【介護福祉試験範囲】「居住環境の整備」を試験対策講座講師が解説
老化に伴う機能の低下に合わせて居住環境の整備は重要となります
また、現在カイゴミライズアカデミーではこのような知識を、受講生さんと国家試験合格を目指して勉強中です。介護福祉士国家試験対策は、下記のページまで。
老化に伴う居住環境の留意点
住居は、生活を送る上での基盤となるものです。また、
老化に伴う感覚機能の低下と環境整備
【視覚の低下】
明るさや暗さへの順応力が低下するので、照明を明るめにする
【聴覚の低下】
音を聞きとりづらくなるので、防犯ベルの音量を上げ
【嗅覚の低下】
ガスの匂いを感じられず、
【触覚】
皮膚感覚が鈍ることにより、
【体温調整機能の低下】
汗をかきにくく、
居住環境整備の視点
居住環境整備は、安心・安全や使い心地のよさを考慮します。
各場所ごとの環境整備のポイント
【居室・寝室】
①日当たりや風通しの良い場所を選ぶ
②換気を行う場合は2カ所以上の窓を開け、
③移動のしやすさ、家族からの孤立を防ぐため、トイレや浴室、
④利用者や家族の負担を軽減するため、布団ではなくベッドにする
⑤ベッドの高さは端座位(ベッドに腰をかけた体位)で足底全体が
【台所】
①調理台の高さ、シンクの深さは、
【廊下・階段】
①階段の手すりは片側だけに設置する場合、
②手すりは床から75cm程度の高さにする
③階段の踏み面は24cm程度、高さは16〜18cm程度にする
④転倒予防のため、床材は滑りにくい材質のものを選ぶ
⑤車いすを使用する場合、廊下の幅は85cm程度にする
⑥足元灯(フットライト)を設置する
このほか、屋内では転倒予防としてスリッパは厳禁です。
【浴室】
①出入り口のドアは安全を考慮し「引き戸」にする
②転倒予防のため、洗い場や浴室内は滑り止めマットを使用する
③浴槽の出入りに使用するシャワーチェアは、
④浴槽はまたぎやすいよう、洗い場から40〜45程度の高さにす
【トイレ】
①事故があった場合に救助しやすいよう、ドアは「引き戸」か「
②縦手すりは、洋式便器の先端より20〜30cm程度前方
③片麻痺の人の場合は手すりは、健側に設置する
④手すりの握り部分の直径は、28〜32mm程度にする
⑤照明は、就寝時の寝室よりも明るくする
⑥横手すりは、洋式便器の座面から30cm程度の高さに設置する
⑦L字型手すりが理想
⑧姿勢の保ちやすさ、負担の軽減を考慮し、洋式便器が望ましい
ここで問題!
【問題】
高齢者にとって安全で使いやすい扉の工夫として、
【答え】
答えは「×」です。トイレのドアは、
認知症の方の居室の環境
認知症の人などに多く見られることですが、
また、
住宅改修について
住宅改修は、利用者の居宅を改築して、
介護保険制度による住宅改修日の支給対象
①手すりの取り付け(取り外し可能な手すりは含まない)
②段差の解消
③滑りの防止や移動の円滑化のための床材の変更
④引き戸や外開きへの扉の取り替え
⑤洋式便器等への便器の取り替え(取り外し可能な便器等は含まない)
⑥その他、①〜⑤の改修に付帯して必要な住宅改修
バリアフリー
バリアフリーとは、高齢者や障害者が社会生活を送る上で、「
ユニバーサルデザイン
バリアフリーの考え方を発展させ、
【ユニバーサルデザインの7原則】
①どんな人でも公平に使えること(公平性)
②柔軟に使用できること(自由度)
③使い方が簡単でわかりやすいこと(単純性)
④必要な情報がすぐにわかること(わかりやすさ)
⑤うっかりしたミスが危険につながらないこと(安全性)
⑥少ない力で効率的に、楽に使えること(身体的負担の軽減)
⑦利用する十分な大きさと空間を確保すること(スペースの確保)