和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン87「認知症の理解〜アルツハイマー型認知症〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も介護福祉士の試験範囲から様々な分野について解説していきたいと思います。

今回解説する内容は「認知症の理解」から認知症の様々な種類について解説していきたいと思います。

今回投稿していく内容は「アルツハイマー型認知症」の内容について詳しく投稿していきたいと思います。

目次

・アルツハイマー型認知症とは

・アルツハイマー型認知症の特徴

・アルツハイマー認知症の進行

・アルツハイマー型認知症の症状

・アルツハイマー型認知症の治療薬について

・まとめ、感想

アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症はドイツの精神が医師アルツハイマーによって報告された認知症疾患です。

認知症の疾患上でも最も多い原因疾患であり、進行性の脳疾患です。

アルツハイマー型認知症の特徴

大脳皮質の神経細胞が消失し脳萎縮が生じます。

老人斑、神経原線維変化、神経細胞萎縮が生じる。側頭葉から頭頂葉にかけて著しく生じ、進行すると前頭葉に及びます。

記憶に関する側頭葉の海馬、大脳辺縁系に病変が見られ、末期を除けば運動機能は保持される。また女性に多く見られる傾向にあり、徐々に進行します。

※ 老人斑とは、脳の神経細胞から作られるタンパク質がアミロイドβというタンパク質に変性し、大脳皮質の神経細胞に沈着し老人斑となる。脳の神経細胞を圧縮し、死滅させます。

※神経原性線維変化とは、神経細胞の中に線維状の物質が付いている状態です。これが増加すると正常な神経細胞が減少し、脳が正常に機能しなくなります。

アルツハイマー認知症の進行

【重症度 正常】

≪中核症状≫

異常なし

≪行動、心理症状(BPSD)≫

異常なし

【重症度 軽度】

≪中核症状≫

記憶障害

≪行動、心理症状(BPSD)≫

抑うつ症状、もの盗られ妄想など

【重症度 中等度】

≪中核症状≫

記憶障害、高次脳機能障害

≪行動、心理症状(BPSD)≫

迷子、帰宅願望など

【重症度 重度】

≪中核症状≫

記憶障害、高次脳機能障害、人格崩壊

≪行動、心理症状(BPSD)≫

徘徊

【重症度 極めて重度(寝たきり)】

≪中核症状≫

記憶障害

≪行動、心理症状(BPSD)≫

なし

アルツハイマー型認知症の症状

発症時期は明確ではなく、物忘れから始まり、ゆっくりと進行します。症状は記憶障害から人格にかかるものまで多岐に渡ります。

【記憶障害】

同じことを繰り返し話します。出来事(エピソード記憶)を忘れる。記憶低下の頻度が高く、もの盗られ妄想などが見られます。

【思考と判断能力の障害】

物事の適切な判断ができない。また、手順を踏んで一連の作業を行う遂行機能障害が初期から見られます

【巣症状】

病巣のある領域における脳の機能が失われる。失行、失認、失語、失計算等の症状が見られます。

※失行、失認、失語、失計算等の症状に関しては、違うページに詳しくまとめていますので下記のページを参考にしてください。

≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン86「認知症の理解〜MCIと物忘れの違い〜」≫

【見当識障害】

時間→場所→人→物の順にわからなくなることが多い。

【人格の変化】

人格は比較的保たれます。進行すると顕著に変化します。暴言、暴力などが見られます。

【神経症状】

筋肉が緊張して硬くなる、歩行障害、末期には自発性の喪失、寝たきり状態になります。

アルツハイマー型認知症の治療薬について

【軽度から高度の治療薬】

ドネペジル塩酸塩(アリセプト)。

原因治療薬ではなく、服薬で10ヵ月程度進行を抑制します。効果は1~2年経つと薄くなります。

副作用に、食欲低下、消化不良、下痢などの胃腸障害。心機能に異常がある場合には慎重に投与されます。

【軽度・中等度等】

ガランタミン消化水素酸塩(レミニール)、

リバスチグミン(イクセロン、リバスタッチ)

副作用としては、食欲低下、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状。心機能に異常がある場合には慎重に投与されます。

【中等度以上】

メマンチン塩酸塩(メマリー)

副作用としては、痙攣、めまい、頭痛、眠気、便秘、職業低下など。

まとめ、感想

アルツハイマー型認知症は、認知症の中でも一番多い原因疾患でもあり、完治することが困難な疾患です。また、ゆっくりと進行していく傾向にあり初期では物忘れ。どんどん進行していくにつれ人格の崩壊まで考えられる私たちにとっても身近で怖い疾患です。

タグ:

« 前のページに戻る