和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

【介護福祉試験対策】障害の特性に応じたコミュニケーション

ここでは介護福祉の試験範囲に含まれるコミュニケーション技術」の内容について解説していきます。今回解説していく内容は、視覚障害、聴覚障害、言語障害、認知症、精神障害のある人とのコミニケーションの留意点やコミニケーションツールなどについて解説していきます。ぜひ、介護福祉士の国家試験に挑戦される方は、この内容をしっかりと覚えておく必要があります。

また、このような介護福祉試験対策を現在、カイゴミライズアカデミーでは受講生さんとともに勉強中です。詳しくは下記のページまで。

【カイゴミライズアカデミー介護福祉試験対策コース】

視覚障害者の方とのコミニケーション

視覚障害者には「先天的」「後天的(中途失明)」があります。後天的な視覚障害者の場合は、すぐにはコミュニケーションツールを十分に活用できない人がいることを理解する必要があります。視覚障害者の方とのコミニケーションのポイントやコミュニケーションツールについて解説いたします。

視覚障害者の方とのコミュニケーションのポイント

【ポイント①】

正面に近づいて気配を感じとってもらってから、話しかける

【ポイント②】

「これ」「それ」「あれ」「どれ」などの指示語や代名詞は避けて、何について説明しているのか、視覚情報を整理して具体的に伝える

【ポイント③】

「触覚」「聴覚」「嗅覚」など視覚以外の感覚を通じて周りの情報を伝える

視覚障害者のある方へのコミニケーションツール

【聴覚を活用したツール】

「音声読み上げソフト(文章を音声化する機器)」「ポータブルレコーダー」

【触覚を活用したツール】

点字(6つの点で文字を示す)が主に活用され、点字を書くために「点字器」「タイプライター」

聴覚障害者の方とのコミニケーション

聴覚障害にも「先天的」「後天的(中途失聴・難聴※老人性難聴など)」なものがあります。先天的な聴覚障害の場合は、言葉の発達に遅れがみられることがありますが、主に手話やその補助的な手段として指文字(指の動きにより文字を表す方法)でコミニケーションをとる人が多い傾向です。それでは視覚障害者の方とのコミニケーションのポイントについて解説いたします。

聴覚障害のある方とのコミュニケーションのポイント

【ポイント①】

相手が話の内容を理解できるように静かな明るい場所で、正面を向いてゆっくり、はっきりと簡潔に話す

【ポイント②】

主に視覚を通じて、理解できる方法を把握する

聴覚障害のある方へのコミニケーションツール

【聴覚を活用したツール】

筆談(上など文字や図を書いて説明する方法※中途失聴者に有効)」「読話(口の形が動くから話している内容を読み取る方法)」空書(空中に文字を書いて伝える方法)」など

【聴覚の補助機器】

補聴器老人性難聴などの場合は効果が限られ慣れるまでには時間を要する」

言語障害のある方とのコミニケーション

言語障害とは、音声や言語機能などの障害を指します。言語障害は次の2つに大別されます。

発語に関わる舌や口唇の動きが障害されることで正確な発声や発音が難しい「構音障害」

②舌や口唇に異常がなく、脳機能に障害をきたすことによって発声することや理解することが難しくなる「失語症」

失語症も次の2つに大別されます。

運動性失語(ブローカー失語):発声する事は難しいが理解することは可能

感覚性失語(ウェルニッケ失語):理解する事は難しいが発声する事は可能

構音障害のある方とのコミュニケーションのポイント

【ポイント①】

相手が何を伝えようとしているのかしっかりと耳を傾ける

【ポイント②】

相づちを挟みながら必要に応じて相手の言葉を繰り返すことで意思を確かめるようにする

【ポイント③】

話す事は難しくても言葉の理解は可能

【ポイント④】

話す事は難しい場合、閉じられた質問を活用する

構音障害のある方へのコミニケーションツール

文字盤(五十音表によりコミュニケーションを図る)」「携帯用会話補助装置」「筆談」など

運動性失語のある方とのコミュニケーションのポイント

【ポイント①】

絵や写真など「視覚的な情報」を用いる

【ポイント②】

話を聞くときは「閉じられた質問」をする

感覚性失語のある方とのコミニケーションのポイント

【ポイント①】

身振り、手振りなど「非言語的コミニケーション」を中心にする

認知症の方とのコミュニケーション

認知症とは何らかの脳の疾患や障害により、正常に発達した知的機能や認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を指します。認知症の症状には次の2つに大別されます。

【中核症状】

認知症の人の症状には誰にでも起こり得る症状。「記憶障害」「見当識障害」「判断力の障害」など

【行動・心理症状(PTSD)】

中核症状を通じて引き起こされる症状。「徘徊」「常動行動」「抑うつ」「幻覚」「妄想」など

認知症の方への接し方

【①否定と訂正はしない】

幻覚や妄想などの症状により、事実と異なることを口にしたとしても否定や訂正はせずその人の言動を受容し、訴えを傾聴する姿勢が大切です

【②非言語的コミュニケーションの活用】

言葉だけではなく身振りや手振りなどの非言語的コミニケーション交えることにより、認知症の人の理解を深めるように心がけます

【③情報は簡潔に】

介護福祉職の側から何かを伝えるときは、情報を簡潔にまとめて、順序立てて説明するように話す

ここで問題!

【問題】

認知症の人とのコミニケーションとして、わかりにくい言葉や行動は指摘し、修正させる。

【答え】

答えは「×」です。認知症の人に対しては、その言動を訂正するのではなく、不安や混乱を招かないように受動的な態度で接することが大切です

精神障害のある方とのコミニケーション

精神障害にも様々な種類がありますが、ここでは統合失調症と双極性障害のある方とのコミニケーションについて取り上げます。

統合失調症と双極性障害の内容

【統合失調症】

《症状》

「幻覚(幻聴や幻視)」「妄想(被害妄想や誇大妄想など)」「感情鈍麻(感情が失われ、何事にも無関心)」などの症状がみられます。

《接し方》

統合視聴症の人に対しては、幻覚や妄想については否定も肯定もせずその人の感じていること、または状態を受け入れることから始めます。また、話を詳しく聞いたり、解決策を提示したりするのも妄想を深める危険性もあるため適切ではありません。

【双極性障害】

《症状》

「躁状態(気分が非常に高揚した状態)」「うつ状態(意欲が激しく落ち込んだ状態)」を交互に繰り返します。

《接し方》

うつ状態の時:安易に励ましたりする事は厳禁です。自発的な行動を促せるように受容的な態度で接することが信頼関係に繋がります。

躁状態の時:気分が高ぶった状態であるため過度な刺激となるような言葉がけや対応は控えるように注意します。利用者の言動を拒絶したり、一つ一つの話にじっくり耳を傾けたりするのではなく、利用者自身が躁状態であることを自覚できるように接っします。

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