和泉市 実務者研修 カイゴミライズアカデミー

令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン128「こころとからだのしくみ〜移動とADL/IADL〜」

どうも。カイゴミライズアカデミーで講師を務めます。河野つなきです。今回も介護福祉士の試験範囲から引き続きこころとからだのしくみ」について解説していきます。

今回解説していく内容は、移動の介護とADL/IADLに関してまとめていきます。

目次

・移動の介護

・歩行と車椅子での移動

・ADLとIADL

・まとめ、感想

移動の介護

安全な移動は、自立した生活を送る上での必要条件です。筋力や関節の機能を維持し、骨を丈夫に保つことが身体機能を維持し、安全に移動することを可能にします。

【移動行為の意味】

移動には、歩行などによる場所の変化のほか、寝返りや起き上がり、立ち上がりなどの体位の変化も含みます。

移動することによって、筋肉が動き、血流が良くなり、その結果、筋力や関節の維持、骨の強化につながります。移動が阻害されると、関節の動く範囲が減少する関節拘縮や筋力の低下が発生します。

また、体位変換が滞ると、褥瘡などの廃用症候群も発生しやすくなる。

廃用症候群に関しては、違うページで詳しくまとめていますので、下記のページを参考にしてください。

≪令和4年度介護福祉士国家試験を介護福祉士が解説をします!レッスン72「発達と老化の理解〜高齢者に多い疾病〜」≫

【移動に関する留意点】

体位変換は、介護者が重心をうまく動かすことによってスムーズに行うことができます。支援の際は、利用者と介護者の重心の位置や動きを意識し、介護者の支持基底面積を広く取ることで安全で安楽な移動を行うことができます。

【良肢位】

良肢位とは、ADLで支障の少ない関節角度をとった肢位

①下肢では肩幅程度に足を広げる

②上肢では肩を軽く開く

③肘をおおむね90度になるまで屈曲する

④手は軽くボールを握ったようにする

歩行と車椅子での移動

歩行は、移動の基本的な動作です。しかし、重心位置が高い上に一歩ごとに次々と新たな支持基底面積が作り出されるので、不安定な動作といえます。支持基底面積の中に重心を置いて、バランスを保持しながら歩きます

【歩行のしくみ】

①立位姿勢を保ちつつ→ ②一側の下肢を地面におろして足底部をつけ→ ③その後、すぐ反対側の下肢を前に繰り出す。

この行為を交互に繰り返すことで、一歩ずつ新たな支持基底面積が作られていく動作のことです。

【歩行の留意点】

重心位置が高い上に、からだを支持する面は狭く、不安定になりやすい。また、屋外で歩行する場合は、周囲への注意力や判断力が必要になり、道順を記憶するなど、高次脳機能も必要になる。

【車いすでの移動】

座位姿勢で、上肢や下肢の力を駆動力とする。自走で利用するためには、安定した座位姿勢がとれること、駆動する力や関節の動きがあることが重要です。

ADLとIADL

移動は、ADL(日常生活動作)IADL(手段的日常生活動作)を実行するために必要な基本的な行為である。さらに、移動によって周囲の環境を変える事は、意欲や意識の向上も誘い、生きがいの創出にも結びつきます。

【ADL】

《定義》

日常の生活を送るために必要な基本動作のこと。高齢者の身体活動能力や障害の程度を測る上で重要な指標の1つとなっている。

《具体的な行為》

食事、排泄、着脱、入浴、移動、寝起きなど

【IADL】

《定義》

ADLを基本にした日常生活上の複雑な動作のこと。

《具体的な行為》

買い物、料理、洗濯、電話、薬の管理、金銭管理、乗り物の利用など

まとめ、感想

自立するといったことは、移動とADL/IADLが大きく関係してきます。また、自力で歩行することが難しい場合は、杖を使って支持基底面積を広くし歩くことも考慮します。

車いすの場合も、自走が難しい場合には利用者の状況によっては電動車いすなど利用することもあります。

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