和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン57「生活支援技術〜排泄物〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回は介護福祉士の試験範囲にもなります生活支援技術」の分野について解説していきます。その中から排泄物」についてまとめていきたいます。排泄物は人間の健康を把握する上で重要な情報になります。

目次

・下痢について

・便秘について

・尿失禁と便失禁

・その他の排泄介助

・まとめ、感想

下痢について

下痢とは、軟便や水便など、水分の多い便が続けて排泄されることをいいます。下痢が続くと水分電解質が失われるために脱水症状が起こしやすくなります。

【下痢の原因】

①過食や脂肪の多い食事による消化不良

薬剤や下剤の使用

③腸管の感染症

心理的影響

上記による原因で下痢を起こしてしまいます。また、肛門周囲を強く拭きすぎると炎症が起きますので気をつける必要があります。

便に血が混じるなどの異常が見られた場合には、すぐに医療職に相談します。

【下痢の対応】

①下痢が続くと脱水症状になる恐れがあるため水分を補給します。経口摂取が可能な場合は、白湯常温のスポーツドリンク100mL位ずつ補給します。

②下痢の時は、冷たい水牛乳炭酸飲料は避けます。食事は下痢が止まってからおかゆ等の消化の良いものから食べ始めます

下腹部を温め腸蠕動運動を落ち着かせる

④排便後は、肛門の周囲を洗浄。または柔らかいティッシュで押し拭きをする。

⑤感染症による下痢の場合は、排泄物が感染源となりますので、感染症対策をしっかりと行います。その他、普通の便に関しても、その恐れがありますので徹底する必要があります。

⑥下痢が続き治らない場合は、医療職に相談します。

便秘について

便秘とは、排便の回数が減り便が出なくなった状態のことをいい、便の大腸内通過が遅延した状態のことです。水分量が少ないことにより硬い便になり出にくくなることにより、お腹の張りがみられ残便感などを自覚するようになります。

【便秘の原因】

①適切ではない食事水分量

心理的影響

疾患薬の影響

活動の低下による影響。

排便環境の変化。または、不適切な排便環境による影響。

【便秘の対応】

①適切な水分摂取量を摂取する。

食物繊維の多い海藻類やサツマイモなどを献立に取り入れる。

乳酸菌が多いヨーグルトなどを摂取する。

④食事の量は減らさず、適切な量を摂取する。

排便反射による便意を逃さずに、排便の習慣づけを行う。

⑥腹圧がかけやすい前傾姿勢で便座に座り排便を行う。

⑦腹部全体を温める。

⑧便秘解消マッサージや腹部の運動を行う。便秘解消マッサージは、腸の走行に合わせて、時計回りに円を描くように腹部をさすります。

⑨直腸性便秘の場合は、朝食後トイレに誘導する。

尿失禁と便失禁

【尿失禁】

様々な原因により我慢できずに排尿してしまうことを尿失禁といいます。尿失禁があったからといってすぐにおむつの着用を使用することは避けます。ポータブルトイレなど福祉用具を活用して本人の残存能力を活用し人格の尊重を行うことが大切です。また、排泄介助は尿路感染症に注意する必要があり清潔保持の介助を行います。

【認知症の原因による機能性尿失禁の注意点】

①尿意の訴えがないときは、尿意動作のサインでトイレに誘導する。

排尿のリズムを把握してトイレに誘導する。

③排泄の量や便の形状などを記録しておく。

④衣服の着脱方法がわからない場合は、着脱が簡単にできる衣服も検討します。

【便失禁】

便失禁時に注意することは、直腸内に硬い便が詰まった状態による「嵌入便」により、水様便が持続的に漏れているために下痢と間違えやすいことです。医療職の指示で大学の子挿入や浣腸を行うこともあります。

その他の排泄介助

【導尿】

膀胱には尿が溜まっているが自力で尿を出せない人が行う医療行為です。尿道から直接膀胱内にカテーテルを挿入し、「一時的導尿やカテーテル留置による「持続的導尿」「間欠的導尿」をおこないます。

※間欠的導尿は、神経疾患により排尿障害になった場合に1日数回自己導尿を行うことです。

【留置カテーテルによる導尿】

留置カテーテルの装着者に対しては下記の事について注意する必要があります。

尿路感染症予防のための陰部の清潔。

② 1日1500〜2000m Lの十分な水分摂取を行う。

パウチは膀胱よりも低い位置に固定し、逆流を防ぐ。

④プライバシや羞恥心に配慮する。また、パウチには尿の観察時以外カバーを装着しておく。

男性の場合血行障害を引き起こさないよう陰茎を上向きにして、腹部に留置カテーテル固定する。

【消化管ストーマ】

消化管ストーマは、便が溜まっていても肛門から排泄できない方がおこないます。排泄物がパウチの3分の1から半分程度たまったら処理するように助言します。食生活では食物繊維の摂りすぎに気をつけます。また、ウェストを締め付ける服の着用は注意が必要です。

まとめ、感想

今回は尿や便についての知識を解説していきました。導尿や留置カテーテル等に関しては医療行為も関係してきますので、介護者だけの判断で行う事は望ましくありません。

また、医療行為に関しては違うページでも解説していますので下記のページを参考にしていただければと思います。

≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン32「介護の基本〜多職種〜」≫

本日もお疲れ様でした。

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