【関西区域の移動支援事情】大阪府は他の地域と報酬が2倍以上違う!?現状について

移動支援事業(ガイドヘルパー)のサービスは、地域支援事業の中で運営されており、市町村が独自のルールを定められるサービスです。そういったことから地域により違いがみられるのが特徴です。この違いとは、サービス内容や利用者様の対象、事業所に支払われる報酬、請求方法など様々です。
今回は近畿地域周辺に関して介護報酬をリサーチした結果、地域によっては倍以上に違う報酬違いがあることが事実としてあり、そんな内容を解説いたします。
移動支援における介護報酬の違い
今回は近畿周辺を調べ、その結果を報告いたします。大阪府以外の地域では介護報酬が障害程度によって区別化されているのが当たり前となっております。その区別化とはサービス提供を行うにあたって、サービスにを提供する際に「身体介護を伴う」「身体介護を伴わない」の設定が存在し、報酬に差別化をなされているのが現状です。
移動支援の利用者様の障害種別は以下の3種類存在いたします。
・身体障がい者
・知的障がい者
・精神障がい者
になります。この種別の中からサービス提供にあたって、身体的な介護が必要な場合は「身体介護伴う」という前提で考えられ、見守り程度で大丈夫な場合は「身体介護伴わない」という前提で考えられます。
これらの前提に業務の専門性など配慮し差別化を図り、身体介護を伴う場合には、高い報酬を。身体介護を伴わない場合には、普通の報酬をと考えられています。
地域別で支払われる報酬について
近畿圏内周辺(兵庫県・和歌山県・奈良県)のリサーチを行ったところ「身体介護伴う」「身体介護伴わない」の差別化がされています。
また、今回問題となる大阪府の介護報酬は差別化されておらず、一律で支払われる報酬額となります。しかし、大阪府にも限定的(大阪北部の方)身体介護伴う「身体介護伴わない」の差別化がなされています。
事業所に支払われる報酬額とは
はじめに触れた内容になりますが、地域支援事業となりますので、市町村によって報酬が変わることがこのサービスの特徴です。こういったことから一律の金額を提示はできず、大体の金額とさせていただきます。
身体介護伴う場合には「1時間約4000円」の報酬が事業所に支払われることが多い傾向にあります。
身体介護伴わない場合には「1時間1800円から1600円位」の報酬が事業所に支払うことが多い傾向にあります。※近畿周辺都道府県 移動支援報酬一覧表 下記画像参照

しかし、大阪府に関しては、サービスの差別化なく、一律の介護報酬が支払われ、他の都道府県と比べると、報酬的には「身体介護伴わない」の金額しか事業所に対して支払われない内容となります。※大阪府全市町村 移動支援報酬一覧表 下記画像参照

移動支援の介護報酬と最低賃金について
今回は、大阪府の移動支援においての介護報酬の低さに注目して解説していきます。
私達が運営する訪問介護事業所がサービス実施をしている南大阪では1時間1800円の報酬が支払われます。しかし、この1800円という金額は移動支援事業ができた。2006年から金額は変わらないのが実際です。この2006年の頃はスムーズに移動支援のサービスを受けることができ、利用者様も使用することができました。その背景にはこの頃の大阪の時給に対しての最低賃金は「712円」となっていました。しかし、現在(2025年10月21日)大阪の時給に対しの最低賃金は「1177円」となっております。
こういったことからガイドヘルパーとして活躍する介護従事者に支払われる金額とサービスに関わる事務作業等(計画書の作成、請求業務、その他管理業務)を考慮すると、赤字または収益なく運営している事業者がほとんどです。
こういった問題があり、大阪府のほとんどでは、移動支援サービスが他の都道府県と比べて運営するにあたりサービスを受けることが難しいのが現状です。それにより利用者様も移動支援サービスを使って日中の活動が行えない問題も発生しています。
そんな問題を解決するための運動
事業所がサービスを受けないことにより利用者様がサービスを使えない。そういった現状をできる限り解消していくために、移動支援向上委員会を南大阪の事業所で立ち上げ、南大阪の市長会議員に訴えています。私たちが市長会議議員に移動支援についてお話しすると、こういったサービスがあること。そして、そのような問題を抱えていることは知らないというのが現状です。現在、移動支援サービスを提供する訪問介護事業所は過去最多倒産する件数が増えているデータが出ています。私たちは福祉に元気を与えるため声を上げて、問題解決に励んでいきます。
移動支援向上委員会の実績
また、各市町村の障害福祉課にもこのような声を訴えることにより業務の効率化と介護報酬の見直しを行うための運動を行っております。
現在、この委員会での実績は大阪府忠岡町の「移動支援計画書の簡略化」が行いました。しかし、この事務作業もいまだに紙媒体で運営されており、印鑑が必要な市町村もたくさんあります。
このように事務作業の簡素化をすることに、より、作業効率を高めることでガイドヘルパーとして現場に携わる時間にも充てることができ、紙媒体ではなく、データ化を行うことによって、私たち事業所も市役所のほうも記録の置き場が必要なくあり、パソコンであれば確認したい記録もすぐに検索でき、作業効率が上がります。こういった介護報酬から記録の運用等様々な働きかけを行っております。
« 前のページに戻る