイソトニック運動)】
関節を動かして筋肉を収縮させて行う運動訓練の1つです。例えばバーベルやダンベルを使う運動です。
【疼痛】
痛みを表す医学用語で、物理的な刺激や疼痛物質の刺激を神経が感知し、脳が認識する感覚です。
【疼痛管理】
疼痛を緩和し生活の質を高めるための治療です。多くは悪性腫瘍患者のターミナルケアにおいて疼痛管理が行われます。
【導尿】
尿道口から膀胱までカテーテルを通して尿を排出させる方法です。排尿障害で自力での排尿が困難な場合や検査の際に行われます。
【糖尿病】
インスリン分泌量不足、または作用の障害により血液中の血糖値が高い状態が続く病気です。糖尿病になると合併症になるリスクがあり、3大合併症である「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」「糖尿病性神経障害」は介護保険の特定疾患でもあります。加齢により血糖値を適正に保つ働きが低下するので高齢者には糖尿病になる人が多くなる傾向にあります。
【糖尿病性神経障害】
糖尿病の合併症の1つで腎症や網膜症に比べ早く発症する傾向にあります。足先のしびれやチクチクとした痛みが感じられる末梢神経障害と立ちくらみや下痢、便秘などが起こる自律神経障害があります。介護保険の特定疾患の1つです。
【糖尿病性腎症】
糖尿病の合併症の1つで高血糖により腎臓の機能が低下します。たんぱく尿が主な症状で長期にわたると腎不全となり人工透析が必要となります。介護保険の特定疾患の1つです。
【糖尿病性網膜症】
糖尿病の合併症の1つです。眼底出血などにより視力に障害が起こり放置すると視力低下や失明のリスクがあります。早期発見と早期治療が重要です。介護保険の特定疾患の1つです。
【逃避】
人間の心の防御である適応機制の1つです。困難な状況や危険に直面したときに回避して心の安定を得ようとすることです。空想の世界に逃避したり、現実を避けるために一時的に病気になったりすることもあります。
【頭部後傾法】
気道確保の1つで肩の下に枕などを当てた上で、頭をできるだけ後ろに反らせるようにする方法です。
【頭部保護帽】
頭部を保護する帽子です。衝撃を吸収する素材で作られており、転倒して頭を打つなどした際でも頭部を守ることができます。障害者総合支援法による補装具に含まれます。
【動脈硬化】
動脈の血管が変形、硬化する疾患です。血流が悪くなり心臓に負担がかかったり、臓器や組織の機能が低下します。動脈硬化により心筋梗塞や狭心症、脳梗塞の原因ともなります。
【動脈撮影法】
X線撮影の方法の1つで、動脈に造影剤を直接、注入して撮影をします。動脈の走行、血流状態、閉塞部位、腫瘍の有無などを検査するために行われます。
【動脈瘤】
動脈硬化などにより動脈壁の一部が膨らんでこぶのようになった状態です。高血圧で血管の負担が増すと破裂し命にかかることがあります。
【同名半盲】
視野の左右いずれか半分が欠ける障害です。両眼の同じ側が欠損します。大脳の後頭葉にある視覚野が障害され起こるもので、脳卒中や脳梗塞が引き金となることが多くなります。
【トゥレット障害】
小児期に発症することが多く、短い奇声など1つ以上の音声チックと瞬きなど複数の運動チックが1年以上続く状態です。
【独語】
独り言のことです。通常、幼児が成長の壁として見られるが、統合失調症や認知症の患者の病的な特徴としても認められます。
【特殊浴槽】
身体に障害がある人でも楽に入浴ができるように設計された浴槽です。寝たままや車椅子に座ったまま入浴できるもの、お湯を霧状にして噴射しからだを温めるものなど様々な種類があります。
【特定機能病院】
一般の医療機関では困難な手術や高度先進医療を行う病院です。厚生労働省の承認により指定されるもので集中治療室などの高度な医療機器、施設や研修施設を設置しているなど一定の条件を満たしている必要があります。全国の82施設が承認されています。
【特定健康審査】
メタボリックシンドローム対策のため、40〜74歳の人を対象に実施される健康診断です。生活習慣病のリスクがあると判断された場合には、特定保健指導が行われます。
【特定高齢者】
65歳以上の高齢者で、現在は介護保険を利用していないが近い将来、要支援、または要介護状態になる可能性のある人です。健康診断の結果などを判断材料にして市区町村が選定します。
【特定施設】
介護保険制度における施設の1つです。有料老人ホーム、経費老人ホーム、養護老人ホームのことであり、地域密着型特定施設でないものを指します。入居者は特定施設入居者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護などのサービスが受けられます。
