和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

大阪の介護養成学校の講師が説明する。障がい者手帳を取得するメリット

学校の講義の際でもよく受講生さんに聞かれる障がい者手帳を持つメリットは?」についてこの投稿通して解説して行けたらと思います。また、外出支援になると様々な手帳の割引制度を使う事が出来ますので、知っておかなければ支援において、金銭トラブルに発展しかねますのでしっかりとこの投稿を通じて学んでおく必要があります。特に外出支援時には様々な交通公共機関を利用するので障害者手帳をよく使用します。交通公共機関によってもルールが変わりますので運営する会社によって学んでおく必要があります。

障がい者手帳の種類は?

障害手帳には3種類あります。「身体障がい者手帳」「療育手帳」「精神障がい者保健福祉手帳」があり、障がい種別によってそれぞれの障害に応じた障がい者手帳を取得することができます。

取得するための窓口は各市区町村の「障害福祉窓口」で行うことができます。各障がい者に関連する法律では、この障がい手帳を持っている方が障がい者と定義されており、障害程度や障害特性に応じて手帳を持った方が様々な福祉サービスを受けることができます。

違う投稿で障がい者手帳についてまとめているページがありますので下記のページを参考にしてください。

【大阪で活躍中!介護養成学校の講師が障がい者手帳について解説します】

移動支援や同行援護や行動援護時に必要な知識。交通公共機関による障害者割引

障がい者手帳を取得していると電車、高速道路、公営の公共交通機関、飛行機、タクシーなどの割引を受けることができます。ただし、障がい者手帳の中に書かれている旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄」の記載されている内容や精神障がい者保健福祉手帳では割引が効かない交通公共機関もありますので注意が必要です。また、療育手帳の場合、「A1]「A2」「B1」「B2」によって割引率が変わります。障がい者手帳によってそれぞれ確認する箇所が変わりますので注意が必要です。それではどんな割引が存在するか紹介していきましょう。

電車(JRの場合)で受けることが出来る障がい者割引

電車を利用する場合は、身体障がい者手帳の旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄」に記載されている「第一種」「第二種」の種別によって受けることができる割引が異なります。また、今回はJRの場合の要件になりますので、他の鉄道会社によってはルールが多少異なることもありますので、詳しい内容は各鉄道会社へお問い合わせをお願いします。

また、精神障がい者保健福祉手帳ではJR運賃の割引を受ける事はできません。

旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄(第一種)

この場合では本人、本人の介護者の合計2人が割引対象になります。JRの運賃の割引の場合どちらとも半額の割引を受けることができます。※療育手帳の場合は、「A1」「A2」の場合に上記の要件に当てはまります。「B1」「B2」は対象外になります。

旅客鉄道株式会社旅客運賃減額欄(第二種)

片道の移動距離が100キロを超える場合に限り、普通乗車券を半額の価格で購入することができます。

※療育手帳の場合は「B1」「B2」の場合に上記の要件に当てはまります。

高速道路で受けることが出来る障がい者割引

割引を受けることができる要件

高速道路を利用する場合は、2つの条件が必要となります。

1つ目の条件は「身体障がい者が自ら運転する場合」になります。

2つ目の条件は、重度の身体障がい者もしくは重度の知的障がい者が同乗し、障がい者本人以外が運転する場合」になります。

障がい者割引を受ける方法

以前は紙媒体によるチケット制で割引を受けることができました。しかし、この方法だと障害のない方がチケットを使用するなどの不正も多く問題視されたため現在では、障がい者が運転する車または障害者が常に移動手段として使用する車を事前に登録します。登録台数は1台限りしか登録できなくなりました。

ということもあり障がい者割引を適用するためには事前の手続きが必要となります。事前に登録された自動車・ETCカード・ETC車載器以外での利用には割引は適用されませんので注意が必要です。割引率は事前に登録された自動車1台に対して、割引率50%以下の割引を受けることができます。申請や変更の手続きに関しては市区町村の福祉担当窓口にて手続きが必要となります。

その他、移動手段になる交通公共機関の障がい者割引について

タクシーでの割引適用について

タクシーを利用する場合、障がい者手帳を提示すると運賃の10%が割引になります。身体障がい者手帳、療育手帳での割引は全国的に実施されていますが、精神障がい者保健福祉手帳の場合、タクシー会社によっては実施している会社と実施していない会社がありますので乗車の際に確認が必要になります。

※タクシーチケットと障がい者手帳割引は併用して使用することができます。しかし、乗車する前に乗務員に確認が必要です。

公営の公共交通機関での割引適用について

自治体が運営している公共交通機関では、障がい者手帳を提示すると乗車券が無料になる公共交通機関もあります。ただし、各自治体によって違いがありますので確認しておくことが必要です

飛行機(JAL、ANAの場合)の割引適用について

搭乗時の年齢が満12歳以上で身体障がい者手帳や療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳などを持つ本人と介護者1名まで割引運賃が適用されます。

民間施設や公共施設で受けられる障がい者割引や受信料などの免除

公共施設

自治体が運営する美術館や博物館、スポーツセンターなどの公共の施設は障害者料金が設定されていたり、無料で入館・利用できたりする場合もあります。

ホテルや民間の施設

ホテルなどの宿泊施設でも一部、障がい者割引を実施している場合もあります。また民間の施設であっても障がい者割引を実施している施設は多数あります。テーマパークにもよく割引の設定がされてます。

映画

映画の鑑賞料金については、現在では障がい者割引が適用されるのが一般的になってきています。また、車いす用の座席も用意されている映画館もございますので、必要時には事前に調べておきましょう。

NHK受信料

世帯のうちに身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保険福祉手帳のいずれかを持っている人がいる場合にはNHKの受信料は全額免除となります。また、世帯全員が住民税非課税の場合にも全額免除の対象となります。

利用者様と外出支援を楽しむための事前準備

自分自身もこの外出支援を始めた時にいろいろな障がい者手帳の割引があることを学びました。そして、自分の経験になるのですが障害を持つ利用者様から行き先について相談をされることが多々あります。そんな時に自分自身がよく参考にしているホームページがあります。このホームページでは障がい者手帳で割引を受けられる施設一覧等を記載してくれているので非常に参考になります。外出先での費用を抑えることが出来ますのでお勧めします。ぜひとも行先に迷った時はこちらのページを参考にしてください。

【障がい者手帳で行こう全国版】

今回は障がい者手帳の割引について交通公共機関から施設までまとめて行きました。この投稿の前半でも触れましたが、この知識を把握していないと支援を行うにあたり本来、受けることができた割引が知識不足により受けることができなかったなどの問題が起こり金銭トラブルが発生することも考えられますのでしっかりとこの投稿を参考にして、実際の現場で活用していただきたいと思います。

また、この投稿や自分が調べてもわからない場合には直接、施設や公共交通機関に問い合わせをして聞くこともお勧めいたします。僕自身も実際にわからない場合には直接、問い合わせをすることも多々あります。トラブルがないように楽しく外出援助を楽しみ、障がい者手帳を使ったメリットを充分に受けられるよう私たち自身を勉強していきましょう。

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