和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

介護福祉試験対策!排泄に関して大阪介護の資格の学校講師と学ぼう

今回、解説していく内容は介護福祉士国家試験の試験範囲でもあるこころとからだのしくみ」の中でも出題傾向にある内容となっています。現在、カイゴミライズアカデミーでも2023年1月29日(日曜日)に行われる筆記試験に向けて受講生さんと猛勉強中です。そんな国家試験対策を行う講師として全員の合格を目指して熱意バリバリで講義を行ってきたいと思います。

まず今回、解説する「排泄」とは、体内の不要物を体外に排出する行為であり、生きていくためには欠かせない行為です。排泄が正常になされなくなると、不快感といった感情にとどまらず、生理的な機能の異常をきたす恐れもあります。このページでは排尿の仕組みや排尿障害、また排便も排泄に関わる内容になっていますのでしっかりとポイントを押さえて学んでいきましょう。

排泄のしくみ

1日の尿量や1回に排尿される量には、基準値があります。成人の場合は、「1日に尿量1000〜2000mℓ」「1回の尿量200〜300mℓ」となっており、1日の排尿回数は5〜7回になります。

この基準値の考え方から、排出される尿量によって「無尿」「乏尿」「多尿」に分類されます。それではその基準値から外れた尿量について次に解説します。

基準値から外れた尿量

【無尿】

尿量が1日に50〜100mℓ以下になった状態です。原因は、ネフローゼ症候群、急性腎不全などです。

【乏尿】

尿量が1日に400mℓ以下になった状態です。原因は、ネフローゼ症候群、急性腎不全などです。

【多尿】

尿量が1日に3000mℓ以上になった状態です。原因は糖尿病などです。

排尿の仕組み

尿は次のような流れで生成され排尿に至ります。

食物や水分を摂取します

②老廃物や余分な栄養素が血液によって腎臓に運ばます

腎臓の糸球体で、血液が濾過されます。タンパク質以外の血漿成分が原尿となります。

④尿細管でブドウ糖、アミノ酸などが再吸収されます

⑤集合管で水分がさらに吸収されてようになり、尿管を通って膀胱へ運ばれ貯蔵されます

⑥尿意を感じると大脳からの指示により、尿道括約筋が緩み排尿筋が収縮して膀胱がゆるみ尿道から排尿が行われます

排尿障害について

排尿障害の代表的なものものとして尿失禁があります。尿失禁は、からだの機能の低下などによって排尿のコントロールが難しくなり、尿を漏らしてしまう状態をいいます。そんな尿失禁には切迫性尿失禁」「腹圧性尿失禁」「溢流性尿失禁」「機能性の失禁」「反射性尿失禁」の5種類があります。この5種類の特徴について詳しく解説していきます。

尿失禁の種類と内容

【切迫性尿失禁】

尿をためる機能に障害があり、強い尿意を感じてからトイレまで我慢できずに漏らしてしまう失禁です。脳血管疾患、膀胱炎、前立腺肥大症、尿路感染症などで多く見みられます。

【腹圧性尿失禁】

くしゃみや咳などにより腹圧がかかることによって、尿が漏れてしまう失禁です。骨盤底筋群の機能低下が原因となります。女性に多くみられます。

【溢流性尿失禁】

高度の前立腺肥大症や前立腺がんなどから尿道が狭窄・閉塞することにより、排尿困難によって膀胱に残尿があることで溢れるように漏れてしまう失禁です

【機能性尿失禁】

認知症によってトイレの場所や便器の使用方法がわからないまたは下肢の筋力低下など運動機能の低下によってトイレまで排尿が間に合わずに漏れてしまう失禁です。

【反射性尿失禁】

脊髄損傷などの原因により、膀胱に一定量の尿が溜まっても尿意を感じられず、反射的に漏れてしまう失禁です。

ここで問題!

【問題】

尿意を感じて我慢できずに失禁してしまう排尿障害は、溢流性尿失禁である。

【答え】

答えは「×」です。尿をためる機能に障害があり、尿意を感じてからトイレまで我慢できず失禁してしまうのは切迫性尿失禁です。

排便のしくみ

成人の場合、便は「1回に100〜250g」「一日に1〜3回」排出されます。色は通常、茶褐色であり、色の変化によって健康状態の異常を見分けることができます。それでは便の色による異常とはどんなことが考えられるか解説いたします。

便の色による異常の原因

【黒色】

タール便とも呼ばれ、原因は胃や十二指腸などの上部消化管からの出血が考えられます。

【鮮紅色】

大腸などの下部消化管からの出血が原因と考えられます。

【灰白色】

胆汁の分泌不足や閉塞性黄疸の原因が考えられます。

便の生成と排便

便は次のような流れで排便されます。

食物を摂取します

胃で食物が消化されます

小腸で水分や栄養素が吸収されます

大腸で食物のカスや腸内の細菌などが混ざり、便が生成されます。一定量になると直腸に運ばれ貯蔵されます。

⑤直腸に便が来ると、不随意筋である「内肛門括約筋」が緩みます。そして、大脳の指示により「外肛門括約筋」を意識的に弛緩させることにより直腸の蠕動運動が起こり排便がなされます。

排便障害について

排便の障害で代表的なものとして便秘について詳しく解説していきます。便秘は、大腸での便の通過が遅れることにより、水分を失った便がとどまることで排便することが難しくなっている状態をいいます。その他にも便秘の原因としては、麻薬性鎮痛剤や抗うつ剤などによる副作用も便秘を引き起こす要因になります。

便秘には「器質性便秘」「機能性便秘」の2つに分類することができます。

機能性便秘はさらに「弛緩性便秘」「痙攣性便秘」「直腸性便秘」に分類することができます。それではその便秘について次に解説していきます。

器質性便秘

がんにより大腸の異常などを原因として、排便が難しくなる便秘です。「便が細い」「血便が出る」といった特徴がみられます。

機能性便秘

【弛緩性便秘】

運動不足や食物繊維の摂取不足などにより、大腸の緊張度が弱まり蠕動運動が低下することで便がとどまり便秘になります。高齢者や女性に多くみられ、太くて硬い便が出るといった特徴がみられます。

【痙攣性便秘】

大腸の緊張度が高まり強く収縮することにより排便が妨げられる便秘です過敏性腸症候群によるストレスなどが原因になりコロコロとした硬い便が出るのが特徴です。

【直腸性便秘】

直腸に便が溜まっていても便意が起らない(便秘反射の低下)また、便意があっても排便を我慢してしまうことなどが原因により起こる便秘です。便が固い、排便時に痛みがあるといった特徴がみられます。

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