和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン58「生活支援技術〜調理〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回は介護福祉士試験範囲の中から「生活支援技術」について解説していきます。介護には身体介護と家事援助(生活援助)があります。今回は「家事援助」について詳しくまとめていきたいと思います。

目次

・家事援助(生活援助)とは

・日本の食生活の変化

・調理するための食材の下処理

・凝固剤を使った調理方法

・米の炊き方

・食塩についての注意

・食中毒について

・まとめ、感想

家事援助(生活援助)とは

家事援助は介護保険制度の中にある訪問介護(ホームヘルプサービス)の中で位置づけられています。訪問介護では、食事介助や排泄、入浴などの介助を行う「身体介護」掃除や洗濯、食事の準備や調理の支援などを行う「生活援助」通院時に車の乗車降車の解除を行う「通院乗降介助」があります。

そして、生活援助の基本は、利用者ができる事は利用者自身にやってもらう「自立支援」の考えを前提に行う必要があります。残存機能の活用を行うことにより心身機能の低下予防、また、家庭内での役割を担うなど、本人の意欲の向上を行うことも大切です。

生活援助は、利用者以外の家族に対する家事は認められていません

日本の食生活の変化

日本の食生活は昔から変化してきており、家庭での調理が簡便化傾向にあります。その中でも問題視されているのは「中食」「個食」「孤食」が多くなってきていることです。

【中食】

家庭で調理することなく、市販のお弁当やお惣菜を購入し家庭で食べること。

【個食】

家族で一緒に食事をするが、食事の好みなどが違うことにより個人個人が別の料理を食べること

【孤食】

1人で食事をとること。

調理するための食材の下処理

調理する際には食材から熱が出たり、臭みが出たりすることもあります。また適切な下処理が行われると見た目も良くなり、きれいな色や形で食事の提供を行うことができます。見た目も美味しさも大事にするためには下処理が必要です。また、利用者の咀嚼や嚥下状態によっては食材の加工をする時にも配慮が必要です。それでは食材によってどのような下処理がポイントになるのか解説していきます。

【油揚げ】

表面の油を抜くために、調理前には熱湯をかけて油を落とします。

【しじみ、あさり、はまぐりなどの貝類】

食塩水に浸して、暗いところで砂を吐かせます。しじみは1%、あさりやはまぐりは3%の食塩の濃度です。

【ごぼう】

包丁の背で皮をこそげ落として後、包丁で切り、多めの水につけてアクを抜きます。

【茄子】

包丁で切った後に、水につけてアクを抜きます。

【肉類】

生姜やニンニクの汁につけて臭みを抑えます。また、煮物などに使用する場合には汁の上に浮いたアクをとります。

【魚類】

魚類は臭いがきついので、酒、食塩、生姜、ネギ、牛乳等に浸すことによって臭いを抑えることができます。小麦粉をまぶすと旨味を閉じ込めることができます。

【ほうれん草などの青菜】

沸騰したお湯に食塩を入れて短時間で加熱します。湯で上がったらすぐに冷水に浸します。

【れんこん】

切った後に酢水につけると変色防止ができます。

【じゃがいも】

ジャガイモの芽にはソラニンという有毒な物質が含まれているため取り除く必要があります。

凝固剤を使った調理方法

凝固剤を使うことにより、嚥下機能が低下している利用者でも誤嚥することなく食事することができます。必要に応じてとろみをつけるなどし適切な食事の提供を行います。

【デンプンを使用した調理】

片栗粉、くず粉、コーンスターチに水を加えて加熱するととろみがつきます。料理になめらかな口触りを与えるだけではなく、嚥下状態の低下している利用者でも飲み込みやすくなります。

【寒天、ゼラチン、ペクチンを使用した調理】

寒天、ゼラチン、ペクチンはどれも凝固剤として使用されますが原材料が違います。

寒天の原材料は海藻でできており、融解温度は90〜100℃であり、凝固温度は28度〜35℃。

ゼラチンの原材料は動物の皮や骨でできており、融解温度は40〜50℃であり、凝固温度は5〜12℃。

ペクチンの果物が原料でできており、砂糖と酸の働きにより凝固します。

米の炊き方

米の炊き方には「炊飯」「かゆ」「おもゆ」の3つに分類することができます。それぞれの炊き方について説明していきます。

【炊飯】

米の重量に対して1.5倍、容量では1.2倍の水を加えます。1時間から2時間置いてから炊きます。

【粥】

米の容量に対して5〜20倍の水を加えて、水に浸した後ゆっくりと炊きます。かき混ぜるほど粘り気の強い粥になります。粥は水の量で「全粥(5倍)」「7分粥(7倍)」「5分粥(10倍)」「3分粥(20倍)」に分類することができる。

食塩についての注意

食塩を過剰摂取しすぎると高血圧になります。1日の摂取量は、男性で7.5g未満」「女性で6.5g未満」とされています。高血圧を予防するためには野菜や果物などカリウムの多い食品を摂したり、減塩食を取り入れる必要があります。減塩食は、汁物の場合はだしを効かせたり具を多くしたりし旨味を利用することにより食塩を少なくし味付けします。その他にも香味野菜(ニンニク、生姜、しそなど)や香辛を利用します。食塩の取りすぎは生活習慣病に関係しますので注意が必要です。

生活習慣病については違うページで詳しくまとめていますので、下記のページを参考にしてください。

≪令和3年度ケアマ試験をケアマネ資格取得者が解説!レッスン20【保健医療サービス〜健康予防〜】≫

食中毒について

食中毒を防ぐにはポイントは次のようになります。

①生肉を切った包丁とまな板は、水で洗った後に熱湯をかけて消毒する。

②いちど解凍した食品は再度、冷凍しない。

中心部の温度が75度以上で1分間以上の加熱が必要、

④調理後の食品を常温で保存しない。

まとめ、感想

今回は支援技術の中でも訪問介護の中にある生活援助の内容について行ってきました。訪問介護では調理を行うサービスが多く、様々な環境や食材で調理を行わなければなりません。利用者には美味しく食べてもらい、健康維持するのも我々、介護職の仕事です。そして、健康に食べてもらうためには調理方法についてもしっかりと学んでおく必要があります。

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