和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

【介護記録について】大阪介護の資格の学校講師が介護福祉試験対策

今回は、介護記録について解説していきます。記録による情報の共有化」などの記録の種類や方法、留意点などを解説いたします。また、介護現場においての「報・連・相」も大切です。これらを適切に行うことにより介護事故を防ぎより良い介護を提供することにつながるます。

また、介護現場では上記の情報をもとにケアカンファレンスを行うことも重要です。

この内容は、介護福祉の試験範囲(コミュニケーション技術)に含まれる知識となりますので、国家試験に挑戦される方はこの投稿を参考にしていただければと思います。

そんな介護士国家試験対策を現在カイゴミライズアカデミーでは行っています。詳細は下記のページまで。

【介護福祉試験対策コース】

介護記録について

介護に関する記録は、チーム内で利用者に関する情報を共有し、利用者への理解を深め、共通の目的や目標を持って支援を行っていくために欠かせないものです。それではまずは介護に関する記録の種類について解説いたします。介護に関する記録には様々な種類があります。これらの記録は、情報の共有に限らず、その後のサービスの質の向上、介護計画立案のための資料、介護福祉職のスキルアップなどに活用されます。それでは主な記録の内容を解説いたします。

介護に関する記録の種類

【フェイスシート】

利用者の基本情報となる氏名や年齢、住所、職業、家族構成、希望などを記載した書類

【業務日誌】

業務全般の記録と報告を目的とした文書

【介護日誌】

利用者の状態やサービスの内容など日々の記録をまとめた文章。一般的に「介護記録」というところの文書を指します。利用者や家族の要望に応じて閲覧可能

【ヒヤリ・ハット報告書】

「ヒヤリ」「ハッ」っとしたことを情報共有するための記録です。事故の予防対策に活用されます

【事故報告書】

実際に起きた介護事故についてまとめた文章です。

記録の方法と留意点

【記録の方法と留意点】

①日々の記録は、介護を実施したその日に行う

②簡単に書き換えられないように、ボールペンなど消えない筆記用具を使う

③「5W1H(「when:いつ」「where:どこで」「who:誰が」「what:何を」「why:なぜ」「howころんどのように」)」を明記し、事実関係を正確に記録する

④訂正を行うときは修正器を使わず、二重線と訂正印で対応する

⑤記録の署名を必ずを入れる

記録は持ち出ない

⑧保管する場所は、鍵のかけられる場所を選ぶ

事例検討会における個人情報の取り扱い

事例検討会とは、介護に関する記録から様々な事例を取り上げ、多職種が集まり報告し、支援のあり方について学び合うものです。

個人情報保護法や厚生労働省「医療・介護関係事業所における個人情報の適切な取り扱いのためのガイダンス」に基づき、記録の中で特定の個人を識別できる情報は、個人情報として匿名化する必要があります。また、利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱う場合にはあらかじめ利用者の同意を得なければならないものとされています

記録の様式と文体

【記録の様式について】

《過程記録(経過記録)》

支援に関わる様々な状況を、時間の経過に沿って記述したもの

《要約記録》

支援の内容やその記録を要約したもの。支援が長期にわたる場合などは、定期的に作成しておく

《項目記録》

支援の内容をいくつかの項目ごとに整理し、その要点をまとめたもの

《逐語記録》

利用者との会話をそのまま記録にしたもの。膨大な量になることが多いが、状況がよりリアルに伝わるためスーパービジョンなどで活用しやす

【記録の文体】

《叙述体》

支援に関わる様々な状況を、時間の経過に沿って記録したもので次の2つに分けられます。

①過程叙述体:利用者とのやりとりを詳細に記録したもの

②圧縮叙述体:過程叙述体を圧縮したもので、過程記録の多くはこの形式である

《説明体》

利用者との会話や支援の内容などについて、介護福祉職がその趣旨を解釈し記録したもの

《要約体》

説明体をさらに整理し、短文化したもの。系統立てと主眼点が明確化されているのが特徴であり、要約記録の多くはこの形式である

《会話体(逐語体位)》

利用者との会話をその言葉通りに示したもの

ICT (情報通信技術)を活用した記録

ICT (情報通信技術)の発達によって、記録もまた手書きからパソコンによるデータの作成と管理へと移行してきています。

メリットとしては、①書類を保管する場所を必要としない簡単に情報を共有できる

デメリットとしては、①データの喪失や漏洩システムエラーによる操作不能です。

ICTを活用した記録の留意点として次のことが挙げられます。

【ICTを活用した記録の留意点】

①データのバックアップを必ず取る

パスワードを必ず使用し、定期的に変更する

③電子メールによる記録の送信・共有は原則行わない。やむを得ず使用する場合は必ず匿名化する

介護現場における「報・連・相」

報告

報告は、業務の指示者、上司に経過や結果を伝えます。報告で大切な事は、事実関係を正確に伝えることです。報告者の主観を加えず、まずは結論を伝え、その過程を簡潔にまとめます。また事故やトラブル、苦情等緊急性のあるものについては、速やかに報告をすることが重要です。

連絡

連絡は、チームや施設、または利用者の家族に向けて必要な情報を伝えるために行われます。連絡で大切な事は誰に対して?どのようなことを?どういった手段で伝えるのが適切か?を前もって決めておくことです。

例えば、利用者の容体が急変したときの備えとして、医師や看護師などとの連絡体制を整えることも重要です。

相談

相談は、介護方法や業務の進め方、トラブルや苦情への対応などについて上司や同僚に対して助言や指導を求めるために行われます。相談で大切な事は、相談内容をしっかりと整理してから、話を持ちかけることです。自分なりの考えもまとめた上で、何について助言や指導を仰ぎたいと思っているのかを明確にしておきます。

ここで問題!

【問題】

介護福祉職が行う報告として、自分の主観的意見を中心に報告する。

【答え】

答えは「×」です。報告の1番の目的は、事実関係を正確に伝えることです。主観的意見が中心になると報告を受けた側は状況を正しく把握することができなくなるため、客観的な事実に絞って報告するようにする。

ケアカンファレンスについて

ケアカンファレンスとは、各専門職がそれぞれの立場から意見を述べて、介護の方向性、修正すべき点などについて解決策を探ります。ケアカンファレンスの留意点は次のようになります。

ケアカンファレンスの留意点

①ケアカンファレンスも業務に含まれるので、勤務時間内に実施する。また、スーパービジョンの場とすることも可能

②必要な資料は、出来る限り事前に配布しておく

③報告を行う場合は、利用者の状態や支援状況等の客観的な事実関係を正確に伝える

④特定の専門職や経験年数の長い職員の意見、多数派の意見によって、結論が下されるものではない

⑤不明瞭な点が見られたら、会議中に必ず質問する

各専門職の専門性と意見を尊重し、利用者の観点に立って議論をつうじた合意を目指す

⑦意見の振り返り、会議終了後の根拠とするため議事録を作成する

ブレインストーミング

会議の方法の1つにブレインストーミングがあります。問題解決のためのアイディアを生み出すためのものであり、会議に参加する方全員が次の4つのルールに基づいて様々な意見を出し合って行きます。

その4つのルールとは「①違反厳禁」「②自由奔放」「③質より量」「④便乗歓迎」という4つのルールです。

ここで問題!

【問題】

ブレインストーミングでは、意見の質より、数多くの意見を出すことに価値を置く。

【答え】

答えは「○」です。ブレインストーミングでは、意見の質よりも量が重視されます。

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