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介福試験必見!権利に関わる制度や法律を大阪の介護養成学校講師が解説

介護福祉士の試験対策として、権利にかかる制度や法律についての知識を学んでおく必要があります。そんな関わりのある制度や法律とは「個人情報保護法」「成年後見制度」「クーリング・オフ制度」などになります。今回はこのような制度や法律を解説していきますので、ぜひ介護現場で活躍している方も一緒に学んでいきましょう。

個人情報保護法

個人情報の保護については、2003年(平成15年)に制定され「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」が個人情報の適正な取り扱いについて定められている法律になります。ここで定義する個人情報とは次のようなものが当てはまります。

個人情報保護法における「個人情報」の定義

生存する個人に関する情報でその情報に含まれる氏名、生年月日等の記述により、特定の個人を認識できるもの、または個人識別符号が含まれるもの。

となっております。この定義に基づいて、文章、映像、音声などの形式にかかわらず、その情報が誰のものであるのかを識別できるものは個人情報の保護の対象として扱われます。また、個人情報を管理する個人情報取扱事業者には本人の同意を得ずに利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱う事は原則として禁止されています。しかし、原則の例外もあります。それは虐待の疑い」がある時など人の生命や身体、財産の保護のために必要な場合などに限られるということです。

個人識別符号とは

特定の個人の身体的特徴を、コンピューターによる処理のために変換した符号(顔認識、指紋認識、声認識など)です。また、サービスの利用や商品を購入する時に個人に発行されるカードなどの書類に記載される対象者ごとに異なる符号(マイナンバー、基礎年金番号、運転免許証番号など)をいいます。

成年後見制度

成年後見制度は、認知症高齢者や知的障害者、精神障害者等判断能力が不十分な人が自分自身の権利を保護するための制度です。成年後見制度には「法定後見制度」任意後見制度」の2つに分類されます。

法定後見制度

法定後見制度は、選任された保護者が対象者に代わって「財産管理(不動産屋谷地の管理など)」「身上監護(施設の入所といった福祉サービスの契約など)」に携わることができます。法定後見制度には「後見」「保佐」「補助」の3種類があります。それではその3種類について解説していきます。

【後見】

対象者:判断能力が欠けていることが通常の状態の人。本人の同意は不要

保護・監督する人:成年後見人、成年後見監督人

代理権の範囲:財産管理に関する法律行為の全般的な代理店

【保佐】

対象者:判断能力が著しく不十分な人。本人の同意は不要

保護・監督する人:保佐人、保佐監督人

代理権の範囲:特定の法律行為についての代理権(申し立てによる)

【補助】

対象者:判断能力が不十分な人。本人の同意が必要

保護・監督する人:補助人、補助監督人

代理権の範囲:特定の法律行為についての代理権(申し立てによる)

法定後見制度の手続き

制度を利用するためには家庭裁判所に対して後見開始の申し立てを行い、審査を受ける必要があります。申し立てできるのは対象者本人」「配偶者」「4親等内の親族」「未成年後見人」「市町村長(65歳以上の福祉を図るため特に必要と認められる場合)」「検察官」となります。

申し立てを受けて裁判所は本人の判断能力を判定、そして、後見人等を選任します。専門家なども後見人になることができ後見人などの監督は家庭裁判所が行いますが、必要に応じて監督人などを選任することもあります。

後見人等

後見人等には、「親族後見人」と親族以外の「第三者後見人」があり、近年は第三者後見人として司法書士、弁護士、社会福祉士などの専門職が選任されることが増えてきました。また、社会福祉協議会、福祉関係の法人、社会福祉法人のほか、成年後見人等の事務を行うことを目的として設立されるNPO法人なども後見人に選任することができます。最高裁判事務総局家庭局「成年後見関係事件の概要」によると、

親族が成年後見人等に選任されたのが19.8%

親族以外の第三者が成年後見人等に選任されたのが80.2%

8割以上が親族以外の第三者が成年後見人と選任されていることがわかります。また、「後見」「保佐」「補助」のうち最も申し立て件数が多いのは「後見」となっています。

ここで問題!