【特定施設入居者生活介護】
介護保険の給付対象となる居宅サービスの1つです。特定施設に入居している要介護者に対して特定施設サービス計画に基づき行われます。入浴・排泄・食事などの介護、洗濯や掃除などの家事援助、機能訓練、療養所の世話などを受けることができます。
【特定疾患】
難病のえち厚生労働省の「難治性疾患克服研究事業」の対象となる疾患です。ベーチェット病やパーキンソン病などが含まれます。
【特定疾患治療研究事業】
特定疾患のうち厚生労働省が指定している疾患について、その医療費の助成を行う制度です。
【特定疾病】
介護保険制度において定められた疾病です。40歳以上65歳未満で発症し、この病気により介護や支援が必要な人が該当します。特定疾病は以下の病名になります。
①筋萎縮性側索硬化症
②後縦靭帯骨化性
③骨折を伴う骨粗しょう症
④多系統萎縮症
⑤初老期における認知症
⑥脊髄小脳変性症
⑦脊柱管狭窄症
⑧早老症
⑨糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症
⑩脳血管疾患
⑪パーキンソン病関連疾患
⑫閉塞性動脈硬化症
⑬関節リウマチ
⑭慢性閉塞性肺疾患
⑮両側のひざ関節または膝関節に著しい変形を伴う変形性関節症
⑯がん末期
【特定診療費】
介護報酬の1種で介護療養型医療施設、短期入所療養介護などで算定される診療費です。利用者に対する指導管理やリハビリテーションなどのうち、日常的に必要な医療行為で感染対策指導管理や褥瘡対策指導管理などがあります。
【特定短期入所療養介護】
介護保険制度における短期入所療養介護の1種で日帰りサービスを指します。
【特定入所者介護サービス費】
介護保険におけるの給付費の1つです。所得の低い介護保険施設の入所者に対して、食費や居住費の負担を軽減するものです。所得の状況に応じて定められた負担限度額と基準額の差額が現物給付されます。
【特定福祉用具】
介護保険制度における福祉用具のうち排泄や入浴に用いられるものなど、貸与に適さないものとして厚生労働大臣に定められた特定福祉用具販売の対象となる福祉用具です。
【特定保健指導】
特定健康検査の結果により生活習慣病のリスクが高いと判断された人に対して行われる保健上の指導です。
【特定保健用食品】
からだの生理学的機能などに影響を与える成分の含み、血圧が高めの方、お腹の調子を整えるなど特定の機能が期待できることを表示できる食品です。特定保健用食品に認定されるには審査に基づき、消費者庁長官の許可を受けることが必要です。
【特定有料老人ホーム】
特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人などが既存の特定機能を活用することを前提として提供する定員50人未満の有料老人ホームです。
【特発性正常圧水頭症】
脳の髄液が流れにくくなったり、吸収されづらくなることで脳内の圧力が高くなって脳を圧迫する疾患です。主な症状としては歩行障害、認知症状、尿失禁などがみられます。
【特別支援学級】
小中高の学校などに設置される、知力あるいは身体に障害がある子供が在籍する学級です。
【特別支援学校】
知力あるいは身体に障害がある子供の学習上、生活上の困難などの克服を目指し、自立した生活を送れるよう教育を行う学校です。
【特別障害者手当】
心身に重度の障害がある人に支給される手当てです。日常生活において常に特別な介護が必要な20歳以上の在宅障害者が対象となります。
【特別撤収】
介護保険料の撤収方法の1つです。第一号被保険者が一定額以上の公的な老齢年金などを受給している場合には、年金から保険料が天引きされ介護保険料が市区町村に納入されます。
【特別調整交付金】
介護保険の財源となる調整交付金のうち、災害など特別な事情がある場合に市区町村に交付されるものです。
【特別養護老人ホーム】
老人福祉法に基づく施設の1つです。65歳以上で在宅では適切な介護を受けられず常時介護を必要とする人が対象です。要件としては要介護3以上で入所ができ、介護サービスや日常生活の援助、レクリエーションやリハビリテーションなどが行われます。介護保険法における介護老人福祉施設の指定も受けている施設になります。
【特例介護予防サービス費】
居宅要支援被保険者に対して、要支援認定の効力が生じる前に緊急時などやむを得ない理由で介護予防サービス等を受けた場合に、市区町村が必要と認めるときには償還払いにより支給される予防給付です。
【特例居宅介護サービス費】
居宅要介護被保険者に対して、要介護認定の効力が生じる前に緊急時などやむを得ない理由で指定居宅サービスを受けた場合など、市区町村が必要と認めた際には償還払いにより支給される介護給付です。
