和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン69「発達と老化の理解〜高齢者の定義〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回は介護福祉士の試験範囲から「発達と老化の理解」について解説していきます。今回はその分野の中でも高齢者の定義についてまとめていきたいと思います。

目次

・高齢者の定義

・老化現象の基準

・老化現象の分類

・老年症候群について

・老年期の課題について

高齢者の定義

様々な法律や関係機関により高齢者は65歳以上と規定されています。ここでは65歳以上と明記されている法律等についてまとめていきます。

【介護保険法】

「第一号被保険者」65歳以上定められた。第二号被保険者は40歳以上65歳未満である。

【老人福祉法】

高齢者は、65歳以上と定められた。

【後期高齢者医療制度(高齢者の医療の確保に関する法律)】

65歳以上75歳未満「前期高齢者」75歳以上後期高齢者」と定められた。

【高齢者雇用安定法(高齢者等の雇用の安定に関する法律)】

この法律では、定年制を設ける場合は60歳以上年、65歳までの継続雇用制度を義務づけています。

【高齢者虐待防止法(高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律)】

高齢者を、65歳以上と規定している。

【道路交通法】

普通自動車免許を受けている70歳以上の人で、加齢に伴って生じる身体機能の低下が運転に影響を及ぼす恐れがあるときは、運転する自動車に高齢運転者標識をつけるように努める。

【WHO (世界保健機関)】

高齢者を、65歳以上と規定している。

【総務省の人口推計】

65歳以上「老年人口」と規定している。老年人口が7%超えると高齢化社会、老年人口が14%を超えると高齢社会、老年人口が21%を超えると超高齢社会といわれます。

【国連の人口統計】

高齢者を60歳以上65歳以上2つに区分されている。

老化現象の基準

老化現象には4つの基準があります。これらの基準を満たすことが老化現象と言われます。

【普遍性】

誰にでも起こりえる現象。病気や障害は普遍性ではない。

【固有性】

出世、成長、死というような個体に固有の現象で、必然的に生じる現象。

【進行性】

堪えないの不可逆的な変化が徐々に個体に現れてくる過程。

【有害性】

個体の機能低下が衰えに有害に働き、死の確率が高くなる。

老化現象の分類

老化現象は、生理的老化と病的老化に分類することができます。

【生理的老化】

記憶力の低下、老眼、白髪など加齢によって誰にでも起こりうる老化現象のこと。疾病や怪我、生活スタイルは含まれない。

【病的老化】

骨粗しょう症や血管性認知症など、老年期に多い疾病によって引き起こされる老化現象。

老年症候群について

加齢に伴い心身に現れる症状の総称のことを老年症候群といいます。身体的、精神的にも影響があります。

【排泄機能障害】

便秘失禁などが多くなる。

【感覚機能障害】

視覚障害聴覚障害などが現れる。

【移動能力障害】

寝たきり廃用症候群などの可能性が高くなる。

【栄養摂取障害】

低栄養脱水などが起こりやすくなる。

【精神心理的障害】

認知症などが発症しやすくなる。

老年期の課題について

人間は加齢に伴い様々な喪失体験により、意欲の低下が見られます。老年期の課題としてよく使われる用語について説明していきます。

【サクセスフル・エイジング】

老化にうまく適応し、老年期を幸せに過ごしていくことです。長寿であること。QOLが高いこと。社会貢献をしていることが構成要素となっています。

【プロダクティブ・エイジング】

バトラーが提唱しました。高齢者であってもプロダクティブな活動を行い、自立して、生産的、創造的な生き方をすべきであるという考え方。プロダクティブな活動には、労働、ボランティア、家事、セルフケアなどが含まれます。

【喪失体験】

定年退職による社会的地位社会的役割の喪失。子供の自立、配偶者幼児の死別など人間関係の喪失今までできていたことが老化によってできなくなる健康の喪失さまざまな喪失体験により高齢者は生きがいそのものを奪われがちです。孤独感、不安感、戸惑いが生じ、不眠等の発症が現れることもあります。

【老人性自覚】

自分自身の心身の衰えなどによる内的要因環境の変化などによる外的要因。2つの要因により、自分自身が高齢者であることを自覚します。老人性自覚の出現には個人差があります。

【老化プログラム説】

生理的老化の原因を解く老化プログラム説は、人の細胞の回数があらかじめ決められていることで老化が生じるいう考え方。

まとめ、感想

今回まとめた内容は高齢者についての定義や老化によりどのような現象が起こるのかを説明してきました。老化と言うものは個人差があり一律ではないということをポイントとし覚えておく必要があります。

また、これとともに日本の高齢化率や、高齢者世帯の現状なども行えて覚えておくとさらに良いかと思います。

高齢化率や高齢者世帯の現状については違うページで詳しくまとめていますので、下記のページを参考してください。

【高齢化率】

≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン21「社会の理解〜介護の歴史〜」≫

【高齢世帯の現状】

≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン26「介護の基本〜高齢者〜」≫

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