医療法における医療提供施設について大阪介護の資格学校講師が解説
医療法は、医療提供施設や医療提供体制、医療法人の設立など医療全体の基準を示した法律です。まずは初めに医療法に基づく「病院」と「診療所」の違いについて理解しておく必要があります。それではその違いについて次に解説します。
病院と診療所の違い
【病院】
医師又は歯科医師が医療を行う施設であり、20床以上の病床を備えている施設
【診療所】
医師又は歯科医師が医療を行う施設であり、病床が0、または19床以下の病床を備えている施設
またこれらの病院のうち、一定の機能を持つ病院には「地域医療施設病院」や「特定機能病院」としての承認を受けることができます。それではその一定の機能を持つ病院の分類を説明します。
地域医療施設病院と特定機能病院の内容
【地域医療施設病院】
地域における医療の確保のために必要な支援を行う病院です。原則としては200床以上の病床を備えており、都道府県知事により承認された施設です。
【特定機能病院】
高度医療の提供や技術の開発・評価、研修などを行う病院です。400床以上の病床を備えており、厚生労働大臣の承認されます。
ここで問題!
【問題】
診療所は、29人以下の入院設備がなくてはならない。
【答え】
答えは「×」です。診療所の定義は入院施設を持たない。または19人以下の患者を入院させるための施設とされています。
精神保健福祉法に基づく入院形態
「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)」は、精神障害者の医療と保護、社会復帰の促進などを目的とした法律です。この法律では、精神障害者の状態に応じて、本人の同意や都道府県知事の措置などにより入院による医療や保護が行われます。精神保健福祉法に基づく入院形態は5つあり「任意入院」「措置入院」「緊急措置入院」「医療保護入院」「応急入院」があります。それではその入院形態について次に解説していきます。
精神保健福祉法に基づく入院形態
【任意入院】
本人の同意に基づく入院形態です。精神保健指定の診察により、必要があれば72時間(特定医師による診察の場合は12時間)を限度に入院を継続できる方法です。
【措置入院】
2名以上の精神保健指定の診察により、自傷や他害の恐れがあると認められた場合に、都道府県知事の措置で行われる入院形態です。本人や家族などの同意を必要とせず入院させることができます。
【緊急措置入院】
緊急を要し、措置入院の手続きが取れない場合に1名の精神保健指定の診察を得て、都道府県知事の措置で行われる入院形態です。72時間を限度として入院させることができます。
【医療保護入院】
精神保健指定の診察を得て、入院が必要とされた場合に、家族などの同意によって行われる72時間(特定医師よる診察の場合は12時間)を限度に行われる入院形態です。
【応急入院】
急を要するが家族の同意が得ることが出来ない場合に、精神保健指定の診察により、72時間(特定医師による診察の場合は12時間)を限度に入院を継続できる方法です。
精神保健指定と特定しの違い
精神保健指定とは、「精神保健福祉法」第18条に規定されており、一定以上の精神科の経験と研修を受けたもので、行動制限に係る判断を行うことができる医師とされています。
特定医師とは、医籍登録後4年以上経過し、かつ精神科臨床経験が2年以上ある医師とされています。
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