【特例施設介護サービス費】
居宅要介護被保険者に対して要介護認定の効力が生じる前に、緊急時等 などやむを得ない理由で施設に入所した場合など、市区町村が必要と認めた際には償還払いにより支給される介護給付です。
【特例地域密着型介護サービス費】
要介護被保険者に対して、要介護認定の効力が生じる前に緊急時などやむを得ない理由で指定施設サービスを受けた場合など、市区町村が必要と認めた際には償還払いにより支給される介護給付です。
【読話】
聴覚障害者のコミニケーション手段の1つで、相手の唇の動きや表情などから話の内容を読み取る方法です。
【吐血】
消化器から出血した血液を嘔吐することです。胃液の作用により黒ずんだ赤色をしていることもあります。
【ドコサヘキサエン酸(DHA)】
青魚の脂肪などに多く含まれる不飽和脂肪酸の1種です。脳や神経組織の発育、機能維持に働く成分であり、血栓の形成を防いだり中性脂肪を減らすなどの効果があるといわれています。
【都市型軽費老人ホーム】
身体機能の低下などで自立した生活が難しいと認められる人を対象に、比較的少ない費用負担で利用できる都市部における定員20名以下の老人ホームです。
【徒手筋力テスト】
道具を利用せず、検査者が被保険者に手で抵抗を与えた時の結果によって、筋肉の収縮能力を6段階で評価する検査方法です。
【閉じられた質問(クローズドクエッション)】
「はい」「いいえ」で答えられる質問です。または一言で簡単に答えられる質問のことをいいます。
【怒責】
排便時などにいきむことです。血圧が高くなったり、脈拍が速くなったりするため心臓機能障害のきっかけになることもあります。
【特記事項】
調査員による要介護・要支援認定の認定調査において、重要だと思われることや追加事項、判断に迷うところなど基本事項を補って記載する事項です。
【独居老人】
1人で生活している高齢者のことです。
【独歩】
介助を必要とせず、なお歩行用の用具を使わず自力で歩けることです
【都道府県介護保険事業支援計画】
介護保険給付を円滑に行うために国の基本方針に則し、特に施設設備と人材確保など広域的な調整が必要なことに関して都道府県が定める計画です。
【ドナー】
移植手術における臓器や骨髄の提供者のことです。臓器移植ドナは15歳以上、骨髄バンクドナーは18歳以上と決められています。
【ドーパミン】
脳内で分泌される神経伝達物質の1つです。ドーパミンは機能の制御、感情、自発性などに関与しています。
【ドメスティックバイオレンス】
家庭内で近親者から受ける身体的、精神的暴力のことです。
【ドライアイ】
涙の量が減少したり涙の質が変化することで、眼球の粘膜が渇くことです。ドライアイになると眼精疲労や充血、痙攣などが起こります。
【トライアル雇用】
ハローワークの紹介によって短期間試験的に働いた後、労働者と企業の双方が合意すれば採用される制度です。
【ドライシャンプー】
病気などで髪が洗えない時に使うシャンプーです。水を使わず汚れを落とすことができます。
【ドライスキン】
角質層の水分量が低下することで、皮膚が乾燥している状態です。手荒れやかゆみなどが起こります。高齢者では皮膚分泌機能の低下や低湿度環境などが原因となり、加齢性皮膚掻痒症になることがあります。
【ドライマウス】
唾液の分泌量が減り、口の中や喉が乾燥することです。糖尿病などが原因となるほか、高齢になると唾液腺が萎縮してドライマウスになりやすくなります。
【トラウマ(PTSD)】
耐え難い精神的、肉体的ショックが原因となり、精神的な障害を起こすことです。
【トランキライザー】
精神の緊張や不安を緩和する薬の総称です。精神安定剤とも呼ばれ、抗精神病薬と抗不安薬に分類されます。
【トランスファー】
移乗動作のことです。自力または介助により、ベッドから車いす、車いすから浴槽やベッドなど、同一平面ではない場所へ移動する動作のことを指します。
【トリアージ】
災害時など多数の負傷者が出た現場で、治療の優先順位をつけて患者を分類する方法です。
【トリプシン】
膵臓から分泌されるたんぱく質を分解する消化酵素です。
【ドレッシングエイド】
衣服の着脱の際に用いる自助具です。先端にフックが付いた棒状をしており、フックに衣類を引っ掛けて着脱します。
【ドレッシング剤】
褥瘡などの傷を負うための医療用の材料です。
【とろみ食】
咀嚼や嚥下の機能が低下した人でも食べやすいよう、とろみをつけた食品のことです。
【頓服】
決まった時間に服用するのではなく、発作時や突発的な症状を抑えるために処方される薬です。
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