介福試験範囲!チームマネージメントとは?大阪介護の学校の講師が解説
介護の現場においては、実践の過程で利用者様本人だけではなく、家族や多くの専門職との話し合いや協力が求められます。チームの支援が円滑に進むようにコーディネートしていくことをチームマネジメントといいます。
組織の構造
組織とは
アメリカの経済学者バーナードによると個人が目的を達成できないときに共同し達成する集団のこと組織とします。次の3つの要素は組織設立の条件とされます。
①共通目的(共通の目的の達成を目指す)
②貢献意欲(組織に貢献しようとする意欲を持つ)
③伝達(コミニケーション)
つまり共通の目的を達成するための集団を「組織」ということができます。
組織の構造
効率よく業務を遂行するためには、組織の構造作りが重要となります。組織の構造には次の5つの原則があります。
①専門化の原則:業務の専門分野に分けることで、全体の仕事の効率が上がります。
②権限・責任一致の原則:自主性と判断の自由度を与え、与えられた権限ととるべき責任を同じレベルにします。
③命令一元化の原則: 命令・指揮系統は一元化する方法が効率的です。
④統制範囲適正化の原則: 1人の管理者は管理できる部下の数は適切でなければならないとされます。
⑤例外の原則:日常的な業務は部下に任せ、上司は例外的な業務に従事するべきとされます。
組織形態の種類
【ライン組織】
指揮命令系統がしっかりした、ピラミッド型の組織です。いわゆるトップダウン型の組織とされます。
【ライン・アンド・スタッフ組織】
ライン組織の利点を活かしつつ、専門的な意思決定ができるスタッフを追加した組織形態です。いわゆるトップに助言するコンサルタントが付いたような状態です。
【逆ピラミッド型組織】
顧客重視型の組織形態で、現場に近い担当者が意思決定を行い、管理者側がそのような環境を支えたり、要望などに答えたりする組織です
【ファンクショナル組織(機能別組織)】
生産、販売、研究開発の各機能を別々の担当にさせることにより、専門化を目指す組織です。
【カンパニー性】
1つの企業を、事業分野ごとに独立性を高めた複数の企業の集合体に見立てて組織する形態です。大手企業と下請け会社がこれに当たります。
【プロジェクト組織】
特定の目的を遂行するために、複数の部門から選抜された人員で形成された組織です。問題解決までの一時的・短期的なものと、部門間の連絡の役割を果たす委員会のような恒久的なものがあります。
チーム運営の基本
リーダーシップとフォロワーシップ
【プロフェッショナルの条件】
アメリカの経営学者ドラッカーの著書「プロセッションの条件」によると「リーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立することである。リーダーとは目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持するものである」とされています。
【フォロワーシップ】
アメリカのカーネギーメロン大学教授のケリーは、フォロワー(部下)がリーダーを支える力をフォロワーシップと定義し、リーダーシップに影響を与えるものであるとするフォロワーシップ理論を提唱しました。ケリーは、リーダーには、フォロワーの自律性を引き出し、フォロワーが能動的に動けるようにする役割があるとされました。
リーダーシップ理論「PM理論」
リーダーシップ理論の研究は歴史が深く、リーダーに必要とされる資質を身体的・精神的資質の観点などから研究した特性理論(質問)、リーダーの効果的な行動アプローチを研究した行動理論、状況や環境に応じてリーダーのスタイルや行動を変えるべきであるとするコンティンジェンシー理論の順に研究が展開されてきました。
このうち社会心理学者である隅ニ不ニが提唱した行動理論に「PM理論」があります。この理論は、「P機能:集団目標を達成させる機能」と「M機能:集団を維持しまとめていく機能」の2つの能力に大別し、その機能の高い低いで集団の生産性の機能を理論化したものです。PM理論では4つのタイプのリーダーに分けることができます。
①PM型:目標達成と集団の維持のどちらにも力を発揮するタイプのリーダー
②Pm型:目標達成に対する思考は強いが、集団の維持に向かないタイプのリーダー
③pM型:集団の維持に関しては力を発揮するが、目標達成には消極的なタイプのリーダー
④pm型:目標達成と集団の維持のどちらも劣るタイプのリーダー
ある表を使って点数をつけてこのような4つのタイプに分けることにより、自分の資質に気づくことができるのがPM理論のメリットです。
PDCAサイクル
チームの運営において、業務課題の発見と解決の過程が重要となります。そのため理論や方法の代表的なものとしてPDCAサイクルというものがあります。PDCAサイクルは、アメリカの統計学者デミングが提唱した手法で、デミングサイクルとも呼ばれます。これは頭文字から目標達成をするための流れが示されています。
①P(Plan:計画を立てる)
②D(Do:実行する)
③C(Check評価する)
④A(Act:改善する)
この4つの各工程で得られた知見を繰り返すことによって目標を達成することを可能とします。また、目標達成ができなくても次への課題を明確にすることが可能です。
介福の対策だけではなく現場でも生きる知識
今回は、試験対策だけではなく実際の現場で活躍するために必要な知識となります。介護福祉士や実務者研修の資格を取得すればサービス提供責任者になることができます。サービス提供責任者に就任するということはリーダーになるとことです。そんな実務者研修の資格を取得できるページを下記にご案内いたしますので参考にしてください。
【大阪1安い料金で実務者研修の資格が取得できます】
今回、解説したPM理論やPDCAサイクルをしっかりと駆使し、自分自身がリーダーとして役割を果たしているのか?自分自身を自己覚知する必要があります。その一つ一つの反省や原因帰属を繰り返しながら素晴らしいリーダーになることを目指していきましょう。
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