【問題】

成年後見人等として活動している人が最も多い職種は、行政書士である。

【答え】

成年後見人等として活動している人が最も多い職種は、司法書士である。

任意後見制度

任意後見制度は、対象者本人が判断能力の低下が起こる前に任意後見人を選任し契約を結ぶ制度です。委任契約により、当事者間で合意した特定の法律行為について代理権に基づき支援が行われます。契約は公認証書で行われます。家庭裁判所に任意後見監督人の選任を申し立て、監督人が選任されることで任意後見が開始されます。

監督人の申し立てができるのは本人、配偶者、4親等内の親族、任意後見受任者となります。

裁判所は任意後見監督人から定期的な報告を受け、任意後見人に不正があった場合は、監督人の請求を受けて任意後見人を解任することができます。本人が死亡、または任意後見人が死亡・破産をした場合に任意後見契約は終了します。

ここで問題!

【問題】

任意後見制度では、候補者の中から家庭裁判所が成年後見人を選任する。

【答え】

答えは「×」です。任意後見制度では、対象本人が判断能力の低下する前に任意後見人を選任し契約を結ぶ制度です。

成年後見制度利用支援事業

成年後見制度の利用にあたっては、申し立て費用、後見人等の報酬などの費用がかかります。この負担は本人負担となります。その費用負担が困難な人に対しては、費用を助成する成年後見制度利用支援事業」があります。これは介護保険の「地域支援事業」障害者総合支援法の「地域生活支援事業」の1つとして実施されています。

障害者総合支援法の地域生活支援事業では「必須事業」となりますが、介護保険の地域支援事業では「任意事業」とされています。

なお、成年後見制度をより広く社会に認知するために2016年(平成28年)に「成年後見制度の利用の促進に関する法律(成年後見制度利用促進法)」が制定されました。この法律では制度の基本理念」「国や地方公共団体の責務」「利用促進に関する施策へ協力する国民の努力義務」などが定められました。

クーリングオフ制度

クーリング・オフ制度とは、契約書の受領後、定の期間内であればその契約を取り消すことができるという制度です。クーリング・オフの適用が可能かどうかは消費生活センターに相談をします。それではクーリング・オフ制度の対象について解説していきます。なお店舗販売は、自主的に購入したとされクーリング・オフの対象外となります。※ここでいうクーリングオフ期間とは、法定の契約書面が交付された日を1日目とする。

クーリング・オフ制度の対象

【訪問販売】

事業者が自宅などを訪問して販売を行う契約です。キャッチセールス等により店舗で取引を行う場合も含みます。

クーリング・オフ期間は「8日間」

【通信販売】

メディアで広告し電話などで契約を行う販売方法です。店舗購入と同様、自主的・積極的な取り組みとされクーリング・オフの対象となりません。しかし、店舗購入、通信販売の場合でも、リフォーム工事の契約では、売買の手段が訪問販売等であれば工事完了後でも制度の対象となります。

【電話勧誘販売】

電話で勧誘を受け契約をします。電話勧誘後に郵便などで申し込む場合も含まれます。

クーリング・オフ期間「8日間」

【連鎖販売取引】

販売組織を連鎖的に拡大する取引の契約です。マルチ商法、ネットワーク商法などが当たります。

クーリングオフ期間は「20日間」

【特定継続的役務提供】

長期・継続的で高額な取引を行う契約です。エステティックサロン、美容医療契約、語学教室など指定の7業種が対象となります。

クーリング・オフ期間は「8日間」

【業務提供誘引販売取引】

仕事の提供と引き換えに商品購入を契約します。

クーリング・オフ期間は「20日」

【訪問購入】

事業者が自宅などを訪問して購入を行う契約です。

クーリングオフ期間は「8日間」

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